メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』(1956)

2009-07-20 17:34:08 | 映画
『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』~Earth vs. the Flying Saucers(1956)
監督:フレッド・F・シャーズ 原作:ドナルド・E・ケイホー「Flying Saucers from Outer Space」
特撮:レイ・ハリーハウゼン
出演:ヒュー・マーロウ、ジョーン・テイラー、ドナルド・カーティス、モリス・アンクラム ほか

trailer

story
世界各国でUFOの目撃情報があり、マービン博士と結婚したての助手キャロルのクルマの上にも巨大なUFOが現れた!
キャロルの父ハンリー元帥にそれを告げると、今まで打ち上げた無人ロケットは全部何者かに撃ち落されて落下しているとのこと。
研究所にもUFOは現れ、シールドに守られた中から何人かの宇宙人が登場!
ハンリー元帥はアブダクトされ、脳から記憶を盗まれる(あとで帰すからねってゆってたんだけど・・・
マービン博士は地球の危機を米国防総省に伝え、みんなでUFO撃退のレーザーを発明。
攻撃してくるUFOと撃ち落す米軍、逃げまどう人々・・・


渋谷TSUTAYAには、去年ハマったダイナメーションが呼び物のレイ・ハリーハウゼン作品もまだまだあったv
今作は地球外生物がUFOに乗って攻撃してくるってゆうオーソドックスさが嬉しいSFもの。
だけど、今まで見た巨大怪獣との闘いや、仏像が動いたりする意外性には乏しくて、
円盤が空を飛ぶシーン、そこからロボットみたいな宇宙人が出てくるシーン、
UFOがレーザーにヤラれていろんな有名な建物に向かって墜落するシーンのほかは、
ロケットの打ち上げや、軍機からの攻撃などは実際の映像を挟んでリアルさを出そうとしたのが
かえって期待が外れてしまった(そんなリアルさは求めてないのに

しかも、UFOが脅しで打ち落とした船や飛行機で出た死傷者の数より、
米軍がUFOを打ち落として墜落時に巻き込まれた犠牲者の数のほうが圧倒的に多いんじゃないの?とか、
宇宙人に「なぜワシントンなんだ?」て聞いた答えが、世界に働きかけるのに最も好都合だからってゆう答えとか、(出たっ!世界滅亡ハリウッド映画の舞台が全部アメリカってゆう偏ったパターン
科学者を世界中から集めて考えたとはいえ、わずか数十日の間にUFOを撃ち落す兵器を発明したのはいくらなんでも早すぎやしないかとか、
主人公のヒュー・マーロウがなんだかジョージ・ブッシュに似てないか?とか
いろいろ突っ込みどころ満載な意味では楽しめる娯楽策w

ちなみにヘルメットの中身は馴染み深い逆三角頭タイプの宇宙人
暮らしてた星が滅びて、地球に目をつけたけど、なんせ少人数だから征服するのに時間がかかるし、
てっとり早くワシントンに頼みにきたって、ちょっと見友好的なんだけど、よく考えたら強引。
今作を現代風にCGをいっぱい使えば、『宇宙戦争』や、『アルマゲドン』などになる(途中ダブった

1番トキメいたのは、なんといってもこのジャケだろうなあ!
大好きさ、この'50年代風SF映画の劇画タッチ。

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『死の十字路』(1956)

2009-07-20 14:16:48 | 映画
『死の十字路』(1956)
監督:井上梅次
原作:江戸川乱歩
出演:三國連太郎、新珠三千代、山岡久乃、大坂志郎、芦川いづみ ほか

図書館へ行くと、絵本や児童書が大好きなので、つい子どものコーナーに入り浸っているんだけどw、
行くたびに気になるのは江戸川乱歩の少年探偵シリーズ
思い出すのは、小学校が建て替える前の木造校舎に図書室があって、そこで借りて読んだ本でたぶん
一番古い記憶は、『魔人ゴング』だった。今もこのシリーズは表紙絵や挿し絵も大好きでどれも味があったなあ!(ブキミだった!
自分で購入したものの中でも好きだったのは今作。邦題もセンスがあってステキ
TSUTAYAにはこのほかにも映像化されたものがまだまだあったから、全部観たくなってきた。

少年探偵 江戸川乱歩全集(39)「死の十字路」

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story
大手建設会社社長・伊勢省吾の妻・友子は、新興宗教にハマり夫婦仲はとっくに冷えていた。
愛人・沖晴美の家が本当に寛げる唯一の場所であり、近々正式に離婚して一緒に暮らそうと考えていたが、
ある夜友子はいきなり訪ね、嫉妬に狂い襲ってきたため、誤って殺してしまう。
妻は熱海の海に身投げしたことにして、死体はもうすぐダムの底に沈む予定の山間の井戸に捨てる計画をたてる。
一方、同じ晩のあるバーでは、広告デザイナーの真下が、絵描きの相馬良介に妹と結婚させて欲しいと頼んでいた。
以前から商業美術など馬鹿にしていた相馬に猛反対され、2人は取っ組み合いとなり、相馬は頭を強く打つ。
意識朦朧のままタクシーと間違えて伊勢のクルマに乗り込み、ダムに到着する頃には相馬もまた死んでいた。。


主演が三國連太郎と新珠三千代とはなんとも豪華。サスペンスの犯罪者役としても見せるなあ~三國連太郎!
愛人を護ろうとする姿が愛情深くて、今作の悲劇は、彼を含め誰も芯から悪人ではないところにある。
恐怖に震える新珠三千代はとっても美しいし、2人を追う相馬とうり二つの私立探偵、
探偵を追うさらにもう一人の人物・・・と謎は深まるばかり。
不幸な偶然が十字路でいくつも重なって、保身のために次々と罪を重ねなければならなくなる。
短い中に極上のサスペンスと人間ドラマが織り込まれて見ごたえ十分。


少年探偵シリーズはいまだに読破しきれないから、またぜひ借りて読んでみよう。
ところで、今シリーズにはフシギなダブりが何箇所も出てくるよね?たしか。
忍び込んだ少年がトランクとかに閉じ込められて、酔っ払った男が火をつけてしまうシーンとか。
子どもの頃は東京なんて遠い国みたいなものだったけど、
今となっては小説中に出てくる上野や新宿なんて地名にも親しみが湧き、
昭和初期のデカダンスな香りもまた味わい深いところ。


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