本日のオンライン講座は「学んでから行く展覧会」(講師:中村宏美氏)という連続の講座。本日は「レオナルド・ダ・ヴィンチ、パブロ・ピカソ、フリーダ・カーロ それぞれの戦争」という題でたっぷりと1時間45分。
特にスペイン内乱を題材にピカソが描いた「フランコの夢と嘘」「ゲルニカ」、そしてさらに一般化して戦争と民衆というテーマに昇華していく過程に触れていた。最後にピカソの「戦争と平和」(1952)を資料で取り上げてくれた。この作品は初めて目にした。
フリーダ・カーロは実は1989年に今は閉館してしまった西武美術館が主催し、「有楽町アートフォーラム」(場所は記憶にない)での開催したときにはじめて見て大変感銘を受けた。横浜美術館では数点がいつもコレクション展で展示されている。
その時の図録を再度引っ張り出してきて、事前に目を通して思い出していた。
三者を取り巻く戦争は様々な時代の戦争である。レオナルドのかかわった戦争は傭兵の時代の戦争である。ピカソの間近で起こり眼にし耳にし、告発した戦争は凄惨な皆殺しの戦争である。国家(抑圧)と革命(解放)という構図である。フリーダがかかわった戦争は、メキシコ革命(解放)後の裏側にある抑圧との闘いである。同時に男と女の戦争でもあり、「生」と「性」の軋轢でもあったといえるであろうか。
とても示唆に富む講座であったと思う。