本日聴いている曲はブラームスの「ピアノ五重奏曲」(作品34)。演奏はアンドレ・プレヴィン(ピアノ)、ウィーン・ムジークフェライン四重奏団。録音は1984年。
1862~64年にかけて、ブラームスが31歳の時に完成している。ブラームスにしては早い時期の作品であるが、翌年には弦楽六重奏曲第2番を作るなど、決して習作の時期ではない。
吉田秀和は「通俗的なくらい有名な曲・・。要するに私はこの曲ではまだこれといって愛着を感じるレコードを知らない」といたって手厳しい評価を下している。
しかしそうはいってもブラームス好きには欠かせない室内楽曲である。私はブラームスらしくない第3楽章がおもしろいと思う。後半のガチャガチャとした不安を煽るような主題が最後まで続く。そしていかにもブラームス的な第4楽章に収斂していく所も気に入っている。しかしその第4楽章も結構慌ただしいところが時々顔を出す。何かに取りつかれた暗い情念のようなものを感じる。
印象的な曲である。