メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

挽きたてのコーヒーの香りと午下がりの時

2006-03-10 23:55:55 | lyrics
挽きたてのコーヒーの香りと午下がりの時
戦場と嘔吐の感覚
まっしろい錠剤

私はいまだに待っているのです
うすらあたたかな暗闇の中で徘徊しながら

薄れてゆく無数の言語や
記憶に一時も留まっていない
非現実の映像カラクリの中で

うつろに輝く瞳に包帯を巻いた案内人が
もったいぶって先導した先には
惑星をつつみこむ巨大な穴が



黄ばんだ町の片隅で
少女はチョコレートをかじっている



もし世界で一番の腕を持つ小説家が
精神世界の様子をひとつも間違えることなく
書き著すことができて、

もし世界で一番の映画監督が
寸分も間違えることなくそれを映像化できたとしたら、

“精神文化”はそうそう美しく安全なものばかりではなく、
驚くほどの高速で刻々とその状況を変えてゆく、
もっと不安で湿っぽく、あらゆる思考が
耳も裂けんほどの量で果てしもなく続く
全く想像を絶する世界であろうと思われる



二人の好青年が「加わっておくれよ」と
楽しげに呼びかけて
盛んにテニスボールをたたき合っている側で

静寂の感覚に耳をそば立てながら
ほとんど意味がないほど
無意識の橋を何度も往復する



黄ばんだ町の片隅で
一人で泣いている少女を探していた
宇宙偵察隊はある極秘情報を持っていた
その地球最大の秘密とは一体?!


少女は一心に待っていたのです
それが彼らのいう極秘事項だったのです
さて、ところで彼女と彼等は一体なにを
待っていたのか?

不恰好な支配者からの通達か
それとももっと自然の還元に関わる予兆か

しかしこの重要な事象が発見されたのは
もっとずっと後の、200年先のこと

あなたとあなたの知り合い全員が死んで
化石となり、また魂のふたつの眼が
異次元世界で目覚めるまで



私は長いこと待っていた
ほんとうの理解者を

この複雑になったクロスワードパズルを
もう一度最初からやり直してくれる

軽やかなくちぶえなんぞ吹きながら
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