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やどかり和尚の考えたこと

サンデーサンライズ483 砂の中の銀河

2024年09月08日 05時00分00秒 | サンデーサンライズ

三ちゃんのサンデーサンライズ。第483回。令和6年9月8日、日曜日。

 

9月に入って急に涼しさを感じるようになりました。

朝晩の空気が違います。

温暖化は着実に進んでいて、農作物の適地が北上しています。

山形の特産さくらんぼが今年の高温で双子果が多く例年の4割程度の減収となりました。

今後さくらんぼの適地は北海道になるかもしれません。

ただ、更に北進する可能性もあるわけで、北海道で止まるという保証もありません。

山形でマンゴーやパイナップルを作ればいいなどという冗談も笑えなくなります。

農作物はその土地の気候に合ったものが特産として作られてきたわけで、気候が変わってしまえば転換を迫られることになるでしょう。

品種改良も進んでいることと思いますが、それより先に高温化が進めば間に合わないということもありそうです。

自然災害の多発から見ても、根本的には温暖化を抑える以外に地球上の生命を守る対策はないのだと言えます。

それなのに、世界の国が真剣にその対策に取り組んでいるとは思えません。戦争などしている場合じゃないのに。

この国の次の総理大臣を決める政策の中にもそのような文言は見られません。経済や憲法改正の問題が主流のようです。

目先の利益を優先して関心を引こうとしているのは、結局は自分の人気取りで、国の将来の舵取りという政治家本来の役割を放棄しているのではないかと思われます。

そうさせる国民の責任でもあります。

 

『新プロジェクトX』を録画して観ています。

キャスターの有馬嘉男氏が知り合いで、テーマソングが中島みゆきですから観ないわけにはいきません。

そこに取り上げられるのはいつも、市井に埋もれている名もない人の頑張りです。

今では常識になっている携帯電話にカメラを搭載する物語がありました。

日本ビクターの家庭用ビデオVHS開発の物語がありました。

スバルの死亡事故ゼロを目指す運転支援システムの開発物語がありました。

いずれも、会社の窓際に追いやられる部署で、予算や人員を削減されながら、時には会社の指示に逆らい誤魔化しながらも、諦めずにやり遂げた「人」たちの物語です。

今までにないものを創り上げるのはいつも「人」なのだと強く胸に響きます。

人が人を育て技術を進化発展させていく。それは並大抵の努力ではなかったことをこれらの物語は教えてくれます。

スーパーコンピューターの開発競争がありました。

富士通を中心としたチームで作られたスパコン「京」と「富岳」が世界一になりました。

その開発にも尋常ではない人の熱意が込められており、ギリギリの中で出来上がっていることが分かりました。

「業務仕分け」の中で『2位じゃダメなんですか』という有名になったフレーズのもとに国の予算が一時凍結された開発の危機がありました。

実用化のためなら必ずしも1位にこだわる必要がないことも事実ですが、技術者の熱意がないと新たな開発の意欲が削がれるということはあるかもしれません。なにせ人ですから。

このシリーズを何話か観ていると、新たな技術の開発にはいつも常識から離れた「変人」がいて、それをまとめる心の広い上司がいるという構図になっています。

そのような「人」が果たして今後も現れるのか。現代の日本社会を見て心寒い気がします。

2位じゃダメだったのかもしれません。

 

『地上の星』の歌詞のように、この国には巷に紛れて誰もが見過ごしてしまうような、けれども自分の務めに必死に努力を続けている、普通の姿をした名前も知られない、キラリと輝く「人」がいたのです。

それは誰かのことではありません。

あなたです。

砂の中の一粒、草原の一本、誰からも認められなくとも、誉められなくとも、あなたがいなければならない仕事、あなたでなければできない務め、それを黙々と続けていく。

そういう存在こそが世界を動かしているんだ、空ばかり見て氷をつかむんじゃない、ちゃんと足元を見なさい、キラリと光る星はここにあったと気づきなさい、と中島みゆきは歌っているのでしょう。

番組の内容とテーマソングがこれほど一体化している例も少ないのではないか、と思います。

今後の放送も楽しみです。

 

今週の一言

「地上の星、それは自分だ」

 

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。

 


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