なあむ

やどかり和尚の考えたこと

サンデーサンライズ467 出会いの不思議

2024年05月12日 05時00分00秒 | サンデーサンライズ

三ちゃんのサンデーサンライズ。第467回。令和6年5月12日、日曜日。

 

5月8日は月遅れの釈尊降誕会、花まつりでした。

毎年恒例の花を1本ずつ持参してのお参りです。

季節の流れによって年ごとの花が変化します。椿やチューリップ、桜がある時もありますが、今年は季節が早くつつじやボタン、石楠花やスズランなどが混ざりました。

そして今年は、珍しいお客様が参加。京都からとアメリカからの二人の女性です。

どういうつながりかといえば、話せば長くなるのですが、京都の森島さんとは40年前に縁がつながりました。

永平寺からの行脚の日記「行雲流水」を松林寺の寺報に連載して、それを毎月無著成恭先生に送っていました。

その連載が終わった時、先生はそのことを京都の新聞にコラムとして書いてくれました。

それを読んだ森島さんが、「その寺報を読みたい」と手紙をくれたのが縁の始まりです。

コピーを送った後の寺報も毎月送っていました。森島さんからは毎年正月前に昔ながらの手作りのお菓子が正月用にと一斗缶で送られてきました。

更につながりが強くなったのは東日本大震災で、森島さんの知り合いが気仙沼にいるということでその安否を伝えたり、物を届けたりして連絡が密になりました。

その頃から、連絡の窓口は私ではなくカミさんになり、ラインなどでしょっちゅう連絡を取り合っているうちに、京都に来てとか山形に行くとかの話になったようです。

一昨年松林寺の旅で比叡山に参拝したときに、嵐山まで来てくれて一日行動を共にしました。その時が、森島さんとの初対面でした。実に38年にしてようやくの顔合わせだったのです。

そして今回、以前からの山形に来たいという思いが実現しました。

アメリカのジェーンさんは、森島さんの息子さんがアメリカにいた時にお世話になった方で、今回息子さんに会いに来るのに合わせて山形まで同行しようということになったようです。

アメリカでは車と飛行機は使うけれど、列車に乗ることはまずないということで、新幹線と在来線を乗り継いで立小路駅までの移動がとても楽しかったようです。

到着した時間が花まつりの最中だったので、一緒にお参りして焼香と甘茶をかけてもらいました。

その晩はカミさんが作った山菜料理を囲み、どれも旨いと喜んでもらいました。

焼きたけのこ、たけのことアスパラの天ぷら、アスパラ肉巻きのフライ、茹でアスパラ、ワラビとアスパラの一本漬け、ワラビ炒め、蕗炒め、キウイと生ハム、チーズと味噌粕の和えたもの、たけのこの味噌汁などなど。

アスパラとたけのこだけじゃないか。食材は地元の限定的なものですが、色々アレンジしてテーブルを飾ってくれました。

特に焼いた笹竹のたけのこが気に入ったようで、何本も皮をむいてマヨネーズ味噌を付けては食べていました。

カリフォルニアには日本食レストランがあって日本酒も飲んだことがあるようで、「hot sake」がいいというので熱燗の盃を傾け楽しく過ごしました。

翌朝、坐禅もしてみたいと5時30分からの坐禅と朝課更に散歩まで、私の朝のルーティンにつき合ってくれました。

二日目は、カミさんと三人で蔵王温泉まで出かけて一泊し、最上川舟下りを楽しみ、夕方回転ずしにも挑戦してもらいました。寿司がレーンをシュッとやって来るのを目を丸くして子どものようにはしゃいでいました。

蔵王では気温が2度まで下がり雪もちらついたようで寒かったとのことですが、舟下りは暖かい陽射しに恵まれ楽しめたようです。

11日、4日間の別れを惜しみながら山形を後にしました。

次はカリフォルニアでと言われても、無理でしょうね。

 

出会いはどんなことから始まるか知れません。この出会いの始まりは一本の手紙でした。

以来、40年で二度しか会ったことがないのです。

一つのつながりを大切にして精一杯過ごせば、また新たな出会いを連れてくるでしょう。

花まつりの持ち寄り花ではないですが、その時の美しい一本を持ち寄れば全体として絶妙な生け花となります。

その後のことを計算に入れず、その時その時精一杯。それしかないですね。

 

今週の一言

「楽しい出会いは別れても温かい」

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。