今日3月10日秋田県の寺院からの依頼で涅槃会の説教へ。その地名が「強首」これで「こわくび」と読む。
興味を感じて住職に尋ねたが誰も分からないとのこと。「アイヌ語では」と聞いてみたが、違うだろうとのこと。
帰ってきて調べてみたが見つからない。音からしてもアイヌ語ではないかもしれない。本当に日本の地名には意味不明なものが多い。
因みにと思って強首のあたりの地名を探ってみた。するとおもしろい。
強首の字名に「乙越(おとごえ)」「根越(ねごし)」や「立回(たちまわり)」「寺縄手ノ上(てらなわてのかみ)」などが見られる。
それらの地名からついつい伝説めいたものを思いめぐらせてしまう。
「その昔、山のような大男が暴れて村人が難儀していたが、ついに村人が立ち上がり追われる身となった。山を越え林を越えして雄物川まで追い詰められた大男は、最後の力を振り絞って大立ち回りをした。その時、お寺の和尚さんが、お経を念じながら編んだ縄を投げると不思議にも大男の手に絡まり村人の手に落ちた。村人はこれまでの恨みを晴らそうと大男の首に縄を掛けて木の枝に吊そうとしたが、男の首は強く、枝が折れてしまった。
和尚さんは「お経を聞いて編まれた縄で人の命を奪うことはできないよ」「その男もお経の功徳でおとなしくなるじゃろ」といって助けてやったとさ。めでたし。」
今日お邪魔した長養寺さんの隣には立派な「村社強首神社」があった。そのご神体は・・・
アイヌ語でなくとも地名はおもしろい。