蝉が数日前から夜にも鳴き始めた。そして同じころから樹木ではなく、階段室にも迷い込むようになった。翌朝、一生を終えて仰向けになっている蝉も見受けられる。
昨晩、私の入浴直前には階段室の天井に仰向けにへばりついた個体と、掲示板の壁についている個体とが、同時に盛んに鳴いていたが、その音は長続きしない。鳴き声からはアブラゼミである。
私が入浴を済ませて耳を澄ますと弱々しく鳴いていた。多分同じ個体である。写真機を持って階段室に出てみると2匹とも力尽きたのか、床と階段に落ちていた。それでも短く鳴き、仰向けの姿勢から、威厳を保とうとするようにうつ伏せの形に戻そうともがいていた。1匹は羽が既に一部破損している。姿からもアブラゼミと確認できた。最後の姿に敬意を込めて写真を撮らせてもらった。
今朝になり、2匹とも仰向けでまったく動かなくなっており、雑草の中に丁寧に移動した。
私も、最期を迎えようとしているセミを日陰の草むらに、移動させるよう心掛けたい。
コンクリートの上では干からびてしまうのがしのびなくて・・・。