友人から次のような記事も紹介してもらった。【⇒http://tamutamu2014.web.fc2.com/kimurahisao.htm】
冒頭に、「以下は、C級戦犯として、無実の罪で(逃げ去った上官の責任を負わされて。なお、その上官は罪を免れた)処刑された木村久夫上等兵(旧制高知高校〈現・高知大学〉から京都大学経済学部卒、シンガポール、チャソギー刑務所にて1946年5月23日刑死、28歳)が獄中、コンクリートの寝台の上で、偶然入手した川辺元著の「哲学通論」の余白に書ききつけた1万1千5百余の文章と短歌11首の中心部分」と記されている。
8月15日を迎えて、このような文章もまたじっくりと読んでみたい。
「私は何ら死に値する悪をした事はない。悪を為したのは他の人々である。しかし今の場合弁解は成立しない。江戸の敵を長崎で討たれたのであるが、全世界から見れば彼らも私も同じく、日本人である。彼らの責任を私がとって死ぬことは、一見大きな不合理のように見えるが、かかる不合理は過去において日本人がいやと言うほど他国人に強いて来た事であるから、あえて不服はいい得ないのである。彼らの眼に留まった私が不運とするより他、苦情の持って行きどころはないのである。日本の軍隊のために犠牲になったと思えば死に切れないが、日本国民全体の罪と非難とを一身に浴びて死ぬと思えば腹も立たない。笑って死んでいける。」
ズシンと心に重りが落ちたような気分になります。
ご冥福を祈るばかりです。