メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

1995 French Open

2004-02-12 17:14:37 | テニス


今年はなんといっても女子日本選手の活躍がスゴイ。
沢松のほかは、杉山、遠藤が2回戦突破。
そして、伊達公子が日本女子初フレンチベスト4入り!!

マヨーリに勝って、準々決勝はセンターコート、第1シードで、
世界NO.1のサンチェスとの対戦をなんとゴールデンアワーに急遽、放送生中継。
夜9時~10時半まで、日本中、そして、フランスはじめ
世界150カ国のテニスファンが一心に見つめた白熱した試合。

もう一方のグラフ×ガヴィは影が薄かった。
またグラフが勝って、次の準々決勝はグラフ×マルチネス。

この4人の中に伊達が入ったんだもんね、スゴイよ。
今、ランキングは何位なのかな? このフレンチで第8シードって
いやあ、日本女子テニスのイメージアップすること間違いなし。


伊達公子×アランチャ・サンチェス 5-7 3-6 サンチェス
やっぱりクレーの達人。スタミナの塊。世界NO.1の壁は厚かった。
1、2セットともリードしてたんだけど、最後は腹筋の痛み(伊達対策はループらしい)や、スタミナ切れって感じで、
でも1球1魂、すごいゲーム。拍手喝采、お見事。
伊達は世界を舞台にまだまだいける


追。
平井さんがカメラに入ってたのは笑えた
坂井さん「もっと応援すればいいのに」

坂井さんも丸山コーチより熱が入って、伊達に「よっしゃー!」「OK!」「伊達、頑張れ!」
「ここが踏ん張りどころ(どのシーンでも)」など声援してたのが印象的


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一方、男子はピート、クーリエ、ベッカーも早々と新鋭に負けたみたい。
男子は常に新風が入ってきて油断ならない。
1シーズンごとに新たな注目株が出現するね。

アガシも準々決勝で姿を消した。
ナイキのCMはイイけど、ゲームでもそのノリが欲しいところ。

[ナイキのCM]
クルマからピート「ここいいんじゃないか」
アガシ「誰かがテニスで闘うにはね」
クルマから降りて、ダッシュでネットを張り、ピートがクルマの流れを止めてる。
そして2人の熱い打ち合い。人だかりがヤンヤヤンヤ。
バスが入って来てジ・エンドってやつ。


残った顔ぶれは、3連勝を狙うブルゲラ。お父さんが渋い。
そしてマイケル・チャン。今年はいけそうな気がする。
'89に初優勝して以来のベスト4入りらしい。

あとは誰? 名前も知らないイタリアのモデル系が増えて、誰が誰かわかんない。
今週まで、まだまだ目が離せない。


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マイケル・チャン×S.ブルゲラ 6-4 7-6 7-6 チャン

このゲームは良かった!
シュティッヒをストレートで敗って、今年6年ぶりの優勝を賭けているチャンは勝つ意気込みが違う。

ブルゲラも3連覇目指して決して調子が悪いわけじゃなかったのに、「タフな試合になるだろう」というチャンの言葉通り、
アンツーカーの王者同士、ループ、ループの交戦で、なかなか互いのパス合戦にはならない。
ドロップショット、サーヴ&ボレーなどで2、3セットともチャンに軍配が上がった。
喜びもひとしおで、でも表情は厳しいまま。ヤリードも観ていたものね。


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WEMEN'S FAINAL S.グラフ×アランチャ・サンチェス 7-5 4-6 6-0 グラフ

やっぱり残ったこの2人。
サンチェスが第1シードで、グラフが第2シードってのはなんか不思議だけど、
久々グラフの快心なショットが観れた気がするのは私だけじゃないはず。

あの素晴らしい回り込みからのストレート、逆クロス、そしてバックのスライス。
グラフが女王の座をずっとキープしていたことから、ずっと練られてきたグラフ対策。
サンチェスの足にもめげず、第3セットは、あれよあれよと勝ってしまった。

途中、ネットインで辛うじて入ったショットに腕を交差して、顔に当て、ゴメンと手を出したり
コースを読まれてもなお入ったショットには、額をポーンと叩くといった仕草も珍しい。

アレルギーがひどくて目薬をさしてもらったり、鼻をかんだりして、女王も鼻炎にはかたなし。
ちょっと辛そうだったけど、さすがに緊迫してくると、そんな事も忘れて集中していた。

2度も突然の雨で中断したのに、全然崩れることはなかった。
優勝インタビューでは、ちょっとフランス語をまじえて、挨拶した後、感極まって涙するシーンもあった。

サンチェスは終始、流暢なフランス語。
選手たちは遠征しているうちに、こんな国際人になってゆくのねと感心しきり。



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MEN'S FAINAL マイケル・チャン×トーマス・ムスター 5-7 2-6 4-6 ムスター

いやああああああ、チャンファンとしては、胃の痛む敗戦
でも、結果はどうであれ、この試合は、フレンチの大舞台を締めくくるにふさわしい最高の試合だった

最初5-2とリードしたチャン。
このゲームもイージーに運ぶかと思いきや、現在34連勝中、'90からクレーのファイナルで負けなしの
今年のムスターの勢いは、チャンをも上回るものだった。まさに怪物的。

マッチョで巨大な壁のごとく立ちはだかって、スタミナ、パワーとも信じがたい迫力で迫ってくるムスターに
さすがのチャンも打つ手なしで、普段なら届くショットも追えないほど気をくじかれてしまっていた。


ただポイントが取れたのは、極限ギリギリのボレー合戦!
終わってみれば、2時間にもならないストレートゲームだったけど、
'89の感動から6年。やっとファイナルにきたチャンが、あがきにあがいた試合でもあった。

フランスの観客も、そんな彼の極限まで曝け出し、時に阿修羅の如き形相で、1ショット、1ショット
挽回を試みる姿に最高の「オーレ!」を送った

完敗したゲーム。
オーストラリア選手として、27歳、またクルマの大事故からのカムバックから立ち直り、
初めて手にしたグランドスラムタイトルを取ったムスターは完璧だった。

表彰台ではおどけた表情も見せたマイケル。
彼にもこれからまだまだ可能性、チャンスは巡ってくる。

1回戦で消えたピート、2度もファイナルに残りながらも涙を飲み、今年はベスト16で敗退したアガシ、
放送すらされなかったエドベリ、ベッカーらのベテラン勢。
皆がこの栄光を欲してやまないフレンチのタイトル。

今年もまた新たな名勝負を残して過ぎ去り、来年ニューフェイスとベテランらを待つ。


ムスター「ここに、こうして立つことを誰もが夢に見ているんだ」

チャン「このフレンチという舞台は、特別な場所。
    大勢の観客の温かな声援はいつも選手に多大な力を与えてくれる。GOD BLESS YOU.」


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