1981年初版 1989年 第7刷 掛川恭子/訳 ビクター・G・アンブラス/挿絵
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マークとウィルがいなくなって
周囲に青年がいなくなったとはいえ
トーマスに屋敷を継がせるとなると
マークの正式の息子と認めて、屋敷も畑も全部譲ることになるのを
クリスチナは分かってたのかな?と疑問に思った
戦争はそうしたあらゆる矛盾やカオスもありにして
因襲をも壊す効果があるのかもしれないな
今でもこうした地主が小作人を支配する階級で
遊んで暮らしている人々っているのかな?
ピラミッド型の考えも古い
クリスチナは叔母らの世代の考えが古臭いと言うけれども
彼女の言動も家や階級、女性蔑視な考えに縛られていて時にイライラした
【内容抜粋メモ】
登場人物
フランバーズ屋敷
クリスチナ・パーソンズ 21歳
イザベル ウィルとの間の娘
ティジー(トーマス・マーク) マークとバイオレットの子ども
ディック 以前屋敷で馬丁をしていた
ラッセル 亡父 亡妻イザベル
マーク 長男
ウィリアム 次男
メアリー 女中頭
ファウラー
スタンレーとハリー 農夫
ウィルヘルム ドイツ人捕虜
グレイスおば 洋裁で生計を立てている
ドロシー・ソーンダーズ ホテル「ブドウのふさ亭」経営者の娘
♪
あわれな飛行士が死んでいく
あるよく晴れた夏の夕べ
バラバラ死体をかたづけようと
仲間がまわりをとりかこむ
ウィリアムはフランスの牧草畑に墜落して戦死した
失意に沈むクリスチナはフランバーズ屋敷に帰る
屋敷に残ったのはメアリーとファウラーだけ
馬はおいぼれのペパーのみ残して軍に持っていかれた
ルーカスの猟犬もぜんぶ手放した
クリスチナは21歳になり、ようやく父の財産を手に入れたが
屋敷の周囲はジャングルと化し、窓にはツタがびっしりはびこる
村に残ったのは老人、子ども、召集されなかった者だけ
女たちは軍需工場で働いている
クリスチナ:馬は買える でも人間を買うことはできないのね
ウィルはいつも幸せだった記憶しかないのが幸いだった
体調が悪いと思っていたら妊娠していると分かる
ポーター医師:時が癒すことのできないものはない
クリスチナ:フランバーズ屋敷を生き返らせなくてはならないわ
クリスチナは農場を採算のとれるものにすると心に誓う
なんとか見つけてきた2人の少年
スタンレーは監視してないとすぐにサボるし
ハリーは精神薄弱で仕事が遅い
クリスチナはファウラーとともに競売で作業馬を買い
そこで見つけた荒れ馬フェザントを高値で買う
医者に売ったウッドピジョンを買い戻す
以前、ラッセル家の猟犬だったマリゴールドを飼いはじめる
マスターズ家は3人の息子がいるが
農場の仕事に就いているからという理由で
召集を不正に延ばしてもらっている
クリスチナはバイオレットの家を訪ねて、マークとの子どもを養子にする
バイオレットは2度結婚して、女児2人と赤ん坊を抱えて、変わらず貧しかったため
クリスチナの500ポンド小切手を受け取り、息子ティジーを差し出す
ラッセルの血を引いたティジーはフランバーズ屋敷の馬に夢中になり
フェザントに乗りたがる
ティジーの話からディックが戦争で負傷して帰ってきていると知り
農場の管理人としてまた働いてもらいたいと頼む
ディックはイェペルで肺を撃ち抜かれ、結核を患っているため
以前のような力仕事はムリだといったんは断るが半年後に引き受ける
戦時農業協会に頼んだドイツ人捕虜から1人しか連れて来れないと言われる
ウィルヘルムはドイツ語しか話せないが、元農家で使えると分かる
ディックは病院で学んだドイツ語でウィルヘルムと意思疎通を図る
クリスチナは女児を産み、ウィルとマークの母の名をとってイザベルと名付ける
飛行機の揺籃期をともに過ごしたドロシーはフランスで従軍看護婦となり
過酷な日々を過ごしながら、行方不明のマークからの連絡を待っている
スタンレーにも召集がかかり、刈り入れのため延長するが、その後戦地に赴く
ある日、ドイツの戦闘機が畑に落ちて、1人は助かるが、もう1人は即死
ウィリアムはこうして死んだのだと改めて目の当たりにしたクリスチナは
ずっと死から目を背けていたが、ウィルからの手紙を読み直す
爆撃による破壊跡の写真を撮りに行って射撃され墜落したため、遺言もなかった
戦争は奴隷も支配者も平等に殺した
ウィルは国のために戦うことを誇りに思っていたが、それが愚かだと悟る
ウィルに会いたい! クリスチナは号泣する
グレイス叔母が屋敷に来ると手紙をよこした後に駅に着くという電報をもらい
叔母を迎えに行ったクリスチナの前に現れたのはマーク!
ずっと捕虜になっていたため手紙も書けずに行方不明扱いされていた
屋敷に戻り、バイオレットとの間の息子ティジーを紹介されてショックを受けるが
持前ののんきさで2人は意気投合する
ディックが農場を管理していることにきつい言葉を吐くマーク
マーク:奴はずっと君に惚れてたんだ
マークの下では働けないと言うディックをなんとか止める
ラッセル家の弁護士パーキンズを呼び、法律上、クリスチナには何の所有権もないと分かる
マークは屋敷が欲しいなら自分と結婚することだと改めて決断を迫るが
クリスチナの気持ちは変わらない
マークはティジーにフェザントに乗ることを許したため
ティジーは落馬して頭を打つ
ポーター医師から安静にするよう言われたのに
マークは明日の朝、またフェザントに乗るよう強要したため
ティジーはマークに恐れを抱く
平和な日々が一気に壊され、ディックの存在がいかに大きいかに気づく
ディック:愛しています 15の時からずっと
クリスチナはディックを愛していることをマークに伝える
クリスチナ:朝になったら農場の小屋へ行くわ
ティジーは屋敷に残りたいばかりに、ディックのいる農場の小屋に火をつける
クリスチナが気づいた時にはもう炎に包まれて、ディックは馬を連れだしている
今年の収穫物に燃え移る前に、小屋ごと壊そうとマークも村人も総出で加わる
クリスチナもバケツレースに加わり、消防隊も来て、ようやく消火する
マークは出火もディックのせいにするが、ティジーが犯人と分かり、尻にムチ打つ
父からムチ打たれた時とまったく同じ
*
弁護士パーキンズは叔父ラッセルが屋敷を抵当にして多額の借金をしたから
あるのは土地と農場の小屋だけだと明かす
パーキンズ:働いて稼ぐつもりがないなら、屋敷を売るより方法はありません
マーク:くだらん百姓にだけはならんよ
クリスチナ:私が買うわ
*
ドロシーがフランバーズ屋敷を訪ねる
いろんな経験を積んで、さらに成熟した魅力にあふれ、マークは惹かれる
2人は翌朝一緒にフランスに発ち、その後結婚した
2人とも美しく、衝動的で、横柄で、わがままなのが似ていた
マーク:
戦争が終われば、ドロシーのホテルに住むことができるし
なにより最高の狩猟場なのが気に入った
今でも君と結婚したいが、きっと忘れられると思う
クリスチナ:私たちは考え方も興味も違う
マーク:
君みたいな馬の乗り方をする女を見たことがない
それで君を愛しているのさ
ティジーは君のものだ 僕は叔父さんになろう
ディックがあの子の父親になればいい
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マークとウィルがいなくなって
周囲に青年がいなくなったとはいえ
トーマスに屋敷を継がせるとなると
マークの正式の息子と認めて、屋敷も畑も全部譲ることになるのを
クリスチナは分かってたのかな?と疑問に思った
戦争はそうしたあらゆる矛盾やカオスもありにして
因襲をも壊す効果があるのかもしれないな
今でもこうした地主が小作人を支配する階級で
遊んで暮らしている人々っているのかな?
ピラミッド型の考えも古い
クリスチナは叔母らの世代の考えが古臭いと言うけれども
彼女の言動も家や階級、女性蔑視な考えに縛られていて時にイライラした
【内容抜粋メモ】
登場人物
フランバーズ屋敷
クリスチナ・パーソンズ 21歳
イザベル ウィルとの間の娘
ティジー(トーマス・マーク) マークとバイオレットの子ども
ディック 以前屋敷で馬丁をしていた
ラッセル 亡父 亡妻イザベル
マーク 長男
ウィリアム 次男
メアリー 女中頭
ファウラー
スタンレーとハリー 農夫
ウィルヘルム ドイツ人捕虜
グレイスおば 洋裁で生計を立てている
ドロシー・ソーンダーズ ホテル「ブドウのふさ亭」経営者の娘
♪
あわれな飛行士が死んでいく
あるよく晴れた夏の夕べ
バラバラ死体をかたづけようと
仲間がまわりをとりかこむ
ウィリアムはフランスの牧草畑に墜落して戦死した
失意に沈むクリスチナはフランバーズ屋敷に帰る
屋敷に残ったのはメアリーとファウラーだけ
馬はおいぼれのペパーのみ残して軍に持っていかれた
ルーカスの猟犬もぜんぶ手放した
クリスチナは21歳になり、ようやく父の財産を手に入れたが
屋敷の周囲はジャングルと化し、窓にはツタがびっしりはびこる
村に残ったのは老人、子ども、召集されなかった者だけ
女たちは軍需工場で働いている
クリスチナ:馬は買える でも人間を買うことはできないのね
ウィルはいつも幸せだった記憶しかないのが幸いだった
体調が悪いと思っていたら妊娠していると分かる
ポーター医師:時が癒すことのできないものはない
クリスチナ:フランバーズ屋敷を生き返らせなくてはならないわ
クリスチナは農場を採算のとれるものにすると心に誓う
なんとか見つけてきた2人の少年
スタンレーは監視してないとすぐにサボるし
ハリーは精神薄弱で仕事が遅い
クリスチナはファウラーとともに競売で作業馬を買い
そこで見つけた荒れ馬フェザントを高値で買う
医者に売ったウッドピジョンを買い戻す
以前、ラッセル家の猟犬だったマリゴールドを飼いはじめる
マスターズ家は3人の息子がいるが
農場の仕事に就いているからという理由で
召集を不正に延ばしてもらっている
クリスチナはバイオレットの家を訪ねて、マークとの子どもを養子にする
バイオレットは2度結婚して、女児2人と赤ん坊を抱えて、変わらず貧しかったため
クリスチナの500ポンド小切手を受け取り、息子ティジーを差し出す
ラッセルの血を引いたティジーはフランバーズ屋敷の馬に夢中になり
フェザントに乗りたがる
ティジーの話からディックが戦争で負傷して帰ってきていると知り
農場の管理人としてまた働いてもらいたいと頼む
ディックはイェペルで肺を撃ち抜かれ、結核を患っているため
以前のような力仕事はムリだといったんは断るが半年後に引き受ける
戦時農業協会に頼んだドイツ人捕虜から1人しか連れて来れないと言われる
ウィルヘルムはドイツ語しか話せないが、元農家で使えると分かる
ディックは病院で学んだドイツ語でウィルヘルムと意思疎通を図る
クリスチナは女児を産み、ウィルとマークの母の名をとってイザベルと名付ける
飛行機の揺籃期をともに過ごしたドロシーはフランスで従軍看護婦となり
過酷な日々を過ごしながら、行方不明のマークからの連絡を待っている
スタンレーにも召集がかかり、刈り入れのため延長するが、その後戦地に赴く
ある日、ドイツの戦闘機が畑に落ちて、1人は助かるが、もう1人は即死
ウィリアムはこうして死んだのだと改めて目の当たりにしたクリスチナは
ずっと死から目を背けていたが、ウィルからの手紙を読み直す
爆撃による破壊跡の写真を撮りに行って射撃され墜落したため、遺言もなかった
戦争は奴隷も支配者も平等に殺した
ウィルは国のために戦うことを誇りに思っていたが、それが愚かだと悟る
ウィルに会いたい! クリスチナは号泣する
グレイス叔母が屋敷に来ると手紙をよこした後に駅に着くという電報をもらい
叔母を迎えに行ったクリスチナの前に現れたのはマーク!
ずっと捕虜になっていたため手紙も書けずに行方不明扱いされていた
屋敷に戻り、バイオレットとの間の息子ティジーを紹介されてショックを受けるが
持前ののんきさで2人は意気投合する
ディックが農場を管理していることにきつい言葉を吐くマーク
マーク:奴はずっと君に惚れてたんだ
マークの下では働けないと言うディックをなんとか止める
ラッセル家の弁護士パーキンズを呼び、法律上、クリスチナには何の所有権もないと分かる
マークは屋敷が欲しいなら自分と結婚することだと改めて決断を迫るが
クリスチナの気持ちは変わらない
マークはティジーにフェザントに乗ることを許したため
ティジーは落馬して頭を打つ
ポーター医師から安静にするよう言われたのに
マークは明日の朝、またフェザントに乗るよう強要したため
ティジーはマークに恐れを抱く
平和な日々が一気に壊され、ディックの存在がいかに大きいかに気づく
ディック:愛しています 15の時からずっと
クリスチナはディックを愛していることをマークに伝える
クリスチナ:朝になったら農場の小屋へ行くわ
ティジーは屋敷に残りたいばかりに、ディックのいる農場の小屋に火をつける
クリスチナが気づいた時にはもう炎に包まれて、ディックは馬を連れだしている
今年の収穫物に燃え移る前に、小屋ごと壊そうとマークも村人も総出で加わる
クリスチナもバケツレースに加わり、消防隊も来て、ようやく消火する
マークは出火もディックのせいにするが、ティジーが犯人と分かり、尻にムチ打つ
父からムチ打たれた時とまったく同じ
*
弁護士パーキンズは叔父ラッセルが屋敷を抵当にして多額の借金をしたから
あるのは土地と農場の小屋だけだと明かす
パーキンズ:働いて稼ぐつもりがないなら、屋敷を売るより方法はありません
マーク:くだらん百姓にだけはならんよ
クリスチナ:私が買うわ
*
ドロシーがフランバーズ屋敷を訪ねる
いろんな経験を積んで、さらに成熟した魅力にあふれ、マークは惹かれる
2人は翌朝一緒にフランスに発ち、その後結婚した
2人とも美しく、衝動的で、横柄で、わがままなのが似ていた
マーク:
戦争が終われば、ドロシーのホテルに住むことができるし
なにより最高の狩猟場なのが気に入った
今でも君と結婚したいが、きっと忘れられると思う
クリスチナ:私たちは考え方も興味も違う
マーク:
君みたいな馬の乗り方をする女を見たことがない
それで君を愛しているのさ
ティジーは君のものだ 僕は叔父さんになろう
ディックがあの子の父親になればいい