牡丹はボタン科の落葉低木の花。花王、花神、富貴花などともよばれる。俳句では「ぼうたん」と詠むこともある。初夏に20センチほどもある豪華な花をつける。色は白、紅、真紅、黄などさまざま。
中国では牡丹は「花の王」、芍薬は「花の宰相」と呼ばれるそうだ。芍薬も夏の季語。ともに根は鎮痛・鎮静に効くとされる。
「寒牡丹」というと冬の季語になる。寒牡丹は鑑賞用に冬の厳しい時節に咲くように栽培されたもの。初夏に咲く蕾を摘み取って冬咲きにする。こちらは雪の中でわらの囲いの中に咲かせて鑑賞する。
私は花が豪華すぎて、牡丹も芍薬も敬遠気味である。どちらかというと私は隠れるように咲く花が第一の好みである。そうはいってもときどきはこのような大柄の花に惹かれる気分のときもある。けっこういい加減といえばいい加減。
★火の奥に牡丹崩るるさまを見つ 加藤楸邨
★ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに 森 澄雄
★芍薬のつんと咲きけり禅宗寺 小林一茶
第1句目は「火の記憶」でも取り上げた。1945年5月23日の夜、空襲で家を焼かれたときに句。痛切な気持ちが牡丹の崩れるさまを呼び込んだ。牡丹はこのように激しい感情に似合うのだろうか。
一方で第2句のように、ゆったりとしたさまにも融け合う。
中国では牡丹は「花の王」、芍薬は「花の宰相」と呼ばれるそうだ。芍薬も夏の季語。ともに根は鎮痛・鎮静に効くとされる。
「寒牡丹」というと冬の季語になる。寒牡丹は鑑賞用に冬の厳しい時節に咲くように栽培されたもの。初夏に咲く蕾を摘み取って冬咲きにする。こちらは雪の中でわらの囲いの中に咲かせて鑑賞する。
私は花が豪華すぎて、牡丹も芍薬も敬遠気味である。どちらかというと私は隠れるように咲く花が第一の好みである。そうはいってもときどきはこのような大柄の花に惹かれる気分のときもある。けっこういい加減といえばいい加減。
★火の奥に牡丹崩るるさまを見つ 加藤楸邨
★ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに 森 澄雄
★芍薬のつんと咲きけり禅宗寺 小林一茶
第1句目は「火の記憶」でも取り上げた。1945年5月23日の夜、空襲で家を焼かれたときに句。痛切な気持ちが牡丹の崩れるさまを呼び込んだ。牡丹はこのように激しい感情に似合うのだろうか。
一方で第2句のように、ゆったりとしたさまにも融け合う。