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昭和40年発行 定価280円
沢田重隆/装幀
小松崎茂/カバー絵・口絵
高荷義之/挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
ジュブナイルは、難しく長い小説をサクッと3時間程で読めてしまうのが魅力
短くしても、作品のストーリーは変えず
エッセンスを面白ろおかしくドキドキワクワクしながら読める
きっと元の物語は所々ホラーに近いような描写だったのではないか
ホラー、サスペンス好きな私は最近グロい描写はムリだから
これくらいがちょうどいいv
私の好きなヴェルヌが細部にわたって徹底的に科学的であるのに対して
ウェルズの月世界への乗り物は球体でとてもシンプル!
月の動植物など、今の常識として知られている情報と食い違う部分も多いけれども
火山の火口に見えるところから地底世界につながっているとか
“月人”がグレイのような姿形をしている描写などは
個人の空想だけで描いたとは思えないほど
都市伝説でよく出てくるテスラと同時代の人だったろうか?
月人から見たら、たとえ学者や子どもであっても戦闘的で
地球人がどれほど無意味な戦争ばかり繰り返しているか
理解できないというくだりは道徳的
小松原茂さんによるイラスト
さし絵もリアルで素晴らしい
図書館で借りたこのシリーズは、どれもカバーがないのが残念
最初にテープで補強するのが大事だと改めて分かる
カーリルで調べると、私が読みたいと思っているジュブナイルは
ほとんど府中図書館にあり、ホームページを調べたところ
府中市とその近辺での相互貸し出しはあっても
23区への貸し出しはないと思ったら、手元に届いてとても嬉しい
以前、司書の方に聞いた時は
同じ図書館でも本があまり古いと館内でしか読めないものもあるということだった
「名作冒険全集」
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「学習なぜなぜ理科」
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【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意
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■この本について 白木茂
宇宙旅行はもう夢ではなくなりました
何年かすると、人間は月へ行かれるにきまっています(月面着陸の前か?!
月に着いて、小さい地球を眺めたら
争っているのがバカらしくなり
本当に平和を愛する人間になるに違いありません
●おそろしい竜巻
イギリスのケント州のリンプネ村に住むベッド少年は
村はずれの丘の上に住む50歳くらいの独り者ケイバー氏を尊敬している
数年前、大きな軽気球に乗り、村人は「発明きちがい」と呼んでいる
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ある日、竜巻が起こり、辺りの木がひっくり返り、屋根も吹き飛ぶ
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ケイバーは「大成功だ」と言うが、自宅も吹き飛んだため
ベッドの家で体を洗い、母の料理を食べて行く
ケイバーはベッドを誰も行ったことのない所に連れて行くと約束する
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●ケイバーリットの力
半年後に訪ねると、半円形の鉄の乗り物が完成している
周りはたくさんの鎧戸がついている
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自分の名をとり、ケイバーリットと名付けた
人が中に入り、地球から飛び出すのだと言う
ニュートンの万有引力の法則を例に出して説明する
特別の合金で中に引力を通さない
空気にも重さがあるが、ケイバーリットの上だけ空気を取り除く
台風の原理と同じ
ケイバー:まずは月に行こうか
父母の許しを得てからと言われたが
止められると思い話さないベッド
●しゅっぱつ
毛皮のついた防寒服、酸素ボンベ、缶詰、水、ワインなどを詰めて
中では退屈だろうからとシェイクスピアの本を持たせる
あっという間に地球を飛び立つ
(早っ! ヴェルヌがどれだけ苦労して科学の論理を書いたか
そこは難解で削ったのか?
小さな電灯をつけると、荷物も自分たちも上下左右に浮かんでいて驚くベッド
外は真っ暗だが、空気がない分、ダイヤモンドより輝く星が見える
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●宇宙の旅
月の引力に引き寄せられ、薄桃色の地球が見える(青くないの?
地球から見た月は死火山などばかりだが
ごつごつした山、底しれない谷が見える
2人はケイバーリットの中でスローモーションのように動く
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●月世界の朝
月は重力が地球の1/6のため、地表に衝突してもなんとか無事
14日夜が続くと、14日昼が続く
夜には零下273度の寒さになるになるため電熱器で温める
古い噴火口の中に着いたと分かる
太陽が当たると水蒸気が七色に吹き上がる
炎が見えるほど近い設定
ケイバーリットは激しく回り、ベッドは2度目の失神をしてしまう
●植物の林
外を見ると、植物がものすごい勢いで生い茂り
みるみる林になる
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●まいごになって
外に酸素があるか確かめるため、紙屑に火をつけて
小さな穴から出すと燃え上がったため喜ぶ
(穴がある時点でダメじゃない?w
クスリを飲んで(何のクスリ???)、ヘルメットをかぶり外に出ると
空気が薄くて、息をしても吸い足らない感じ(パニ障にはムリだな/汗
体重も1/6になり、1歩がとんでもないジャンプになる
しばらく歩く練習をするとだいぶ慣れる
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夢中になってケイバーリットを見失う
植物はベッドより伸びて、ケイバーリットが隠れてしまった
足元からブォーンという音が鳴り響いている
●人かけものか
大きな鉄の扉を開けるような音がする
ミョーッという獣の声がする
(可笑しくて「ミョー!」て何度も繰り返しマネしてみたww
60mほどある月牛が草を食べている
(重力が軽いせいで体が巨大化したというわけか
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月牛を追う150cmほどの弱弱しい人間も見える
皮の着物を着て、兜、色眼鏡をつけている
●毒キノコ
直径180mほどの丸い広場に出る
2人はこの動くフタの上を夢中で走る
(この辺の描写は要約されてよく分からないが月人の建造物の上ってこと?
底にわずかな光がある
“月人”は洞窟内で工事をしていると分かる
サンゴのお化けのような植物が赤い肉に見えて
毒かもしれないと注意する前に食べてしまうベッド
ひどい空腹のケイバーも食べると素晴らしく美味しいが
酔っぱらってフラフラになる
そこに月人がやって来る
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●とらわれの身
気づくと2人は手足、胴まで鎖で縛られて地下室に閉じ込められている
パタパタとカワイイ足音がして月人が入って来る
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兜や着物をつけていないため、細い体だと分かる
鼻のないお面のような顔、ふくらんだ目が両脇についている
月人も今まで見たことのない地球人を見て驚いている様子
ケイバー:
ここは相当の地下だ
月にはたくさんの穴が開いていることは分かっている
言葉が分からなくても、考えが通じたらなあ
月人の手は親指だけであとは平ら
片手だけ手錠を外してくれた時、手に触れ、とても冷たい
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月牛の肉と思われるものを出されて貪り食う2人
月の食べ物はすべてとても美味しいと分かる
人間が珍しく、月人は喋りながら、体を撫でたりする(w
広場にいるたくさんの月人の真似をして
首をフラフラ振ると、彼らも振り
ピーピーと互いに議論を始めた
中から背の低い太った月人が出てきて
立って歩くよう動きで導く
番人は手に金棒を持っている
●すすんだ機械
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広場は機械だらけで、洞窟を照らす光は青い液体
すっかり夢中になったケイバーは話しかけるが
急かすように棒の先でお尻をつついたため10mも飛び上がる
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それを見て、ベッドは怒り、手錠を外そうと試みる
ベッド:たぶん殺されるのでは
ケイバー:
殺すならとっくにそうしてる
奴らはもっと利口な奴のところに連れて行くんだと思う
月の中心はおそらく海だ
そこに大都市があり、文化人が集まっている
面白い世界じゃないか
●よわい月人
幅30cmほどしかない板の上を歩くよう言われる2人
その時、ようやく片方の手錠が外れるベッド
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また急かされて棒で突かれたために頭に血がのぼり
棒を持つ月人の頭を殴るとクリームを殴ったように
10mも吹き飛びぐしゃりと落ちてきた
(可哀想に・・・ なんて血の気の多いこと 食べ物をくれた親切を忘れて
ベッドは月人に飛びかかり、ケイバーの鎖も引きちぎる
ベッド:さあ逃げましょう
(おとなしくしてたら、平和な話し合いが出来そうな雰囲気なのに
会ってすぐに戦争みたいになっちゃう展開は
ヒトの生来の愚かさを見るようで悲しくなる
●おお、日光だ
洞窟の裂け目からかすかな光がさしこみ喜ぶ2人はそこを登る
ケイバー:月へ来りゃ、誰でも登山家だね
広場に出ると、光は巨大キノコの燐光だと分かりガッカリするベッド
また青い光が上から漏れてきて、たくさんの月人が働いている
格子は金属だが、これも簡単に曲がり、覗いて見ると
月牛の肉を切り取る捕鯨船のようで
月牛の死体がずらりと並んでいる
(月人も当然肉食だろうという発想が西洋人らしいな
斧も手錠もすべて金でできていると気づく
●たたかいのあと
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ここでも戦争のようになり、肉屋たちも槍などを投げてくるので
2人は斧で暴れると、突然引き上げて行く
ようやく日光が見えて、最初に落ちた丸い場所に出る(広場ばっかりだな
日光の美しさに感動して2人は抱き合って涙を流す
●ひとりぽっち
もう月時間で10日も経っていて、あたりは秋の終わりのような景色
あと4日ほどでケイバーリットを見つけないと、凍え死んでしまう
ベッド:地球に帰ったら世界中があっと驚くでしょうね
ケイバー:
秘密にしようと思う
誰でも来られるようになれば、政府や権力者が先を争って来るだろう
そしたら戦争だ 月人と人間の死骸でいっぱいになるのは
つまらないと思わんかね
(以前、開拓者が先住民を虐殺したみたいにね
それまでは離れないように気をつけていたが
別々に探そうと言われて泣きそうになるベッド
高いイバラの上にハンカチを結び
ケイバーリットを見つけたら、ここに戻り合図すると約束して別れる
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ベッドは金の棒を武器代わりに持つ
太陽が低い軌道になり、空気が冷える
●さようなら月世界
懸命に探してようやくケイバーリットを見つけたベッド
ケイバーに知らせるために外に出るとゾッとする寒さ
ハンカチの所に戻ってもケイバーはいない
50mほど下に血のついた手袋が落ちている
メモがあり読むと、膝をヤラれて捕まるのは時間の問題
最初と違う種類の月人がいる、というところで切れている
雪が降り出し、空気がより薄くなって
前のように高く飛びあがれなくなる
恐怖で神さまの名を何度も呼ぶベッド
寒さによる眠りと必死に戦いながらケイバーリットの中に戻り
ボタンを押す
●地球の人たち
ケイバーリットは月世界を飛び立つ
扱い方を知らないため、あちこちの窓を閉めたり開けたりして
ようやく地球が見えてくる(早いってば! 各駅で数個くらいな感覚
海底に落ちて、海面に浮かび上がると外は砂浜で
男の人たちが助けに来て、その服装からイギリスだと分かる(ちょうどよすぎ!
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男性はベッドを難破した船の客と思い込み同情する
ケイバーリットから大きな金の棒を取り出すと驚く
男性:どこから持ってきたんだ?
ベッド:月からです
男性:可哀想に 余程怖い目に遭ったんだな ホテルでゆっくりお休み
と全然信じない
体が重だるく、疲れすぎて眠れない
ホテルに行く途中で利口そうな少年とすれ違い
ロケットが発射するような音がして見ると
少年はケイバーリットに乗って地球を飛び出してしまった
もう一度あれに乗りケイバーを救おうと思っていたのが叶わなくなり
わあわあ泣いてしまうベッド
●月からの通信
数日後、連絡を受けて父母が迎えに来る
男性:
彼はとても怖い目に遭い、うわごとばかり言っている
月人とか毒キノコとか
ベッドは月世界旅行の話をみんなに聞かせたが
誰も本気にせず、頭がおかしくなったと思われる
それから2年ほど経ったある日
オランダのユリウスという学者から手紙が来る
火星から通信を受け取った有名な学者で
受信機でケイバーからの通信を受け取り
ベッドと月に連れて行ったと分かる
ベッドはユリウスの元に行くが
こちらからケイバーに通信する方法はなくてガッカリする
ベッドが今でも果てしない宇宙を漂っていると思い
可哀想なことをしたと言うケイバー
その通信をまとめることにしたベッド
●英語をはなす月人
ケイバーを捕まえた月人は気球に乗せて大きな竪穴に入った
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地球から火口に見えるのはすべて洞窟の入口で
竪穴は横に走るトンネルで連絡している
月人は仕事により姿が違う
必要な部分だけが発達し、その他は退化している
青い光は大きな海にそそぎ、そこが月世界の中心部
海には漁師がいて丸木舟のような舟を操る
(なんて未開人のような扱い・・・
ケイバーは月人の六角形のアパートに運ばれた
監視がついたが、たまに外出も許された
ある日、頭がとても大きい月人が来て
ケイバーの英語をマネしはじめて
1度に100以上の単語を覚えてしまう
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翌日、絵描きを連れてきて英語の勉強はさらにはかどり
驚くほど早く英語で話し合うことができるようになった
(月まで行っても英語なのか
月人は生まれるとすぐ地位、職業が決められ
訓練、教育、手術(!)により
体の要らない部分は削り取られる(独裁国家?
労働者、学者をおさめる「階級」があり
政治は貴族がやる(これはヒト社会の投影だな
フイウーは行政官の1人
次に偉いのは学者、3番目は博学者 チバッフは博学者の1人
一番上に月の大王がいる
フイウーはケイバーを月の都のあちこちに案内した
女性ばかり住む洞窟もある
産まれた子はすぐ母から女性監督官のもとに移されて育てられる
キノコのそばで倒れている月人がいて
フイウー:
あの人、今、仕事がありません
クスリ飲んで眠らせています
仕事ある時起こします
ケイバーはのんきで自由な地球が恋しくなる
●月の宮殿へ
月の大王がケイバーに会いたいと言い、宮殿に行く
ぼろぼろのシャツ、ヒゲだらけの顔ではいけないと思い
敷いていた毛布をローマ風に巻きつけるケイバー
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見上げる段の上に大王の玉座がある
直径4、5mもある頭は自分では支えきれず従者が支えている
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小さな目は美しく輝き、威厳とやさしさに満ちている
フイウーらは膝を折って座り
ケイバーはトルコ風に足を組んで座る
(ここでもプライドが高いんだな
大王:
わしは君を歓迎する
よければ君の世界の様と、ここに来たわけを知りたい
●大王との会見
地球は空気、海などが外側にあり
人間は地表に住んでいることや
太陽光があたっても色眼鏡は必要ないと聞いて驚く
家や建物の話では、なぜ洞窟を造らないのかさっぱり理解できない
ケイバー:
人間はたくさんの国に分かれ、それぞれ違った言葉を話す
それぞれに王がいるが、人々を可愛がらず贅沢ばかりしていたので
それぞれの国でいく人かでおさめている
大王:
人間は地球の富のほとんどに手をつけていないのに
食糧や着るものなどを奪い合い、殺し合うのか
戦争とやらをもっと詳しく話してくれ
ケイバー:
みんな戦争など嫌いだけれども
人間が多過ぎるため、しなくてはならないのです
(宇宙人が侵略してくると怯えるのは
これまでヒトがそうした愚行を繰り返してきた投影だ
ケイバーの通信はここで終わっている
機械が壊れたのか、電波に異常が起きたのか
ケイバーはケイバーリットの作り方を教えたいとは思わなかったのか
ユリウス:月人は地球人を警戒しはじめたんだよ
■「月世界たんけん」について
元の本は、これの3倍もある長編なので
難しいところは省いたが、話の筋は変えていない
今から60年も前に書かれて、ロケットは使わない
空想小説として面白い読み物
空想と科学は相容れないものと思われていますが
空想がなければ、科学は進歩しないとさえ考えられる
ウェルズの父は商人
父が亡くなり、母はよその家の女中として働き
12歳のウェルズは町の薬屋の店員に住み込むことになった
クスリを買うと詳しい注意書きがあり
それを書いたのは店主ではなく、12歳のウェルズ
小さい時からよく本を読んで勉強し
正しい知識をみんなに与える態度は一生変わらなかった
苦学をしてロンドン大学で自然科学を学び
卒業して30年にわたり学んだ知識を元に
今までにない小説を書き始めた
それが科学空想小説で、すぐに大評判になった
1946年に80歳で亡くなり
生前100冊も本を書いた
沢田重隆/装幀
小松崎茂/カバー絵・口絵
高荷義之/挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
ジュブナイルは、難しく長い小説をサクッと3時間程で読めてしまうのが魅力
短くしても、作品のストーリーは変えず
エッセンスを面白ろおかしくドキドキワクワクしながら読める
きっと元の物語は所々ホラーに近いような描写だったのではないか
ホラー、サスペンス好きな私は最近グロい描写はムリだから
これくらいがちょうどいいv
私の好きなヴェルヌが細部にわたって徹底的に科学的であるのに対して
ウェルズの月世界への乗り物は球体でとてもシンプル!
月の動植物など、今の常識として知られている情報と食い違う部分も多いけれども
火山の火口に見えるところから地底世界につながっているとか
“月人”がグレイのような姿形をしている描写などは
個人の空想だけで描いたとは思えないほど
都市伝説でよく出てくるテスラと同時代の人だったろうか?
月人から見たら、たとえ学者や子どもであっても戦闘的で
地球人がどれほど無意味な戦争ばかり繰り返しているか
理解できないというくだりは道徳的
小松原茂さんによるイラスト
さし絵もリアルで素晴らしい
図書館で借りたこのシリーズは、どれもカバーがないのが残念
最初にテープで補強するのが大事だと改めて分かる
カーリルで調べると、私が読みたいと思っているジュブナイルは
ほとんど府中図書館にあり、ホームページを調べたところ
府中市とその近辺での相互貸し出しはあっても
23区への貸し出しはないと思ったら、手元に届いてとても嬉しい
以前、司書の方に聞いた時は
同じ図書館でも本があまり古いと館内でしか読めないものもあるということだった
「名作冒険全集」
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「学習なぜなぜ理科」
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【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意
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■この本について 白木茂
宇宙旅行はもう夢ではなくなりました
何年かすると、人間は月へ行かれるにきまっています(月面着陸の前か?!
月に着いて、小さい地球を眺めたら
争っているのがバカらしくなり
本当に平和を愛する人間になるに違いありません
●おそろしい竜巻
イギリスのケント州のリンプネ村に住むベッド少年は
村はずれの丘の上に住む50歳くらいの独り者ケイバー氏を尊敬している
数年前、大きな軽気球に乗り、村人は「発明きちがい」と呼んでいる
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ある日、竜巻が起こり、辺りの木がひっくり返り、屋根も吹き飛ぶ
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ケイバーは「大成功だ」と言うが、自宅も吹き飛んだため
ベッドの家で体を洗い、母の料理を食べて行く
ケイバーはベッドを誰も行ったことのない所に連れて行くと約束する

●ケイバーリットの力
半年後に訪ねると、半円形の鉄の乗り物が完成している
周りはたくさんの鎧戸がついている
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自分の名をとり、ケイバーリットと名付けた
人が中に入り、地球から飛び出すのだと言う
ニュートンの万有引力の法則を例に出して説明する
特別の合金で中に引力を通さない
空気にも重さがあるが、ケイバーリットの上だけ空気を取り除く
台風の原理と同じ
ケイバー:まずは月に行こうか
父母の許しを得てからと言われたが
止められると思い話さないベッド
●しゅっぱつ
毛皮のついた防寒服、酸素ボンベ、缶詰、水、ワインなどを詰めて
中では退屈だろうからとシェイクスピアの本を持たせる
あっという間に地球を飛び立つ
(早っ! ヴェルヌがどれだけ苦労して科学の論理を書いたか
そこは難解で削ったのか?
小さな電灯をつけると、荷物も自分たちも上下左右に浮かんでいて驚くベッド
外は真っ暗だが、空気がない分、ダイヤモンドより輝く星が見える
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●宇宙の旅
月の引力に引き寄せられ、薄桃色の地球が見える(青くないの?
地球から見た月は死火山などばかりだが
ごつごつした山、底しれない谷が見える
2人はケイバーリットの中でスローモーションのように動く
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●月世界の朝
月は重力が地球の1/6のため、地表に衝突してもなんとか無事
14日夜が続くと、14日昼が続く
夜には零下273度の寒さになるになるため電熱器で温める
古い噴火口の中に着いたと分かる
太陽が当たると水蒸気が七色に吹き上がる
炎が見えるほど近い設定
ケイバーリットは激しく回り、ベッドは2度目の失神をしてしまう
●植物の林
外を見ると、植物がものすごい勢いで生い茂り
みるみる林になる
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●まいごになって
外に酸素があるか確かめるため、紙屑に火をつけて
小さな穴から出すと燃え上がったため喜ぶ
(穴がある時点でダメじゃない?w
クスリを飲んで(何のクスリ???)、ヘルメットをかぶり外に出ると
空気が薄くて、息をしても吸い足らない感じ(パニ障にはムリだな/汗
体重も1/6になり、1歩がとんでもないジャンプになる
しばらく歩く練習をするとだいぶ慣れる
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夢中になってケイバーリットを見失う
植物はベッドより伸びて、ケイバーリットが隠れてしまった
足元からブォーンという音が鳴り響いている
●人かけものか
大きな鉄の扉を開けるような音がする
ミョーッという獣の声がする
(可笑しくて「ミョー!」て何度も繰り返しマネしてみたww
60mほどある月牛が草を食べている
(重力が軽いせいで体が巨大化したというわけか
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月牛を追う150cmほどの弱弱しい人間も見える
皮の着物を着て、兜、色眼鏡をつけている
●毒キノコ
直径180mほどの丸い広場に出る
2人はこの動くフタの上を夢中で走る
(この辺の描写は要約されてよく分からないが月人の建造物の上ってこと?
底にわずかな光がある
“月人”は洞窟内で工事をしていると分かる
サンゴのお化けのような植物が赤い肉に見えて
毒かもしれないと注意する前に食べてしまうベッド
ひどい空腹のケイバーも食べると素晴らしく美味しいが
酔っぱらってフラフラになる
そこに月人がやって来る
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●とらわれの身
気づくと2人は手足、胴まで鎖で縛られて地下室に閉じ込められている
パタパタとカワイイ足音がして月人が入って来る
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兜や着物をつけていないため、細い体だと分かる
鼻のないお面のような顔、ふくらんだ目が両脇についている
月人も今まで見たことのない地球人を見て驚いている様子
ケイバー:
ここは相当の地下だ
月にはたくさんの穴が開いていることは分かっている
言葉が分からなくても、考えが通じたらなあ
月人の手は親指だけであとは平ら
片手だけ手錠を外してくれた時、手に触れ、とても冷たい
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月牛の肉と思われるものを出されて貪り食う2人
月の食べ物はすべてとても美味しいと分かる
人間が珍しく、月人は喋りながら、体を撫でたりする(w
広場にいるたくさんの月人の真似をして
首をフラフラ振ると、彼らも振り
ピーピーと互いに議論を始めた
中から背の低い太った月人が出てきて
立って歩くよう動きで導く
番人は手に金棒を持っている
●すすんだ機械
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広場は機械だらけで、洞窟を照らす光は青い液体
すっかり夢中になったケイバーは話しかけるが
急かすように棒の先でお尻をつついたため10mも飛び上がる
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それを見て、ベッドは怒り、手錠を外そうと試みる
ベッド:たぶん殺されるのでは
ケイバー:
殺すならとっくにそうしてる
奴らはもっと利口な奴のところに連れて行くんだと思う
月の中心はおそらく海だ
そこに大都市があり、文化人が集まっている
面白い世界じゃないか
●よわい月人
幅30cmほどしかない板の上を歩くよう言われる2人
その時、ようやく片方の手錠が外れるベッド
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また急かされて棒で突かれたために頭に血がのぼり
棒を持つ月人の頭を殴るとクリームを殴ったように
10mも吹き飛びぐしゃりと落ちてきた
(可哀想に・・・ なんて血の気の多いこと 食べ物をくれた親切を忘れて
ベッドは月人に飛びかかり、ケイバーの鎖も引きちぎる
ベッド:さあ逃げましょう
(おとなしくしてたら、平和な話し合いが出来そうな雰囲気なのに
会ってすぐに戦争みたいになっちゃう展開は
ヒトの生来の愚かさを見るようで悲しくなる
●おお、日光だ
洞窟の裂け目からかすかな光がさしこみ喜ぶ2人はそこを登る
ケイバー:月へ来りゃ、誰でも登山家だね
広場に出ると、光は巨大キノコの燐光だと分かりガッカリするベッド
また青い光が上から漏れてきて、たくさんの月人が働いている
格子は金属だが、これも簡単に曲がり、覗いて見ると
月牛の肉を切り取る捕鯨船のようで
月牛の死体がずらりと並んでいる
(月人も当然肉食だろうという発想が西洋人らしいな
斧も手錠もすべて金でできていると気づく
●たたかいのあと
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ここでも戦争のようになり、肉屋たちも槍などを投げてくるので
2人は斧で暴れると、突然引き上げて行く
ようやく日光が見えて、最初に落ちた丸い場所に出る(広場ばっかりだな
日光の美しさに感動して2人は抱き合って涙を流す
●ひとりぽっち
もう月時間で10日も経っていて、あたりは秋の終わりのような景色
あと4日ほどでケイバーリットを見つけないと、凍え死んでしまう
ベッド:地球に帰ったら世界中があっと驚くでしょうね
ケイバー:
秘密にしようと思う
誰でも来られるようになれば、政府や権力者が先を争って来るだろう
そしたら戦争だ 月人と人間の死骸でいっぱいになるのは
つまらないと思わんかね
(以前、開拓者が先住民を虐殺したみたいにね
それまでは離れないように気をつけていたが
別々に探そうと言われて泣きそうになるベッド
高いイバラの上にハンカチを結び
ケイバーリットを見つけたら、ここに戻り合図すると約束して別れる
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ベッドは金の棒を武器代わりに持つ
太陽が低い軌道になり、空気が冷える
●さようなら月世界
懸命に探してようやくケイバーリットを見つけたベッド
ケイバーに知らせるために外に出るとゾッとする寒さ
ハンカチの所に戻ってもケイバーはいない
50mほど下に血のついた手袋が落ちている
メモがあり読むと、膝をヤラれて捕まるのは時間の問題
最初と違う種類の月人がいる、というところで切れている
雪が降り出し、空気がより薄くなって
前のように高く飛びあがれなくなる
恐怖で神さまの名を何度も呼ぶベッド
寒さによる眠りと必死に戦いながらケイバーリットの中に戻り
ボタンを押す
●地球の人たち
ケイバーリットは月世界を飛び立つ
扱い方を知らないため、あちこちの窓を閉めたり開けたりして
ようやく地球が見えてくる(早いってば! 各駅で数個くらいな感覚
海底に落ちて、海面に浮かび上がると外は砂浜で
男の人たちが助けに来て、その服装からイギリスだと分かる(ちょうどよすぎ!
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男性はベッドを難破した船の客と思い込み同情する
ケイバーリットから大きな金の棒を取り出すと驚く
男性:どこから持ってきたんだ?
ベッド:月からです
男性:可哀想に 余程怖い目に遭ったんだな ホテルでゆっくりお休み
と全然信じない
体が重だるく、疲れすぎて眠れない
ホテルに行く途中で利口そうな少年とすれ違い
ロケットが発射するような音がして見ると
少年はケイバーリットに乗って地球を飛び出してしまった
もう一度あれに乗りケイバーを救おうと思っていたのが叶わなくなり
わあわあ泣いてしまうベッド
●月からの通信
数日後、連絡を受けて父母が迎えに来る
男性:
彼はとても怖い目に遭い、うわごとばかり言っている
月人とか毒キノコとか
ベッドは月世界旅行の話をみんなに聞かせたが
誰も本気にせず、頭がおかしくなったと思われる
それから2年ほど経ったある日
オランダのユリウスという学者から手紙が来る
火星から通信を受け取った有名な学者で
受信機でケイバーからの通信を受け取り
ベッドと月に連れて行ったと分かる
ベッドはユリウスの元に行くが
こちらからケイバーに通信する方法はなくてガッカリする
ベッドが今でも果てしない宇宙を漂っていると思い
可哀想なことをしたと言うケイバー
その通信をまとめることにしたベッド
●英語をはなす月人
ケイバーを捕まえた月人は気球に乗せて大きな竪穴に入った
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地球から火口に見えるのはすべて洞窟の入口で
竪穴は横に走るトンネルで連絡している
月人は仕事により姿が違う
必要な部分だけが発達し、その他は退化している
青い光は大きな海にそそぎ、そこが月世界の中心部
海には漁師がいて丸木舟のような舟を操る
(なんて未開人のような扱い・・・
ケイバーは月人の六角形のアパートに運ばれた
監視がついたが、たまに外出も許された
ある日、頭がとても大きい月人が来て
ケイバーの英語をマネしはじめて
1度に100以上の単語を覚えてしまう
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翌日、絵描きを連れてきて英語の勉強はさらにはかどり
驚くほど早く英語で話し合うことができるようになった
(月まで行っても英語なのか
月人は生まれるとすぐ地位、職業が決められ
訓練、教育、手術(!)により
体の要らない部分は削り取られる(独裁国家?
労働者、学者をおさめる「階級」があり
政治は貴族がやる(これはヒト社会の投影だな
フイウーは行政官の1人
次に偉いのは学者、3番目は博学者 チバッフは博学者の1人
一番上に月の大王がいる
フイウーはケイバーを月の都のあちこちに案内した
女性ばかり住む洞窟もある
産まれた子はすぐ母から女性監督官のもとに移されて育てられる
キノコのそばで倒れている月人がいて
フイウー:
あの人、今、仕事がありません
クスリ飲んで眠らせています
仕事ある時起こします
ケイバーはのんきで自由な地球が恋しくなる
●月の宮殿へ
月の大王がケイバーに会いたいと言い、宮殿に行く
ぼろぼろのシャツ、ヒゲだらけの顔ではいけないと思い
敷いていた毛布をローマ風に巻きつけるケイバー
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見上げる段の上に大王の玉座がある
直径4、5mもある頭は自分では支えきれず従者が支えている
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小さな目は美しく輝き、威厳とやさしさに満ちている
フイウーらは膝を折って座り
ケイバーはトルコ風に足を組んで座る
(ここでもプライドが高いんだな
大王:
わしは君を歓迎する
よければ君の世界の様と、ここに来たわけを知りたい
●大王との会見
地球は空気、海などが外側にあり
人間は地表に住んでいることや
太陽光があたっても色眼鏡は必要ないと聞いて驚く
家や建物の話では、なぜ洞窟を造らないのかさっぱり理解できない
ケイバー:
人間はたくさんの国に分かれ、それぞれ違った言葉を話す
それぞれに王がいるが、人々を可愛がらず贅沢ばかりしていたので
それぞれの国でいく人かでおさめている
大王:
人間は地球の富のほとんどに手をつけていないのに
食糧や着るものなどを奪い合い、殺し合うのか
戦争とやらをもっと詳しく話してくれ
ケイバー:
みんな戦争など嫌いだけれども
人間が多過ぎるため、しなくてはならないのです
(宇宙人が侵略してくると怯えるのは
これまでヒトがそうした愚行を繰り返してきた投影だ
ケイバーの通信はここで終わっている
機械が壊れたのか、電波に異常が起きたのか
ケイバーはケイバーリットの作り方を教えたいとは思わなかったのか
ユリウス:月人は地球人を警戒しはじめたんだよ
■「月世界たんけん」について
元の本は、これの3倍もある長編なので
難しいところは省いたが、話の筋は変えていない
今から60年も前に書かれて、ロケットは使わない
空想小説として面白い読み物
空想と科学は相容れないものと思われていますが
空想がなければ、科学は進歩しないとさえ考えられる
ウェルズの父は商人
父が亡くなり、母はよその家の女中として働き
12歳のウェルズは町の薬屋の店員に住み込むことになった
クスリを買うと詳しい注意書きがあり
それを書いたのは店主ではなく、12歳のウェルズ
小さい時からよく本を読んで勉強し
正しい知識をみんなに与える態度は一生変わらなかった
苦学をしてロンドン大学で自然科学を学び
卒業して30年にわたり学んだ知識を元に
今までにない小説を書き始めた
それが科学空想小説で、すぐに大評判になった
1946年に80歳で亡くなり
生前100冊も本を書いた