『青春の殺人者』(1976)
製作:今村昌平、大塚和 監督:長谷川和彦 音楽:ゴダイゴ
出演:水谷豊、内田良平、市原悦子、原田美枝子、桃井かおり、地井武男 ほか
水谷豊が『相棒』のキャンペーンをしてたニュースで紹介されてた過去作品の中に、
わたしが大好きな女優・原田美枝子さんと共演してる今作があって、彼女の出演作はとにかく全部観たいと思ってるので、
けっこう探した末にこれも渋谷TSUTAYAで難なく発見。
「長谷川和彦の第一回監督作品。1974年に千葉県市原市で実際に起きた両親殺し事件を下敷きにした
中上健次の短編小説『蛇淫』をもとに、田村孟が大胆に脚本化した(ウィキ参照)」とのこと。
ニューウェーブなタッチのちょっと重めな犯罪映画だとは予想してたけど、これほどリアルだとは。。


いや、ハリウッド映画でバンバン銃で撃たれたり、カーチェイスで爆発したりして、
軽々と人間が死んでいってカッコよく描かれてることがそもそも間違ってるんだ。
人間ひとりが死ぬという重くて、ドロドロとして、傷を一生背負い続けなければならないということ。
『相棒』は観たことないけど、『熱中時代』の善い人のイメージが強かった水谷豊が
こんな生々しいアウトローも演じられることに驚いた。
▼trailer
▼story
両親と折り合いの悪かった斉木順は、同棲している幼なじみで恋人のケイ子との仲を悪く言われたことでカッとして父親を刺殺してしまう。
自首するという順に母親は「家族内のことを法律にとやかくいわれることはない。死体を海に沈めて、家を売ったお金でやり直そう。時効までは十数年だから、それまでに大学を出て、おとなしいいいコと結婚なさい」と言い聞かせる。
が、ケイ子との縁が切れない順の心を読み、狂乱の末、自分も殺して心中しようと迫り、順は母親をも殺めてしまう。
親に建ててもらったが経営は思わしくなかったスナックも早々たたんで、両親の死体を千葉の海に捨て、
ついてきたケイ子と共に逃亡するが・・・
特典は監督のインタビューで、これまた長いんだけど、製作当時の話をじっくり聞くことで作品への奥行きが増したことは確か。
予告を観ればDVD本編にはないシーンがたくさんあることが分かる。
低予算の中、3時間以上撮って、2時間に収めるためにそうとうカットしたそうな。
1本の映画としてみせるためには、せっかく俳優が熱演して、お金をかけたシーンも捨てなければならないんだな。
ラガーシャツを着て、サングラスに、煙草をふかしながらちょっと不良っぽく喋ってる長谷川監督は、
なんだかロックな感じで、当時は監督もスタッフもみんな若かったことと、時代の風もあって
きっとあんなに尖って、ドロドロな青春劇も撮れたんだろうな(あんな青春ヤだけど
実際に起きた事件を題材にしてるとはいえ、あくまでフィクションで撮った映画であって、
事件で服役中の青年に死刑判決が下された時はかなりのショックだったと言っていたのが、
以前観た『カポーティ』の中で『冷血』を書いたカポーティがその後も良心の呵責に悩んだこともちょっと思い出した。
これから観る人のために、血生臭いのが苦手な人、食事中の人にはおすすめできないことをゆっておきます
監督がゆってた和製ジェームス・ディーンものというより、もっとココロが病んでしまうくらいショッキングな1本。
製作:今村昌平、大塚和 監督:長谷川和彦 音楽:ゴダイゴ
出演:水谷豊、内田良平、市原悦子、原田美枝子、桃井かおり、地井武男 ほか
水谷豊が『相棒』のキャンペーンをしてたニュースで紹介されてた過去作品の中に、
わたしが大好きな女優・原田美枝子さんと共演してる今作があって、彼女の出演作はとにかく全部観たいと思ってるので、
けっこう探した末にこれも渋谷TSUTAYAで難なく発見。
「長谷川和彦の第一回監督作品。1974年に千葉県市原市で実際に起きた両親殺し事件を下敷きにした
中上健次の短編小説『蛇淫』をもとに、田村孟が大胆に脚本化した(ウィキ参照)」とのこと。
ニューウェーブなタッチのちょっと重めな犯罪映画だとは予想してたけど、これほどリアルだとは。。



いや、ハリウッド映画でバンバン銃で撃たれたり、カーチェイスで爆発したりして、
軽々と人間が死んでいってカッコよく描かれてることがそもそも間違ってるんだ。
人間ひとりが死ぬという重くて、ドロドロとして、傷を一生背負い続けなければならないということ。
『相棒』は観たことないけど、『熱中時代』の善い人のイメージが強かった水谷豊が
こんな生々しいアウトローも演じられることに驚いた。
▼trailer
▼story
両親と折り合いの悪かった斉木順は、同棲している幼なじみで恋人のケイ子との仲を悪く言われたことでカッとして父親を刺殺してしまう。
自首するという順に母親は「家族内のことを法律にとやかくいわれることはない。死体を海に沈めて、家を売ったお金でやり直そう。時効までは十数年だから、それまでに大学を出て、おとなしいいいコと結婚なさい」と言い聞かせる。
が、ケイ子との縁が切れない順の心を読み、狂乱の末、自分も殺して心中しようと迫り、順は母親をも殺めてしまう。
親に建ててもらったが経営は思わしくなかったスナックも早々たたんで、両親の死体を千葉の海に捨て、
ついてきたケイ子と共に逃亡するが・・・
特典は監督のインタビューで、これまた長いんだけど、製作当時の話をじっくり聞くことで作品への奥行きが増したことは確か。
予告を観ればDVD本編にはないシーンがたくさんあることが分かる。
低予算の中、3時間以上撮って、2時間に収めるためにそうとうカットしたそうな。
1本の映画としてみせるためには、せっかく俳優が熱演して、お金をかけたシーンも捨てなければならないんだな。
ラガーシャツを着て、サングラスに、煙草をふかしながらちょっと不良っぽく喋ってる長谷川監督は、
なんだかロックな感じで、当時は監督もスタッフもみんな若かったことと、時代の風もあって
きっとあんなに尖って、ドロドロな青春劇も撮れたんだろうな(あんな青春ヤだけど

実際に起きた事件を題材にしてるとはいえ、あくまでフィクションで撮った映画であって、
事件で服役中の青年に死刑判決が下された時はかなりのショックだったと言っていたのが、
以前観た『カポーティ』の中で『冷血』を書いたカポーティがその後も良心の呵責に悩んだこともちょっと思い出した。
これから観る人のために、血生臭いのが苦手な人、食事中の人にはおすすめできないことをゆっておきます

監督がゆってた和製ジェームス・ディーンものというより、もっとココロが病んでしまうくらいショッキングな1本。