メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

1996 Australian Open

2004-02-16 14:31:06 | テニス
季節の移り変わりって早いもんだなあってテニスシーズンの開幕でしみじみ思っちゃう。
あっという間にウィンブルドンの夏、USの秋で、今年も終わりかぁ~って懐かしんでる間もなく、新年の全豪が始まる。

特に、突然舞い込んできた「エドベリ、今シーズン限りで引退表明」
彼ももう30歳。トップ10にカムバックするのも難しいなんて信じられない。
ベッカーがまだ頑張って、全豪決勝に残っているのに、
ライバルとして、世界の2強として戦っていたのは、ついこの間なのに、もう!?

「これからはコーチとして若手を育てたい」

素晴らしいコーチになることはうけあうけど寂しくなるなあ。
北欧の貴公子、美しいルックスと、世界一美しいプレースタイルがグランドスラムのコートから消えるなんて。

しかも全豪のベスト8には顔が見られない。
(本当にフシギなことにこのニュースを知って2晩、深夜放送のテニスを見て眠り込み、
 寝ぼけ眼で2度もエドベリのゲームの様子を見た気がしたのは幻?!)

彼ならビジネスもちゃんとやっていけるだろう。
彼のコーチ、ゴッドファーザーの様に、スウェーデンの新鋭を連れて、
再度コートに座る姿を見ることになるのも悪くないとおもって、新たなる決意に祝福あれ!
(今じゃ素晴らしいフェデラーのコーチだものねv


そして、グラフは欠場。
目下、父親ペーターは、脱税による投獄状態
グラフ自身も調査され、共犯の疑いは晴れたものの、アメリカ移住も真剣に考えているとのこと。

モニカとは未だにランキング1位を分け合っている状態。
これからどーなるのかしら? すぐに始まる日本での東レには出場の予定。


全豪に話を戻すと、日本勢は松岡修造が初戦で棄権、
女子は8人ほど残ったら、次々と日本人同士が当たって、伊達は遠藤に敗れ、
沢松はモニカに敗れて、セミファイナルには1人も入らなかった。

   


今年はトップ級同士の豪華な対決が男子でたくさん観れた。

ピートは、初戦であのフィリポーシスに負けたけど、因縁対決とも言えるアガシ×クーリエ戦は、
クーリエの2セット連取で、ダメだと諦めていたら、あれやあれやでアガシがベスト4進出。

データでは、アガシが2セットダウンから逆転勝ちはほとんどなく、
クーリエが2セットアップから負けたのは、昨年、全豪でサンプラスとの対戦時以来。

でも、次なるマイケル・チャン×アガシのセミファイナルは、チャンの徹底&安定した攻撃に
アガシは自ら凡ミス連発で自滅した感じ。ストレートでチャンがファイナルへ。

こちらも安定したコンディションでのぞむボリス・ベッカー×マイケル・チャン!!
久々、興奮のマッチになりそう。
1つ心配なのは、明日、仕事中か後で結果が分かっちゃいそうなこと


そして女子の見どころは、なんといってもモニカ! モニカ! モニカ!
'93の事件から、昨年'95夏にカムバックして、いきなりカナディアンオープン優勝。
USはグラフに敗れたけど準優勝、そして今回2年ぶり、6度目の全豪タイトルにのぞむ。
グラフのいない今年はチャンスとばかり、新鋭の活躍も目立った。


日本にもよく来るアマンダ・クッツァー(南アフリカ)×フーバー(マルチネスに勝った)はフーバーの勝利。
クォーターファイナルでは、モニカ・セレシュ×マヨーリで、6-1、6-2でモニカのストレート勝ち。

次のセミファイナル。モニカ・セレシュ×チャンダ・ルビン(19歳アメリカ)も、
6-7、6-1、7-5でモニカ! この試合はよかった。

サンチェスとのクォーターファイナルで、第3セット16-14!!
3時間を超えるゲームに打ち勝った褐色の肌が美しいルビンは、今大会の注目選手。
モニカとは大の親友で「やりづらい」とモニカ。

第3セットも4-1までリードして、もしやモニカ敗れるか!?とカメラマンが押し寄せたけど、
4のマジックか、突然チャンダは崩れだして、モニカの辛勝。勝った後の表情もよくなかった。

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WEMEN'S FAINAL モニカ・セレシュ×フーバー!!
そして、今日の午後4時~5:54放送の女子ファイナルは、モニカ×フーバーで、
6-4、6-1のストレートでモニカ・セレシュ優勝/祝×∞

 

第1セットは、すごいラリーの応酬で難しいかとも思えたけど、
やはり決め手は経験の差と、モニカの終始、自分のプレーに集中しきった精神力だった。
ココロから本当におめでとうと言いたい。

スピーチも感動で涙が出た。

「'93に信じがたい事件があったけど、こうしてここに立っているのが信じられない。
 今はテニスをするのが好きで仕方ない。
 いつもサポートしてくれるコーチの父、家族、スポンサー、ボールボーイ、ボールガール、
 そして観客みんなが選手一人ひとり、全員を支えていることに感謝したい」

と、とびきりの笑顔で歓声に応えた

父カルロさんが涙をこらえられず、妻の肩で涙をふき、サングラスをかけ直して、
娘を誇らしげに見つめていた姿が感動的だった。

親子でここまで完璧に早く立ち直り、トップに返り咲いた、その影には、
私たちの知らないどれほどの努力と困難のストーリーがあっただろうか。

相手のナイスショットには必ず賞賛の拍手を送る父母の温かい笑顔は、
奇跡の天才プレーヤーを生み出したひとつの大きな要素であることは間違いない。
最も愛らしく、最強、不屈の精神を持つウォーリアー、モニカ・セレシュ。
彼女の時代はまだまだ続く。

 


カムバック後、他の選手が言うには
「彼女はとても変わった。とにかく周囲に対してとても気を配っている」とのこと。

本人は
「以前はもっと攻めまくっていた。今はテニス以外の楽しみもいろいろ覚えたい。テニスを楽しんでいる」という。

試合後、1人でも多くのファンの帽子、Tシャツ、パンフなどにサインしようとしている姿も印象的。
その速さもすごい。

チャンの場合、宗教的につい長い文句になってしまい、1回にかかる時間が長くなっちゃうんだけど


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それから、今回の見どころの1つは、NIKEのCMが見逃せない。
前日の雑誌店でのピート、アガシ、クーリエの攻防も凝っていたが、今回はもっとスゴイ。

ピートとアガシの季節に渡る30-40からの1ポイントをずっと中継しつづけるマック。

“I will tell you something. このポイントは長くかかりそうだから、
Get comfortable, coz we could be here awhile...”ってセリフが耳にこだまする。

電話の向こうで「一体何してんの!?」とがなる妻らしき声w

苔むしたコートでアガシの球がネットにかかり・・・
まだ続くプレーに「どんどんやってくれ」となげやりなマックのセリフで終わる短めのver.と、
眠りこけたボールパーソンが落としたボールで「やり直し」と映るB.ギルバート!!
俳優にも向いてるんじゃないかと思えるマックもサイコー!

これだけのプレーヤーが一挙に揃えられるってさすがナイキ。ド高い契約料払ってるもんね。
アガシのだぼだぼパンツに、長めのウェア、帽子にも、ちゃんとチェック記号が入っていて、
アマチュアプレーヤーの間にもすっかり定着しつつある。

黒系でちょっと似ているのがチャンのウェア。首に巻いたデニムハンカチがオーストラリアンっぽい。
スタッフみんな同じ帽子をかぶってた。

モニカのスタイルにも注目。
ウェアの丸首から、チェックのボタンなしのV襟、短めの袖、下はギンガムチェック。
ウェアがビローンってすごく伸び縮みするのが特徴。
お腹の贅肉を気にしてるみたいだけど、十分スリムだけどね。

ちなみにアンダーコートは未だに紺色。
だれかさんの水玉が風でめくれてドアップに映されていたのよりはイイと思うよ


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MEN'S FAINAL マイケル・チャン×ボリス・ベッカー
2-6 4-6 6-2 2-6 ボリス・ベッカー、5年ぶり2度目の優勝



はじめに断っておくと、悪い予感通り、放送が4時~6時、終業は5:30。
ビデオで観るより先に2時半頃にもう結果のニュースが入って、分かっちゃった。なんて酷い世の中なの・・・
3:1と分かってて、お陰様で落ち着いて、冷静にゲームが観れました

チャン頑張った けど、ボリスは完璧に強かった
NO.1のころのブンブンベッカーは、居るだけで大きな壁のごとくだったけど、
今は静かな威圧感を湛える、今年28歳。

パワーテニスの元祖だけど、今のテニスに合わせて筋トレを積んで、スリムアップし、ラリーもボレーも素晴らしかった。

途中から第4セット目、帽子をかなぐり捨てて、文字通り捨て身で向かったチャン。
17歳のデビュー以来、グランドスラムのタイトルはなく、
昨年、全仏でムスターを前に逃して以来のチャンスを今年も生かせなかった。

ショットミスが重なり、何度もネットを叩いて悔しがる様子は、クールな彼の意外に激しい一面。
ここまで全てストレートの勝ち上がりで、優勝もしたらボルグ以来というワケで、喜んでいたらしいけど。
でもベストを尽くした爽やかな満足感のある笑顔

とくにボリスのスピーチがとてもよかった。
しきりにまばたきしながら妻バーバラにお礼を言い(照れている妻の姿もイイ)、

「たくさん感謝すべき人がいて訳が分からなくなった。
 今大会を開催してくれたトーナメントディレクターにもお礼を言いたい。
 賞金を出してくれた人にも(ポケットから封筒を出して)たくさん入っていればいいけど」

和やかな雰囲気、喋り方まですっかりソフトになって、2歳の坊やのパパなんだねえ。
かつてレンドルが「テニスより、なにより妻が大事だ」と言っていたのを思い出す。


幼少から全てを捨ててテニスに打ち込んできたトッププレーヤーたち。
愛する者との第二の人生は、とても素晴らしい発見のようだ。

結婚すると落ち着いて、成績に反映しなくなるパターンも多いけど、
ボリスはもっと稼がなきゃって思っているのが力の源になったのかな?w

最初マイクが低かったのを直してから「ごめん、ボクはマイケルより背が高いんだ」と言って
チャンも心からの笑みを浮かべた。

ボリス「君には、まだチャンスがあるからね」

エドベリの引退表明。28歳になるボリスのテニス歴も考慮しての発言か。
大弾幕が多かったドイツ勢のファンの声援が目立った。


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ダブルスでは、サンチェス&ルビン、エドベリ&コルダ組が初優勝を飾った。
エドベリは、ダブルスで3度目、シングルスは6回の優勝記録で全豪に別れを告げた。


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