「商業美術家の逆襲 もうひとつの日本美術史」(山下裕二、NHK出版新書)を読み終わった。取り上げられている画家の中には、私がとても惹かれる川瀬巴水、小林清親、伊東深水、吉田博を取り上げているのを見て、躊躇なく購入した。
さらに名前は知ってはいたが、作品をよく知らない、柴田是真、小村雪岱などの作品もカラーで紹介されており、いづれもとても惹かれた。
あまり知らなかった渡辺省亭、鏑木清方も多くの頁を割いて紹介されていたが、私は惹かれなかった。著者はかなり思い入れがあるようで、その記述も理解できるが、好みとして私にはいまひとつである。
その他多くの「傍流」の画家が登場し、紹介される。私にとってはほとんどが未知の画家か、名は聞いたことがあるが、1点、2点ばかりしか見たことがない画家ばかりである。河鍋暁斎を除いて。
また「琳派」が日本美術に与えた影響の大きさをとらえなおそうとする姿勢にも共感するところが多かった。
充分楽しめた。また一部の記述を除いて十分に刺激・勉強になったとおもう。「自分の眼で見る」ことの大切さもあらためて教えられた。
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