メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

空っぽの箱

2006-03-29 23:55:55 | lyrics
ビルの間をぬける
そらの水色ライン
使いこなれた革の鞄から
秋の香りがする
丸裸にされた一頭の牛のことは
ちょっと忘れて

愛車のブレーキが地獄の叫びをあげる
ヘイヘイ、じいさんどいておくれよ
ちゃんと前見てんのかい?
みんな「俺の道路だ」ってな顔して
歩いているんだ

「独りきりの人生に何がある」とあいつは聞いた
分からないけど、こうしかできない
だからって夜の隅田川にプカっと浮かんで
迷惑かけるつもりはない
飛びこみたくなるほど
夜は光ってキレイだけど


空っぽの箱を埋めて
空っぽの箱を埋めて
100人分の葬式が一度にきたような気の重さ
あのラグタイムピアノでも聴きにいかなきゃ
やってられない



「何線で通ってるの?」
が人間関係を作るきっかけ
私が住んでいるのはそんな場所

「帰ってきなさい」
それ聞いたのって
これで10万回目だけど
結婚して近くに住んでも
結局会うのはせいぜい年2回
いっそのことアラスカに引っ越したら
よっぽど愛情深いカードでも贈れるのに


空っぽの箱を埋めて
空っぽの箱を埋めて
100人分の葬式が一度にきたような気の重さ
(想像してみてよ)
あのラグタイムピアノでも聴きにいかなきゃ
やってられない


どんなに時が経っても
変わらないものがあると思う?
地面と空とそこに吹く風
どれだけ長いこと人間が荒らしても
いつもそこに在り続ける自然の生命力


空っぽの箱を埋めて
空っぽの箱を埋めて
顔にぶら下がった現実は
なんてタフなんだろう
もし天国なんて場所があるなら
ここがそう


空っぽの箱を埋めて
空っぽの箱を埋めて
彼のラグタイムピアノの転がるビートを聴かなきゃ
まったくこれじゃやってられない


空っぽの箱を埋めて
空っぽの箱を埋めて・・・

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1994.10.28作
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