論理的思考力について考える本。
表紙に「ある文章の中で行われている推論が、よい推論なのか、それともよくない推論なのかを『評価する』というクリティカル・シンキングの目的…」ということが書かれていて、私たち弁護士が(あるいは裁判官が)仕事がら行う証拠から認定すべき事実に至る推論(推認)の評価に役立つかもと期待して読みました。しかし、哲学や論理学上の概念(証拠は結論の「認識根拠」の理由なのだとか)や誤解を排除するための言葉の使い方などの説明が多く、論証する推論の評価の話は終盤でようやく出てきた(237ページあたりから)上に、疑わしい暗黙の前提をおくとか考慮に入れるべきことを見落とすとかの誤りに注意するなど、まぁ気をつけるべきことではあるけれどそりゃそうでしょうというところで、新発見ということは残念ながらなかったかなと思いました。
丹治信春 ちくま新書 2023年10月10日発行
表紙に「ある文章の中で行われている推論が、よい推論なのか、それともよくない推論なのかを『評価する』というクリティカル・シンキングの目的…」ということが書かれていて、私たち弁護士が(あるいは裁判官が)仕事がら行う証拠から認定すべき事実に至る推論(推認)の評価に役立つかもと期待して読みました。しかし、哲学や論理学上の概念(証拠は結論の「認識根拠」の理由なのだとか)や誤解を排除するための言葉の使い方などの説明が多く、論証する推論の評価の話は終盤でようやく出てきた(237ページあたりから)上に、疑わしい暗黙の前提をおくとか考慮に入れるべきことを見落とすとかの誤りに注意するなど、まぁ気をつけるべきことではあるけれどそりゃそうでしょうというところで、新発見ということは残念ながらなかったかなと思いました。
丹治信春 ちくま新書 2023年10月10日発行
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