メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

1993 SEIKO SUPER TENNIS

2004-02-03 18:24:07 | テニス
1993年のテニスシーズンもそろそろ大詰め。
春のサントリージャパンで始まって、秋のセイコーで日本のテニスは終盤を迎える。

その1993年のセイコーは、日本の松岡修造は初戦でアメリカのトミー・ホーに敗れたけど、
シード選手はベスト16に確実に残った。

が!! 準々決勝でレンドル(第8シード)を残して、
エドベリはトッド・マーティン(妙なキャラクターの新鋭。いつも登り調子の新鋭に弱いんだよね/謝)に敗れ、
チャンは、ルゼドゥスキー(たぶん、こんな名だった。ロシア風だけどカナダ選手)に敗れ、
ベッカー×レンドル戦はハイライトの1つだったけど、軍配はレンドル

ゴランもメドベデフも消えて、準決勝はルゼドゥスキー×マーティン戦で、マーティン。
若いパワーのぶつかり合い、新鮮なゲームだった。


そして、今大会、もっともエキサイティング、たぶん今年観たゲームの中では、全米を制したピートの次に素晴らしかったのが
準決勝のレンドル×ポール・ハーヒュース戦
ハーヒュースは、なじみのないオランダの27歳になるプレイヤー。
27と言えばエドベリと同年代だけど、どうしてここまでやる!?っていう驚異的な頑張り様だった。

解説でもあった通り、これといって決め手のショットを持たないオールラウンドプレイヤーだけど、
バランスがとれてて、ランキング62位で、シード選手を3人も敗って、ノリにのった状態の彼と、
日本の大会で、特にセイコーでは輝かしい勝歴を持ってはいるけど、今やランキング18位に落ち込み、
今年も総優勝数が1~3個?というレンドル

これは、絶対、かつてのコンピュータ並みの正確でキレのあるショットをもう一度観たい!
ということで力入って応援してたんだけど、タイブレイクが今大会まで11回も落としているという
不利な記録をベッカー戦で見事に挽回。

今回もファイナルセット4-1から4-5まで連取、4-6から5-6、
もうこの勝者は神のみぞ知るって感じで、でもついに緊迫をやぶって5-7、
タイブレイクを克服してのヘヴィな勝利をものにし、見事ファイナルへ進み、
ファイナルは、あっけなくランキング16位のマーティンをストレートで下して、
なんと5度目の優勝を果たした


手に汗握るゲームは、最近ほとんどなかったけど、それはそういう「絶対勝って欲しい!」と願う
ヒーロー的選手が少なくなったこともある。

レンドルは、いつもアンチヒーローで、トップの座を欲しいままにしていた時も
お世辞にも人気者ってイメージはなかったけれども、33歳にして、今でも1つ1つのショット、
そしてプレーしている彼自身、美を湛えていて、この厳しい状況、世界の男子テニス界に新たな挑戦をしているようにも見える。

現在、コナーズが105勝という不動の記録を保持し、レンドルは今大会の優勝を含めると97勝目。
この辺のデータも1つのキーポイントかも。

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今大会の放送でなかなか良かったのは、プレイヤー個人のゲーム後のインタビューがあったこと。
エドバーグ、チャン、マーティン、レンドル(彼のみプレス全体)。
レンドルを除いて、皆その後のゲームで敗れてしまっているのがなんとも皮肉。

個人的なことでは、ビデオテープがついに擦り切れて、音声が録音されてなかったのには残念(無音!?爆
せっかくのレンドル×ベッカーのゲームだったのに

やっぱりテニスボールの打つ瞬間の音、サーヴィスの速さや、リアル感も、音なしじゃ全然楽しめない。
ボールの音もテニスの重要な要素だもの。

実況もうるさすぎなければ、あったほうがずっと楽しめるしね。

実際、会場へ行くのも雰囲気を楽しめる点ではいいし、生でプレイヤーを見れるけど、
解説をテレビで聞き慣れているせいか、ないと変な感じで、面白いゲームもボーーっとポイントを見逃してしまいがち。

1つのミスショットも、もとは相手のいいショットによって導かれたもの。
そこをちゃんと説明してくれる人がいれば、選手たちの表には見えない様々な駆け引きも味わえる。

ただ、4大大会の優勝後のインタビュー中に、大会を通した感想なんかのくだらない話を
わざわざプレイヤーの声にかぶせて喋りまくる無神経さにはほんと頭にくるけど

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