なあむ

やどかり和尚の考えたこと

三ちゃんのサンデーサンサンラジオ42

2016年02月14日 06時34分52秒 | サンサンラジオ
♪゜・*:.。. .。.:*・♪
三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ!

今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

さて、明日2月15日は、仏教徒が忘れてはならない大事な三つの日の一つ、涅槃会(ねはんえ)、お釈迦様が亡くなられた日です。
多くのお寺さんで「涅槃図」と呼ばれるお釈迦様ご臨終の様子を描いた掛軸を懸けてお勤めをすると思います。
もちろん松林寺でも御詠歌のみなさんを中心にお勤めをいたします。
そして、お勤めの後は「だんごまき」を行います。
おだんごは、お釈迦様の母上、お釈迦様を産んで七日目に亡くなられたマーヤ夫人が、危篤のお釈迦様を救おうと天上から下りてきて薬を投げ下ろしましたが間に合わず、それをだんごにしてお供えしたものとされています。
なので、このおだんごは御守になると昔より信じられ、お参りのみなさんが大事にお持ち帰りになります。
そしてそして、そのおだんごを「だんごまき」の言葉通り、参詣の皆様に盛大に撒くのです。
静かにしめやかにお勤めをした後のこのイベントの賑やかさは、お祭りのようです。
涅槃だんごを撒くという習慣は、東北の一部にあるようです。
何故撒くようになったのか、詳しくは知りませんが、もしかしたら、節分の豆まきと習合したのかもしれません。
自分の歳と同じ数を拾うといい、などと言われていて、80代のおばあちゃんは必死です。
私の子どものころなどは、お年寄りから子どもまで、本堂いっぱいに集まった参詣者に、勢いよく撒いて、「こっちゃまげ」と手を広げて拾う様子は、狂喜乱舞の大騒ぎでした。
おそらくは、冬の楽しみの無かった頃、大声を出して笑う楽しみのイベントをつくったのかもしれないと思います。
最近はだんごだけでなく、あめ玉やミカンなども撒いて楽しんでいます。

いずれにせよ、撒いて拾うためには大量のおだんごを必要とします。
そこで、今日14日は、手伝い人が20人ばかり集まっておだんごを丸める作業を行います。
五色に色づけした米粉を小さなだんごに丸めていきます。
それをゆでて粉をまぶして完成です。
そのおだんごを掛軸の前にお供えしてお勤め、明日もまたお勤めしてから撒くという手順です。
さて、明日はどれほど賑やかになるでしょうか。楽しみです。

因みに、松林寺の涅槃図は結構な大きさの立派なものです。
縦297センチ、横197センチあり、本堂の天井のすぐ下から懸けないと間に合いません。
完成したのは江戸中期の宝暦13年(1763)と書かれてあります。
表具は平成元年に修復しましたが、内部の絵そのものはほとんど痛みもありません。
昨日たまたま「なんでも鑑定団」を観ていたら、あるお寺の涅槃図が出てきて、鑑定されました。
サイズは松林寺の半分にも満たないような大きさで、表具はボロボロ、内部も痛んでいるように見えました。
書かれたのは江戸後期という見立てで、それでも鑑定額は何と300万円でした。
それに比べて・・・と思わないわけではありませんでしたが、売り物ではありませんし、値段によって価値を判断できるものでもないでしょう。
この掛軸、この時期だけの「ご開帳」ですので、松林寺に限らず、お近くのお寺さんに問い合せて拝観、お参りさせてもらってはいかがでしょう。
もしかしたらおだんごを頂戴できるかもしれません。


今週はここまで。また来週お立ち寄りください。