【⇒https://www.iwanamishinsho80.com/post/pandemic】
友人が上記サイトからPDF版を手に入れ、コピーをくれた。本日の夕がたに読了。なかなか歯切れがいいし、切り口は納得できる。
最後の個所で武漢で封鎖の日々の日記を公開した作家方方の文章が引用されている。
「一つの国が文明国家であるかどうかの基準は高層ビルが多いとか、クルマが疾走しているとか、武器が進んでいるとか、軍隊が強いとか、科学技術が発達しているとか、芸術が多彩とか、さらに、派手なイベントができるとか、花火が豪華純爛とか、おカネの力で世界を豪遊し、世界中のものを買いあさるとか、決してそうしたことがすべてではない。基準はただ一つしかない、それは弱者に接する態度である」
作者はこの方方の言葉に次の言葉を補足している。
「危機の時代は、これまで隠されていた人間の卑しさと人間の危機を顕在化させる。危機以前からコロナウイルスにも匹敵する脅威に、もう嫌になるほど晒されてきた人々のために、どれほど力を尽くし、パンデミック後も尽くし続ける覚悟があるのか。皆が石を投げる人間に考えもせずに一緒になって石を投げる卑しさを、どこまで抑えることができるのか。「しっぽ」の切り捨てと責任の押し付けでウイルスを「制圧」したと奢る国家は、パンデミック後の世界では、もはや恥ずかしさのあまり崩れ落ちていくだろう。」