ひきつづき芥川龍之介の晩年の短編を読んだ感想メモ。
「或阿呆の一生」
自伝的作品らしい。発表されたのは亡くなった後。
箇条書きにされた人生の短くも重要なシーンは、淡々としているが一様に暗い翳を感じさせる。
しょっちゅう幻覚を見ていたのは、精神的なものにも違いないけど、
処方されてたたくさんの睡眠薬とかの副作用もあったんじゃないのかな。
「歯車」
これも自伝的作品。姉の結婚式に呼ばれた主人公がレインコートの幽霊の話を聞き、
そこかしこで暗示的な景色などを見かける度に恐怖と不安を感じる。
姉の夫は放火の嫌疑をかけられたまま轢死し、季節外れのレインコートを着ていたらしい。
作者の精神はさらに蝕まれ、何を見ても死への誘いに思えるまでに追い詰められてゆく。
知識がありすぎるのも考え物。それにしても1日の間に何冊本を読んでるのか!
洋書を原語で読んでるっぽいし。英語だけでなく、仏語、独語などにも精通してたのか?
ホテルにも、街角にも、喫茶やバーにもゆっくり落ち着けず、小説を書いたり、読書したり、動きっぱなし。
白昼夢や不安症は睡眠不足のせいもあるのでは?
ウィキには歯車が見えて偏頭痛が起こるのは「閃輝暗点」ていう病だったんじゃないかって書いてあったが。
「玄鶴山房」
ゴム印の特許である程度の財をなした玄鶴は、肺結核を患って長く、いまでは死を待つのみ。
玄鶴の妻も寝たきりで、長男夫婦とその一人息子・武夫、玄鶴の世話をしている看護婦の甲野が同居している。
玄鶴には元女中のお芳との間に息子・文太郎がいて、1週間ほど看病のためにやっかいになる。
微妙に成り立っていた家族の均衡が失われてゆく。。
昔はちょっとした財産持ちなら、別宅に愛人がいて・・・なんてあまり珍しくない話だったのかもしれないが、
隠微で暗く湿った重々しい雰囲気が、そこに漂う老人の死の香りとともにリアルに伝わってくる感じが凄い。
「大導寺信輔の半生」
龍之介の少年時代を基に書いたみたい。貧乏暮らしながら中流階級の品を保つために無理をする家庭を憎み、
学校では教師や学友を嘲笑し、大好きな本を読むために図書館、貸本屋に通いつめ、
どんな嘘をついてでも小遣いをつくっては本を買っていた頭ばかり大きな弱い少年。
今作はもっと長く続けるつもりだったようだが、これで終わっている。
龍之介は短編に秀でていたが、長編は苦手だったらしい。
そのおかげで通勤時の不快感を紛らわせるためにもこの1週間は、
電車での行き帰りに気軽に読むにはちょうどいい友になった。
ちっさくて青いトマトがついに数個ばかりなっていた!!!感動。。
木からはトマト独特のあの青いいい香りが漂っている。
これは赤く熟すだろうか???
「或阿呆の一生」
自伝的作品らしい。発表されたのは亡くなった後。
箇条書きにされた人生の短くも重要なシーンは、淡々としているが一様に暗い翳を感じさせる。
しょっちゅう幻覚を見ていたのは、精神的なものにも違いないけど、
処方されてたたくさんの睡眠薬とかの副作用もあったんじゃないのかな。
「歯車」
これも自伝的作品。姉の結婚式に呼ばれた主人公がレインコートの幽霊の話を聞き、
そこかしこで暗示的な景色などを見かける度に恐怖と不安を感じる。
姉の夫は放火の嫌疑をかけられたまま轢死し、季節外れのレインコートを着ていたらしい。
作者の精神はさらに蝕まれ、何を見ても死への誘いに思えるまでに追い詰められてゆく。
知識がありすぎるのも考え物。それにしても1日の間に何冊本を読んでるのか!
洋書を原語で読んでるっぽいし。英語だけでなく、仏語、独語などにも精通してたのか?
ホテルにも、街角にも、喫茶やバーにもゆっくり落ち着けず、小説を書いたり、読書したり、動きっぱなし。
白昼夢や不安症は睡眠不足のせいもあるのでは?
ウィキには歯車が見えて偏頭痛が起こるのは「閃輝暗点」ていう病だったんじゃないかって書いてあったが。
「玄鶴山房」
ゴム印の特許である程度の財をなした玄鶴は、肺結核を患って長く、いまでは死を待つのみ。
玄鶴の妻も寝たきりで、長男夫婦とその一人息子・武夫、玄鶴の世話をしている看護婦の甲野が同居している。
玄鶴には元女中のお芳との間に息子・文太郎がいて、1週間ほど看病のためにやっかいになる。
微妙に成り立っていた家族の均衡が失われてゆく。。
昔はちょっとした財産持ちなら、別宅に愛人がいて・・・なんてあまり珍しくない話だったのかもしれないが、
隠微で暗く湿った重々しい雰囲気が、そこに漂う老人の死の香りとともにリアルに伝わってくる感じが凄い。
「大導寺信輔の半生」
龍之介の少年時代を基に書いたみたい。貧乏暮らしながら中流階級の品を保つために無理をする家庭を憎み、
学校では教師や学友を嘲笑し、大好きな本を読むために図書館、貸本屋に通いつめ、
どんな嘘をついてでも小遣いをつくっては本を買っていた頭ばかり大きな弱い少年。
今作はもっと長く続けるつもりだったようだが、これで終わっている。
龍之介は短編に秀でていたが、長編は苦手だったらしい。
そのおかげで通勤時の不快感を紛らわせるためにもこの1週間は、
電車での行き帰りに気軽に読むにはちょうどいい友になった。
ちっさくて青いトマトがついに数個ばかりなっていた!!!感動。。

木からはトマト独特のあの青いいい香りが漂っている。
これは赤く熟すだろうか???