メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

映画『映画女優』(1987)

2024-10-20 11:47:17 | 映画
監督:市川崑 原作:新藤兼人『小説 田中絹代』

出演
田中絹代:吉永小百合
母・ヤエ:森光子
姉・玉代:横山道代
伯父・源太郎:常田富士男
兄・晴次:戸井田稔
兄・祥三:田中隆三
城都四郎:石坂浩二 所長(城戸四郎がモデル)
清光宏:渡辺徹 監督(清水宏がモデル)
五生平之肋:中井貴一 監督(五所平之助がモデル)
鈴木伝明:野分龍
林長二郎:長谷川裕二
小津安二郎:小木茂光
仲摩仙青:平田満 キヌヨの付き人
上原謙:上原謙(特別出演)
釘貫屋の女将:岸田今日子
溝内健二:菅原文太(溝口健二がモデル)
五十屋時雄:井川比佐志 企画
坂梨たつえ:神保共子
依戸義賢:佐古雅誉(依田義賢がモデル)
駒井英生:佐藤正文 (児井英生がモデル)プロデューサー
川島聖子:沢口靖子 溝内の姪
ほか


ウィキ参照:
吉永小百合99本記念映画
女優・田中絹代の半生を映画化した作品

【内容抜粋メモ】
『不如帰』(大正11年)栗島すみ子主演のシロクロ無声映画

ナレーション:
映画は活動写真と言われていた
アメリカから日本に輸入されたのは明治29年

大正15年
絹代が蒲田に入ったことを家族で祝う
大女優になるつもりなら東京に来ないとダメだと清光宏先生に言われて家族で出てきた

城都四郎の面接を受けた時ど緊張した
キヌヨが活動写真の女優になりたいと言った時は反対した母

小学校を途中で辞めて芸事に行ったのは家計を助けるため
母:おめでとう これからもよろしうお願いします

芸名は田中絹代で通してと母が頼んだ
兵隊検査で行方不明になった兄リョウスケを憲兵隊も探している
母:キヌヨを見て連絡が来るかもしれん



蒲田撮影所
大部屋女優の給料は10円が相場の時、30円の大金をもらっていたキヌヨ

自分の名前があれば仕事がある
仕事がなくてもウロウロしてれば呼び止められると通う女たち

グラスステージ 天井がガラス張り 太陽光を利用する
4、5日で1時間の映画を撮るため休みなし

昭和2年
清水はキヌヨを贔屓してるのではなく、仕事に熱心だからと話す

『恥ずかしい夢』
五生平之肋監督がキヌヨに仕事を持ってきた
五生:君の女優としての素質に注目していた
五生は家族に勘当されていた はじめは無給だった








所長・城都四郎は秀才 五生の企画を許可した
城都:映画は新しい娯楽だ 明るい健康なものがないといけない

はじめは舞台劇、相撲などを写した
日露戦争の実写が大変な反響だった
徐々に写実的になっていった
ヨーロッパ、アメリカの作品がどんどん輸入された

清水:君を誰にも渡さない



朝帰りするキヌヨ
兄たちも撮影所で働いている

母:清水先生の所で入りびたってるのが噂になってる
キヌヨ:清水は結婚したいと言ってくれた

母:女優は結婚したらおしまいや!
キヌヨ:私は女になりたいの

母:清水は女ぐせが悪くて有名もう貧乏はいやや!

城都:
2年待て 1つ屋根の下に住むのも許す
キヌヨを糠みそ臭くしたら承知せんぞ


昭和3年
2人とも仕事で忙しい毎日
新人の小津安二郎と仕事『大学は出たけれど』

清水が浮気してることを言うと殴る
キヌヨ:お父さんにも殴られたことないのに! おしっこしてやる!

キヌヨ:私は一生、結婚はいたしません

幹部女優は借家に住まないと言われて2階家を買う
蒲田一の女優になるのを夢見ていた叔父が肺炎をこじらせて急死

時代劇が一世風靡
現代劇、文学作品も作られる


トーキー 昭和4年
『モロッコ』で日本語訳がついて弁士が大勢失業した

昭和6年 『マダムと女房』主演はキヌヨ

キヌヨは箱根の宿に呼ばれる

城都:
鈴木伝明が引き抜かれて脱退した
うちはスターが多い 君はどうだ?

キヌヨ:私は大恩ある松竹を去りません


無声映画『伊豆の踊子』 五生平之肋監督





兄たちは撮影所がキツくて辞めた
姉・玉代は駆け落ちし、金を借りに来る
キヌヨ:私が養ってあげる

母は時々胸を押さえてる
キヌヨの恋愛遍歴を心配する母

仲摩仙青が冗談に乗せられて家に来る
キヌヨは用心棒に雇う



昭和11年
鎌倉に豪邸を建てる計画に喜ぶ家族 キヌヨ御殿
撮影所も大船に移った

母が倒れる

母:
みんなのことくれぐれも頼む 気がかりなのはリョウスケ
きっとどっかで生きてる
いろいろおおきに
(こういうのが大往生って言うんだな


世界的な不況の波がきても映画は盛況
『祇園の姉妹』
『新しき土』

松竹、日活などと対抗して、東宝ができた


昭和12年 事変で政府が映画にも干渉してくる
監督たちも召集され、戦死した者もいる



昭和13年
『愛染かつら』が大当たり
若手の高峰三枝子さんらが台頭
上原謙さんが自分役を演じてる

仲摩仙青:先生も燃えてない
キヌヨ:誰がいるんだ!



昭和15年
京都駅に五十屋時雄が溝内健二監督を連れて来る
わざわざ監督が来て驚く

坂梨たつえが来て、溝内からたくさんの文楽の本を読めと届けられる
キヌヨ:台本以外の本を読んだことない

溝内の妻は入院が長い

1週間経っても打ち合わせもなくてイライラするキヌヨの所に溝内が来る
『浪花女』を女の側から捉える

釘貫屋の女将(岸田今日子):先生は相変わらず
キヌヨ:相手にとって不足はないね

衣装の着物を着てセットに入り、セリフの読み合わせをしながら
依戸義賢とセリフを新たに作っていく

溝内:田中さん、自然に動いてください 何度もやり直させる

キヌヨ:具体的におっしゃっていただかないと分からない
溝内:ボクは監督だから演技を教えることはできません

女性の描き方に定評がある溝内
背中に女にカミソリで切られた跡があるという噂
背中を切ったのは商売女 新聞にも出た

溝内:キヌヨは異質 熱気がある 獣の匂いがします 野性的なんだ

キヌヨは毎日、徹夜で搾られ、真剣勝負が続く



川で足を冷やすキヌヨ
溝内:撮影終わりました よく体がもちましたね

また京都駅で見送る溝内



昭和26年
釘貫屋で溝内と再会するキヌヨ
溝内:あなたが出演を快諾してくれたから嬉しい

映画のタイトルも知らずに来たキヌヨ
戦時中の軍の倉庫を借りて撮影する

『西鶴一代女』!
プロデューサーは駒井英生、五十屋時雄も関わる

溝内:
前作は批評家から古いと言われた
ボクは焦ってた

キヌヨ:
私にも苦しい10年でした
女優は歳が問題

溝内:あなたを老醜とまで書いた

戦後
『わが青春に悔なし』
『戦争と平和』
『安城家の舞踏会』
『青い山脈』
『野良犬』
『また逢う日まで』(!

イタリアリアリズム
『自転車泥棒』

国産カラー第1作『カルメン故郷に帰る』

黒澤明『羅生門』国際映画祭グランプリ受賞

終戦から6年経った
京都・大阪間の電車が走る倉庫
騒音が入り同時録音できるか気にする溝内

溝内の妻は精神病で亡くなって1年経ち、溝内は自分を責めた

仙青:溝内監督を立ち直らせるにはキヌヨとの仕事を辞めるべきだと世間で言っている



溝内:姪・川島聖子の世話をするつもりが逆に世話になってる
聖子の父は報道カメラマンとして戦死した

キヌヨに『西鶴一代女』のストーリーを説明する
溝内:古い女はただ黙って転落していく 古い女を演るんです
キヌヨ:古いやり方を捨てて、新しい演出でやってください お願いします

溝内:キヌヨを降ろしましょう 怒って宿を出るが
「あの役はキヌヨ以外にいない」と夜中に戻ってきてキヌヨは謝る
キヌヨ:先生の思う通りに写してください



老いた女郎メイクのキヌヨ

キヌヨ:
先生はこの作品と心中するつもりなのだ
私は先生と心中しよう
この仕事が終われば先生とはまた別れ別れになる
それでいいのです
女優というより、初めて女になった気がします

化け猫と言われるシーン
いろんな名作を再現する吉永さんの演技力もスゴイ

え? 化け猫のマネをするシーンでいきなり「完」て唐突すぎる/驚×5000



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