なあむ

やどかり和尚の考えたこと

三ちゃんのサンデーサンサンラジオ43

2016年02月21日 05時07分19秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ!

今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

先日の木曜日、ある中学校の授業に呼ばれて行ってきました。
実は、去年の今頃も同じ学校に呼ばれて授業をしてきたのですが、その時は、学校側の対応について疑問を感じて、「これでは生徒がかわいそうだ」と憤りを覚えていました。
なので、昨年末、「今年もお願いします」という電話をいただいたとき、正直「どうしようかな」と思いました。
電話で昨年のことを少し話をし、「そういうことでは困ります」とお話をして、生徒に罪はないと思いなおして引き受けることにしました。
そして今年、去年とはまるで違っていました。
1年生の授業なので、去年とは生徒が違う、先生が違う、他にも違うことがあったのかもしれませんが、生徒たちは最初から終わりまで、みんなよく聞いてくれました。

生徒たちは、1年間「環境問題」と「世界の貧困問題」を学んできていて、今回は「世界に目を向けよう」というテーマで授業をしてほしいという意図でした。
ということで、難民の話をしてきました。
難民というのは、戦争や内戦、民族や宗教の対立、災害や貧困によって自らの国で生活ができなくなり国外に逃れた人のことを言います。
同じ理由で故郷を逃れた人でも、国内に留まっている人は難民とは呼ばれず避難民となります。
その数は増加していて、現在難民の数が約2000万人、避難民の数が約4000万人、合せて6000万人に上っています。
東日本大震災、原発事故で故郷を離れている人18万人もこれに含まれています。
現在最も多くの難民、避難民を出しているのはシリアで、難民が410万人、避難民が760万人、合計1170万人でこれは何とシリア国民の半数に上ります。

人は生れる場所を選べません。
生れたところが難民キャンプであったり、とてもひどい貧困の家庭だったりするだけです。
それに比べて緑豊かなここに生れて、家族があり、温かい家があり、食べ物が食べられ、教育を受けられ、命の危険がなく、銃を持たされることもない、それを恵まれていると思わなければ今困難な状況にある人々に申し訳ない。
というような話をしました。
さらに、カンボジアでの光景で、文字を読めないために医者からもらった処方箋が読めず、病気の子どもにどうすればいいか分からない、「この紙を読んでくれ」と助けを求める母親の例から、教育を受けるということは命を守ることでもある、という話と。
毎年60万人から80万人が、国境を越えて人身売買されているという実態。
そこで行われているショッキングな話も紹介しました。

話が終わって、クラスの代表者が感想を述べてくれました。
「教育を受けることは命を守ることだと知りました」
「世界の人々の為に自分に何ができるのかを考えてみたいと思いました」
といううれしい感想を言ってくれました。

この瑞々しい時機に、世界のことや自分との対比を考えることは、将来の方向を左右するきっかけになるかもしれないと思います。
そんな機会をこちらの感情でなくしてしまわないでよかったと、反省を込めて思いました。



それでは今週はここまで。また来週お立ち寄りください。