メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

1995 WIMBLEDON

2004-02-13 17:30:09 | テニス
松岡修造×PRAMA 7-6 3-6 6-7 7-6 6-3 松岡修造!!

日本人選手が61年ぶりベスト16進出。
二十数年前には、あの坂井利郎さんがウィンブルドン4回戦までいったって記録があるらしいけど、
彼はスゴイ!! このスコア!! 4時間近くにわたった熱戦を
最後は芝に寝て噛み締め、例によって客席に一礼をする松岡修造。


今大会でいいことが2つあった。
1つ目は、NHKが1回戦から深夜の2~3時間をさいて放送してくれたこと。

もう1つは、日本女子が7人も本戦入りし、全員が2回戦まで進み、
そのうち4人、伊達、沢松、遠藤愛、神尾米が3回戦進出。伊達は見事ベスト16入り!

映画『ラスト・イン・パリ』のロリータ女優みたいなオランダの選手、
サンチェス、南アフリカの体格のいい選手にそれぞれ敗れてしまったけど、
世界の伊達のおかげで、これほど日本女子がずっと盛り上がり続けているのは本当に嬉しい。

他には、もちろんグラフ、サンチェス、ガヴィ、ディフェンディングチャンピオンのマルチネス+伊達公子

男子のベスト16には、アガシ、ピート、ゴラン、フェレイラ、ベッカー(!)ら嬉しいメンバにプラス松岡修造
チャンはどうしたの? シュティッヒ、エドベリが早々敗退はちょっと悲しい。
こうして日本人の名が男女ともに残るって嬉しいねえ!

男子のディフェンディングチャンピオンはピート。
彼は、3連覇という偉業の仲間入りを目指す。
でも、どうかな? ファーストサーヴの調子が悪いし、他にも強豪ぞろい。
とにかく今週後半が楽しみ。


松岡修造×ピート・サンプラス 7-6 3-6 4-6 2-6 ピート

勝敗はともかく、ピートと松岡ともにベスト8入りして、ピートとノボトナと対で戦ったというのは、記録だ。

第1セットを落として、互角のレヴェルになり、ピートの焦った表情を引き出したことだけでもスゴイ。
ファーストサーヴが、世界のトップがほとんど打てなかったっていうのもスゴイ。
ウィンブルドンの観衆が皆味方となって歓声を送り、ピートがやっかんで苦笑してみせたシーンもスゴイ。
できれば、他のメジャー大会、そしてもう一度、ウィンブルドンに帰ってきて欲しい。Come On, Matsuoka!!!


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男女ともベスト4に残ったのは、第1シード~第4シードまで。
女子は、グラフ、サンチェス、マルチネス、ノボトナ、
男子は、ピート、ベッカー、アガシ、ゴラン!!

テニスファンにとってはヨダレが出そうなカードばかり。
そして、女子決勝はグラフ×サンチェス、男子はピート×ベッカーだもの。
ほんとにおいしい年になったものだ。


セミファイナル ピート×ゴラン
サーヴィスエース対決。
昨年のセミファイナル同様、あまりの面白味のなさに球の硬さを抑えたもののまったく変化なし。
大会記録157本のエースを超えたにも関わらず、やっぱり最後はキレちゃうゴランは大会の見どころの1つ


ベッカー×アガシ 6-7 6-3 7-6 ベッカー
これもよかった。
5年ほど前のレンドル、ベッカー、エドベリ、アガシの4強時代を思い出しちゃった。

あの時のアガシは、パンクで、ヤンキーだった。
今や立場が逆転しているとはいえ、ベッカー27歳。渋さはハリウッドスター並み。
芝にいるだけで完璧絵になる選手。というより哲学者に近い。
やっぱりウィンブルドンファイナルにはボリスがいなきゃね。
(B.シールズと、モデル系奥さん対決も見どころか?)


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WEMEN'S FAINAL グラフ×サンチェス 4-6 6-1 7-5 グラフ

ま、予想通り。グラフ6回目のウィンブルドン優勝。
サンチェスは、2月にNO.1になって、ランキングの座を交互にしていて、現在はグラフらしい。

今のところ脅威となる選手もいないし、しばらく続きそうなこの2人の争い。
今回は背骨の突起?(私と同じ?!)でかなり苦しんだというグラフ。
優勝の喜びもひとしおのようで、スタンドの両親やコーチの元へ行って泣いて抱き合うシーンもあった。

優勝プレートは、別の名を「ROSE WATER PLATE」というらしい。
この7月頃イギリスはバラがもっとも美しく咲くことから。

グラフの新しいウェアもまた、咲き誇る赤いバラの花びらが肩に入っていたようだった。
(Oh, Oh, Where's our princess MONICA!!?)

13回にわたったデュースの末の勝利は、あのフレンチファイナルを思い出させた。


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MEN'S FAINAL ピート・サンプラス×ボリス・ベッカー 6-7 6-2 6-4 6-2 ピート

ピート「ウィンブルドンのタイトルは、はいつくばっても欲しいと思うタイトルだ。それだけの価値があるビッグイベントだ」

人はどんな時に心の底から神に祈るだろう。
命乞いをする時、賭け事に勝ちたい時、愛するものを心から想う時―――。

ファイナリストを見守る2人の女性のツーショットが度々画面を飾った。
ピートのGFは終始微笑み、復活を賭けたボリスの妻バーバラさん(一児の母でもある)は、彼のゲームすら見ずに祈り続けていた。
でも、勝負事に神さまはまったく関与していないらしい。

とにかくピートは3連勝。
ボルグ以来7人目という記録を作った。

観客の中には、ボリスの両親の他に、なんと、あのナブラチロワがいた!
マルチナのいない今年初めてのウィンブルドン。
彼女は観客の1人として、この2人の白熱した試合、緊迫感、華々しい勝者と、
その影にいる敗者の様子をどんな思いで見つめていたのか。

敗れたボリスは、試合後、とてもすがすがしい満足感あふれる笑顔を見せていたのも印象的。

第1セットのタイブレイクをダブルフォルトの連発で落としたピート。
重苦しい第2セットの中で初めてブレイクのチャンスが来て、
観客の歓声をあおるシーンや、ほとんどバックのエース(ファイナルが最高で27本のエース!)の中、
バックを読んで進むと、今度はセンターへのエース!

思わず、目を覆って「私は目が見えません」と歩くパフォーマンスをするボリス。
実際、はいつくばり、おおいに転がったのは彼のほうで、
ここ一番の時に、晴天続きで硬く荒れたコートに足を引っ掛けて転ぶシーンが何度もあった。

史上最年少17歳でウィンブルドンチャンピオンになったのは、ちょうど10年前。
近年は、結婚、子どもが産まれ、コーチを変えたりして、4大大会からはしばし遠のいていたボリスだが、今や27歳。
センターコートを知り尽くしたベテランの意地を見せた。

ここでも再び新旧の戦いが展開された。
第1週目のサーヴィス不振から、見事ファイナルまでにピントを合わせて調子を上げ、タイトルを取ったピート。
やがて彼もベテランと言われるようになる頃、彼の前に立ちはだかるのは一体どんな選手だろう。

こうして'95のウィンブルドンも幕を閉じた。
2週間の攻防は、なんと短いものか。

毎年、この特別なビッグイベントに向けて日夜、選手らは汗まみれの様々なトレーニングを積み、
思いを寄せる緑のコートは、来年まで再び長くて短い休息をとる。

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