メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

SF世界の名作14 『時間かんし員』 岩崎書店

2021-07-18 11:53:16 | 
マーウィン・ジュニア/著 中上守/訳 原田繊夫/画
昭和43年 第3刷 定価380円

「ジュヴェナイル」カテゴリー内に追加します

これは立川市図書館所蔵 スタンプは立川市公民館てあるけど

裏に訳者の紹介とともに現住所まで書いてある!
今みたく個人情報保護!とかうるさくしなくても
トラブルが少なかったのかも

版画タッチな挿絵


SF世界の名作シリーズの他の作品も面白そう






少年少女 宇宙科学冒険全集




どれも「少年」が先なのがずっと気になってる
SFや科学は少年のものでしょう、みたいな感覚だったのか?


【内容抜粋メモ】





週刊誌の特派員マックとエルスペスは
コリィじいさんに酒をすすめて
波しぶきの島で真っ暗闇に包まれて
人が消えるフシギな話を聞く

コリィ:
400年以上昔、ここらは海賊が出て
船員を皆殺しにして略奪した

島には大きな屋敷があり、そこまで漁船で連れて行ってもらう
急に2人の周りが暗くなり、腕時計も止まっている

もとの夜空に戻ると星座の位置に変わりはない

屋敷から赤い髪の美しい少女ジュアナが出て来て2人の名前を知っている
オレーユという老人のところに連れて行く





オレーユ:
船着き場が接時点になっている

この世界には未来の歴史を変えるような事件が起きる時
時間が2つに分かれて、2つの世界ができる
接時点は分かれ目になる場所

4世紀前、イギリス人がロアノーク島に植民地をたて
引き返す途中、船をつけた
それに成功した世界、失敗した世界の2つができた

この島では時間が3つも重なっている

君たちは時間をのりかえて別世界に来た
これからは私たちのように時間監視員として働いてもらう

空を飛べるよう改造された車ヒバリ号に乗りニューオリンズに向かう






この世界の北アメリカは、コロンビアとメキシコ帝国の2つに分かれていて
合併するための戦争の準備がされている
それを止める反乱軍を率いているのがリード・ウェストン

周りを走る車はアンモニアをエネルギーとしている
ロケット機関車はあるのに、飛行機はない





ホテルの歯磨き粉で口をすすぐと
虫歯にならない技術も発見されている

バトン・ルージュは意外に都会で、大変な人手
ホテルで将軍ヘンリィに会い、黒人ということが信じられない2人






コロンビアの歴史を本で勉強する

ナポレオンはセント・ヘレナ島に流された後、助け出されて
メキシコ帝国の皇帝になった

奴隷制度は廃止され、黒人も努力次第で出世できる

資本家は儲けを独占しようと、科学の発達を制限している
それで飛行機がないと分かる

1人の兵士が熱線銃を撃つと男が消えるのを見てしまうエルスペス









兵士と目が合い、逃げる際、ヘンリー将軍に出くわして
わけを話すと、ピストルをつきつけて人質にとることを了解する

まだ追ってくるため、車から翼を出して空を飛ぶと
ぽかんと見つめるばかりの兵士たち

逃げた先のホテルでフーテンという男が
ウェストンの所に連れて行くと言うが怪しい

耳の後ろにミツバチの刺青があり
メキシコ帝国のスパイと見抜き
バッグの角で頭を殴るエルスペス





フーテンはスパイと認める
新しい兵器(飛行機)の情報を得て
それを奪うために派遣された

途中でフーテンに逃げられる

宇宙船を見つけて驚く2人






軍に捕まり、ヘンリー将軍と再会する

ヘンリー将軍:
大統領の護衛が熱線銃を使ったと聞いて私の心は決まった
ウェストンの味方になる
彼は非常に優れた科学者で飛行機のようなものを研究していたはずだ
火星移住計画もあり、途中まで行ったが着陸せずに帰ってきた

ウェストンが来て、ヘンリー将軍とともに
地球に正しい社会を作る努力をして欲しいと頼む

エルスペス:
いずれ地球の人間は火星へ出かけるでしょう
そしてまた向こうで争うなら同じではないですか
まず地球の国々を治療することです

ヘンリー将軍は試しに飛行機に乗り
灯油で動いていることなどに感動し
早速工場で作らせると指示する

ジュアナも手助けに来る
ウェストンの秘書をしている

トッドという時間監視員の婚約者がいたが
他の世界に行った時に事故死して
自分もオレーユのもとで働くことにしたと泣いて話す

ヘンリー将軍:熱線銃に対抗できるものが必要だ

そこにまたフーテンが現れて争いとなり
ヘンリー将軍があっという間に4人殺してしまう
(どっちも暴力で解決するって点では同類だ/汗

メキシコ帝国の全権大使にも飛行機について説明するエルスペス
飛行機の生産が波に乗り、2人は次の時間の旅に行くため特等車に乗る

マックは宇宙船の青写真と燃料のサンプルをカバンに入れて大事に持ち歩く

ジュアナは自分が生まれた国に帰れると喜ぶ
接時点はカンザス州のトピーカ近く

ジュアナ:
科学の進歩に心がついていけていない
人間は病気にかからず、人口増加で戦争が起こりかけている

私たちの世界なら熱線銃を防げる耐熱物質が手に入るはず
1週間で成功させなければならない

エルスペスさんは有名な詩人という設定で
詩の好きなルーズベルト大統領の娘クリスチンに近づいく

夕食で残したスープを自室に置いていたら
誰かが飲んだあとがあり気味が悪いエルスペス





特等車の中が暗闇となり、突然晴れると中の様子がすっかり違っている
車掌が殴られて倒れている

マック:時間の密航者がいる
ジュアナ:時間監視員の仕事が外に漏れるはずはないんだけど・・・

マックのカバンをひったくろうとして
燃料サンプルを取り、逃げたのは
フーテンに雇われた時間監視員の1人

追う間もなく逃げられて
まずはミサイルの専門家カーチス将軍に会う手はずを整える

エルスペスはすぐにクリスチンと打ち解け
そこに大統領が来て、夕食に招かれ
カーチスに宇宙開発の話をすると興味を持つ





フーテンが熱線銃を持って現れる
青写真は書留で大統領に送ったと知り
燃料サンプルを渡せと言う

ジュアナがピストルを撃ってフーテンは死ぬが
その瞬間に撃った熱線銃を浴びて、ジュアナは消えてしまう





2人はスパイの疑いで逮捕されるが
大統領とカーチスが熱線銃を調べて
宇宙船の話を信用し、ナトリウムが原子力の燃料に使えると分かり喜ぶ

耐熱線銃のサンプルを代わりに受け取り取引に成功

大統領は演説で、間もなく宇宙飛行が実現し
すべての国が宇宙船を造り、惑星に出かけるべきと説く

空港で2人を出迎えた物理学者は、週刊誌の編集長オリンで
彼も時間監視員と知って驚く

2人が若くて健康で正直なのを見込んで
時間監視員になるよう仕向けたのも彼

オリン:明日、トピーカで時間を乗り換えるんだ

列車に乗り、また別の時間に移される2人





将軍:私は耐熱線銃サンプルで必ずこの世界に平和を実現する

国会議事堂前広場には10万人以上の人が詰めかけ
コロンビアとメキシコの軍隊が整列し、平和実現のお祝いが述べられる

オレーユ:君たちは立派に任務を果たした

エルスペス:私たちの世界はどうなるのでしょう?

オレーユ:自分で考えてごらん

マック:宇宙船の知識こそお土産なんだ!

エルスペス:どこの世界でも、人類にとって宇宙へ乗り出すことが必要な時代になったのね

眠って起きると元の屋敷に戻り
コリィじいさんが待っていた

マックはエルスペスにプロポーズする






多次元宇宙について
あの時、テレビを切ってちゃんと勉強していたら
テストに答えられたのに・・・

今、現に生きている世界のほかにも
たくさんの別の時空間、異次元世界があるかもしれない

多次元宇宙には、時間監視機関があり
それぞれの世界の歴史を正しい方向に導くのが仕事
(『銀河鉄道999』も同じ発想だね

作者には『時間の三つの面』という作品があり
そこにもマックとエルスペスが登場する





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