私は基本的には辛いものが好きだ。ただし塩辛いものはあまり好みではない(といってもイカの塩辛とは好きである)。しかし私の頭頂部はことのほか汗腺が多いと見えて、辛いものを食べると大量の汗が吹き出てきてくる。外で辛いものを食べると、持参のハンドタオルや店で出す手拭では到底たりない。辛いものを食べるとわかっているときはタオルを持参しなくては間に合わない。きれいな話ではないが鼻水もクシャミも大量に出てくることがある。だから外食ではあまり辛いものは食べることができない。
先日、家で昼ごはんに妻がスパゲッティを出してくれた。タバスコとあらびき胡椒を多めにかけたところかなり辛くなり、いつものように頭のテッペンから大量の汗が吹き出てきた。食事が終ってお茶を飲んでいる時もまだ汗が出てきて往生していた。
くつろぐために、我が家の雌のインコと戯れようと籠から出したところ、いつものように私の頭に止まって部屋の中を見回していた。が、頭のテッペンがくすぐったくなってきた。インコが私の頭から出ている汗を舐め始めたのだ。妻がそれを見て笑い転げながらインコに対して「そんなことをしてはダメ」と払いのけようとしたがすぐに舞い戻ってくる。いたく気にいったようである。
「ミネラルを補給しているのかな」と思ったが、普段はボレー粉をキチンと与えているので、ミネラル不足とは思えない。くすぐったくもあり、何ともいえない心境になった。
このインコ、私のはいている靴下とスリッパも気に入っていて、籠から出すとすぐに寄ってきてスリッパと足の間にもぐりこもうとする。普段から髪の毛をつつくのも好きである。とうとう男の汗までが気に入ってしまった。
妻に言わせると「どうしても止めさせたい」行動らしいが、このインコ、やめる気配はまるでない。ひたすら靴下とスリッパ、そして私の頭のテッペンの汗を舐めたがる。
何とも複雑な気分である。