なにかすきとおるもの
そこにある
幸子が触ったら
なにもなかったけど
幸子と健一が触ったら
それくろくにごって
もとに戻った
私は見ていた
トンボがとまって
なにもなかったけど
カエルがのったら
それくろくにごって
もとに戻った
私は見ていた
めずらしがって
牛飼いが触ったら
なにもなかったけど
肉屋が触ったら
それくろくにごって
もとに戻った
「ねえ、見にいこうか」
まちで一番のろくでなしが触ったら
なにもなかったのに
坊主が触ったら
くろくにごって みんな騒いだが
もとに戻った
「ねえ、触ってみようか」
酔っ払った小説家が触ったら
なにもなかったのに
そいつを批評した偉い評論家では
それくろくにごって
もとに戻った
「ねえ、触ろうよ」
まち一番の美人が触ったら
なにもなかったけど
まち二番の美人が触ったら
それくろくにごって みんな頭かしげた
ついでに金持ちの娘が触ったら
なにもなくって
貧乏の娘が触ったら
それくろくにごって
もとに戻った
どこから来たのか
なにかすきとおるもの
みんな信じたただひとつの
現代の裁判長
不思議にどこまでも
すきとおるものが
そこにある
「ねえ、触ってごらん」
私が触ったら
そして君が触ったら・・・
そこにある
幸子が触ったら
なにもなかったけど
幸子と健一が触ったら
それくろくにごって
もとに戻った
私は見ていた
トンボがとまって
なにもなかったけど
カエルがのったら
それくろくにごって
もとに戻った
私は見ていた
めずらしがって
牛飼いが触ったら
なにもなかったけど
肉屋が触ったら
それくろくにごって
もとに戻った
「ねえ、見にいこうか」
まちで一番のろくでなしが触ったら
なにもなかったのに
坊主が触ったら
くろくにごって みんな騒いだが
もとに戻った
「ねえ、触ってみようか」
酔っ払った小説家が触ったら
なにもなかったのに
そいつを批評した偉い評論家では
それくろくにごって
もとに戻った
「ねえ、触ろうよ」
まち一番の美人が触ったら
なにもなかったけど
まち二番の美人が触ったら
それくろくにごって みんな頭かしげた
ついでに金持ちの娘が触ったら
なにもなくって
貧乏の娘が触ったら
それくろくにごって
もとに戻った
どこから来たのか
なにかすきとおるもの
みんな信じたただひとつの
現代の裁判長
不思議にどこまでも
すきとおるものが
そこにある
「ねえ、触ってごらん」
私が触ったら
そして君が触ったら・・・