深い湖の底に
幸せの珠が沈んでいる
珠を取りに
さあ出かけよう
淵はとても透きとおっているが
五歩目で急な坂が始まっている
下って 下って・・・藻が指先にからむまで
雷魚がこちらへ突進してくるのが見えますか
すっと避けて
もうあの子はうしろのほうへいってしまう
足首を掴んだのは
25年前に死んだ酔っ払いの親指
下って 下って・・・藻が指先にからむまで
病に罹った見知らぬ生き物が歩いてゆく
ほら あすこ
闇の水中では珠の放つやわらかい光だけが命です
夜間の番人を務めるのは
食用ガエルの役目だから
一帯に響く轟音に波打つ彼の喉元が
囁き声をはじめた頃合に忍びこむ
柔らかい砂塵の中から
ちいさなこぶしくらいの珠をつかんで
瞬間にわたしは知る
それが大きく欠けているのを
幸せの珠が沈んでいる
珠を取りに
さあ出かけよう
淵はとても透きとおっているが
五歩目で急な坂が始まっている
下って 下って・・・藻が指先にからむまで
雷魚がこちらへ突進してくるのが見えますか
すっと避けて
もうあの子はうしろのほうへいってしまう
足首を掴んだのは
25年前に死んだ酔っ払いの親指
下って 下って・・・藻が指先にからむまで
病に罹った見知らぬ生き物が歩いてゆく
ほら あすこ
闇の水中では珠の放つやわらかい光だけが命です
夜間の番人を務めるのは
食用ガエルの役目だから
一帯に響く轟音に波打つ彼の喉元が
囁き声をはじめた頃合に忍びこむ
柔らかい砂塵の中から
ちいさなこぶしくらいの珠をつかんで
瞬間にわたしは知る
それが大きく欠けているのを