昨日竹橋にある東京国立近代美術館から帰る途中、川崎駅で下車し、「川崎浮世絵ギャラリー」を訪れた。ギャラリーでは「浮世絵に見る異国」展を開催していた。
東京駅から国立近代美術館までの往復を歩き、美術館の中でも1時間以上時間を掛けて巡ったので、かなり疲れていた。しかし夕食まで時間もあり、ふたりとも足がだるいのを我慢して、浮世絵、幕末から明治初期の錦絵・横浜絵を楽しんできた。
「異国」を描いた作品も見ることが出来たが、来るたびに展示されていることの多い「唐土廿四考」の12作品が、妻も私も印象に残った。現代の私たちには到底信じられなく、そのあまりに惨い「孝行」なるものになかば呆れながら解説を読んだ。
真冬に親の所望する筍を取りに行ったという「孟宗」に触発されて、ちょうど筍が出始めた時期でもあり、家の近くのスーパーで筍を購入してみた。
しかしここまで規範として取り上げる「親孝行」とは何なのだろうか。逆に年老いた家族の面倒を見ることもできないきびしい中国という地域の当時の社会の現実が反映していたのではないか、などと想像したりもした。
「狂画水滸伝豪傑一百八人十番続」は、武芸のパロディともいえ、「武士道」なるものへの茶化しともいえる強さを感じた。同時に「唐土廿四考」など笑い飛ばしかねないしたたかさも感じた。