新幹線で朝食のおにぎりを食べながら父親を思い出していた。
とうに言葉を失い、歩くのが覚束なくなってからも、食欲だけは旺盛だった。
片手が動かせるときはその手に海苔巻きを握り、黙々と食べていた。
手が利かなくなってからは、家族がさしだす箸やスプーンに、どこまでも口を開けていた。
「よく食べるね」「食欲だけはあるんだね」などという声が聞こえていたのかどうか。
食べる様子に、安心もし、嘲笑の気持ちがあったことも否めない。
「生きていることに意味があろうがなかろうが、生きてやる」
そんな命の声が、今聞こえてくる。
周囲がどう思おうが、自分自身がどう思おうが、そんな声には耳をかさず、命の欲求に素直にしたがっていた姿なのかもしれない。
そう思うと、黙々と食べる様子を思いだし、泣けてくる。
意味など問う意味もなく生きる力を、素直に受けとめられればよかった。
父の姿は、いつも後悔を強いる。
とうに言葉を失い、歩くのが覚束なくなってからも、食欲だけは旺盛だった。
片手が動かせるときはその手に海苔巻きを握り、黙々と食べていた。
手が利かなくなってからは、家族がさしだす箸やスプーンに、どこまでも口を開けていた。
「よく食べるね」「食欲だけはあるんだね」などという声が聞こえていたのかどうか。
食べる様子に、安心もし、嘲笑の気持ちがあったことも否めない。
「生きていることに意味があろうがなかろうが、生きてやる」
そんな命の声が、今聞こえてくる。
周囲がどう思おうが、自分自身がどう思おうが、そんな声には耳をかさず、命の欲求に素直にしたがっていた姿なのかもしれない。
そう思うと、黙々と食べる様子を思いだし、泣けてくる。
意味など問う意味もなく生きる力を、素直に受けとめられればよかった。
父の姿は、いつも後悔を強いる。
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