三ちゃんのサンデーサンライズ。第439回。令和5年10月22日、日曜日。
暴力の連鎖がこれ以上広がらないことを切に祈ります。
それぞれの紛争には、それぞれに当事者の都合、歴史的、地域的、民族的、経済的、政治的な、そしてタイミングがあるのでしょう。
それは当事者以外に分からない事情かもしれません。
どんな事情があるにしろ、暴力によって他を傷つける行為が許されるわけではありません。
暴力は暴力の連鎖を生み、江戸時代の火事のようにあちこちに飛び火して収拾がつかなくなる状況に陥ることを危惧します。
いくら「落ち着いて」「冷静に」と呼びかけても、一度火がついた民衆の心を鎮めることはそうたやすくはないでしょう。
アフガニスタン・ミャンマーの軍事クーデター、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの戦闘、力によって相手をねじ伏せようとする行動には必ず抵抗があり、報讐が報讐を生み際限なく続いてしまいます。
そんな状況に仏教は何ができるのかを考えると、無力感を覚えます。
仏教の唱える平和は、あくまで一人ひとりの心に呼びかけるもので、枠組みとしての平和ではありません。
力による解決を否定するとは言っても、今現に紛争の中にある人々に武器を置くことを説くことは至難の業と思われます。
だからと言って、仏教的平和を希求することをあきらめたり、周囲の流れに乗って戦争もやむなしなどと賛成論に回ったり、自分をごまかすことがあってはなりません。
まず自ら常に頭を軽くして、逃げず、目を背けず、正しく見、正しく聞いて、正しい判断をしていかなければなりません。
このブログの管理画面に、ページ毎の閲覧数というのが表示されるのですが、時折、記憶に薄いタイトルがあり、何を書いたのだろうと読んでみることがあります。
そして、へえ、そんなこと書いたんだ、なかなかいいこと書いているじゃないかと自分で感心したりします。
先日読み返した次の記事もその一つです。
タイトル『橋本夢道』(2009年1月20日 カテゴリー「今日のありがとう」)
朝のNHK連続テレビ小説をBS2でご覧の方も多いことだろう。実は私もその一人。その後の番組も続けてご覧の方も多いのでは・・・。
以前は四国八十八ヵ所巡礼のプログラムだったが、最近は『私の一冊、日本の百冊』という番組になっている。ついつい見ているうちに興味が湧いてきて、こちらも連続してみている。
各界の著名な人々が、それぞれ「自分の一冊」を紹介していくという内容だ。本との出会いも人との出会いのように、人生にとって大きな転換をもたらすことがある。自分も読んで感銘を受けた本の紹介がされたりすると「うん、うん」と共感しながら見ている。また、まだ読んでいない本には読んでみたい衝動に駆られる。
先日の放送で紹介されたのは、俳人金子兜太さんが選んだ「橋本夢道句集『無禮なる妻』」だった。
この番組ではじめて橋本夢道という人を知ったのだが、夢道は戦中戦後の貧しい時代を生きた俳人で、心から戦争を憎み嫌い、いわれなき投獄という目に遭いながら、貧しさの中で必死に生き、妻を愛し、貧しさを笑い飛ばすような自由律の俳句をよんだ人だ。
その中で紹介された一句。
世の中や 金も欲しいが 一度大声で 笑いたい
確かに生きるのにお金は必要だ。それは、生きるのに必要なのであって、それ以上のものではないはず。しかし、どこまでが必要な分なのかが不明瞭となり、その範囲がとてつもなく大きく広がり、際限なく求め続けてしまった結果、かえって苦しみを増しているのが現代社会なのだろう。
大声で笑い飛ばしてしまえるぐらいの範囲で止めておかないと、生きていて決して楽しくない人生になってしまう。大声で笑っても腹がふくれるわけでもないどころか、かえって減ってしまうだろう。だけど、腹が減っても楽しく生きられる方がいい。
無礼なる妻よ 毎日 馬鹿げたものを食わしむ
妻よ おまえはなぜ こんなにかわいんだろうね
誰も貧乏が怖い訳じゃない。みんなが貧乏であれば何も怖くない。みんなが腹一杯食べているのに自分だけ食べられないという孤独感と、どんどん離れていって取り残されるという社会の格差が怖いのだ。
貧乏であることを笑ってしまえるようになれたらいいね。
今週はここまで。また来週お立ち寄りください。
因みに、カテゴリーを新設しました。「タイトルアイデア室」。
ある明け方、まどろいの中で、連想ゲームのような流れで「恋の裁ちばさみ」というフレーズが浮かんできました。
これは少女漫画のタイトルになるのではないか、もてないと思っていながら惚れやすいファッションデザイナーが、恋に破れる度奇想天外なファッションを思いつく。キーワードは大きな裁ちばさみをふるう「シャキーン!」。
自分の思いを裁ち切る裁ちばさみ。
前後裁断。過去も未来も裁ち切って今を生きる。
そんな内容のタイトルにいいんじゃないか。
そう言えば、これまでもそんな思いつきのアイデアがいくつかあったなと、カテゴリーにしてみました。
暴力の連鎖がこれ以上広がらないことを切に祈ります。
それぞれの紛争には、それぞれに当事者の都合、歴史的、地域的、民族的、経済的、政治的な、そしてタイミングがあるのでしょう。
それは当事者以外に分からない事情かもしれません。
どんな事情があるにしろ、暴力によって他を傷つける行為が許されるわけではありません。
暴力は暴力の連鎖を生み、江戸時代の火事のようにあちこちに飛び火して収拾がつかなくなる状況に陥ることを危惧します。
いくら「落ち着いて」「冷静に」と呼びかけても、一度火がついた民衆の心を鎮めることはそうたやすくはないでしょう。
アフガニスタン・ミャンマーの軍事クーデター、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの戦闘、力によって相手をねじ伏せようとする行動には必ず抵抗があり、報讐が報讐を生み際限なく続いてしまいます。
そんな状況に仏教は何ができるのかを考えると、無力感を覚えます。
仏教の唱える平和は、あくまで一人ひとりの心に呼びかけるもので、枠組みとしての平和ではありません。
力による解決を否定するとは言っても、今現に紛争の中にある人々に武器を置くことを説くことは至難の業と思われます。
だからと言って、仏教的平和を希求することをあきらめたり、周囲の流れに乗って戦争もやむなしなどと賛成論に回ったり、自分をごまかすことがあってはなりません。
まず自ら常に頭を軽くして、逃げず、目を背けず、正しく見、正しく聞いて、正しい判断をしていかなければなりません。
このブログの管理画面に、ページ毎の閲覧数というのが表示されるのですが、時折、記憶に薄いタイトルがあり、何を書いたのだろうと読んでみることがあります。
そして、へえ、そんなこと書いたんだ、なかなかいいこと書いているじゃないかと自分で感心したりします。
先日読み返した次の記事もその一つです。
タイトル『橋本夢道』(2009年1月20日 カテゴリー「今日のありがとう」)
朝のNHK連続テレビ小説をBS2でご覧の方も多いことだろう。実は私もその一人。その後の番組も続けてご覧の方も多いのでは・・・。
以前は四国八十八ヵ所巡礼のプログラムだったが、最近は『私の一冊、日本の百冊』という番組になっている。ついつい見ているうちに興味が湧いてきて、こちらも連続してみている。
各界の著名な人々が、それぞれ「自分の一冊」を紹介していくという内容だ。本との出会いも人との出会いのように、人生にとって大きな転換をもたらすことがある。自分も読んで感銘を受けた本の紹介がされたりすると「うん、うん」と共感しながら見ている。また、まだ読んでいない本には読んでみたい衝動に駆られる。
先日の放送で紹介されたのは、俳人金子兜太さんが選んだ「橋本夢道句集『無禮なる妻』」だった。
この番組ではじめて橋本夢道という人を知ったのだが、夢道は戦中戦後の貧しい時代を生きた俳人で、心から戦争を憎み嫌い、いわれなき投獄という目に遭いながら、貧しさの中で必死に生き、妻を愛し、貧しさを笑い飛ばすような自由律の俳句をよんだ人だ。
その中で紹介された一句。
世の中や 金も欲しいが 一度大声で 笑いたい
確かに生きるのにお金は必要だ。それは、生きるのに必要なのであって、それ以上のものではないはず。しかし、どこまでが必要な分なのかが不明瞭となり、その範囲がとてつもなく大きく広がり、際限なく求め続けてしまった結果、かえって苦しみを増しているのが現代社会なのだろう。
大声で笑い飛ばしてしまえるぐらいの範囲で止めておかないと、生きていて決して楽しくない人生になってしまう。大声で笑っても腹がふくれるわけでもないどころか、かえって減ってしまうだろう。だけど、腹が減っても楽しく生きられる方がいい。
無礼なる妻よ 毎日 馬鹿げたものを食わしむ
妻よ おまえはなぜ こんなにかわいんだろうね
誰も貧乏が怖い訳じゃない。みんなが貧乏であれば何も怖くない。みんなが腹一杯食べているのに自分だけ食べられないという孤独感と、どんどん離れていって取り残されるという社会の格差が怖いのだ。
貧乏であることを笑ってしまえるようになれたらいいね。
今週はここまで。また来週お立ち寄りください。
因みに、カテゴリーを新設しました。「タイトルアイデア室」。
ある明け方、まどろいの中で、連想ゲームのような流れで「恋の裁ちばさみ」というフレーズが浮かんできました。
これは少女漫画のタイトルになるのではないか、もてないと思っていながら惚れやすいファッションデザイナーが、恋に破れる度奇想天外なファッションを思いつく。キーワードは大きな裁ちばさみをふるう「シャキーン!」。
自分の思いを裁ち切る裁ちばさみ。
前後裁断。過去も未来も裁ち切って今を生きる。
そんな内容のタイトルにいいんじゃないか。
そう言えば、これまでもそんな思いつきのアイデアがいくつかあったなと、カテゴリーにしてみました。