午後遅く出かけてナメクジ用の殺虫剤を購入したのち、そのままウォーキング&珈琲タイムと若干の読書タイム。昨晩に引き続き「近代絵画史(上)」(高階秀爾、中公新書)の第1章と第2章を読んだ。
「(古典主義に対し)何にもまして個人の感受性を重んじたロマン主義は、美の規範を否定し、このヒエラルキーを打破したと同時に、それぞれの芸術家の個性に根ざしたさまざまの「美」を生み出した。‥すべての人間は、その理性を通じて共通の世界に結ばれているという古典主義的考え方が登場してきたとき、様式上の統一性を失った「近代」絵画というものの誕生が約束された‥。「近代」は少なくともその精神において、ロマン主義の落とし子だと言わなければならない‥。」(第1章「近代絵画の始まり」)
「ロマン主義は、一般の社会の通念に故意に逆らうものを求め、未知の、非現実的世界に憧れた。極端な場合には、徹底した自我の尊重や反社会的態度となって現れてくるが、そこまで「革命的」でない場合には、ロマン主義特有の「現実逃避」というかたちをとって歴史の上に登場してきた。」(第2章「ロマン派の風景画」)
このように近代絵画の元が、「ロマン主義」絵画にさかのぼることを表明している。