メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

絵本『だれのものでもない岩鼻の灯台』 山下明生/文 絵本塾出版

2022-04-17 14:01:17 | 
「町田尚子 まとめ」に追加します



2015年初版






山下明生
1937年 東京生まれ 広島県能美島で育つ
京都大学文学部仏文科卒業
児童書編集を経て、幼年童話、長編創作
英仏語の翻訳など幅広く活躍
翻訳絵本に『おばけのバーバパパ』シリーズなどがある
(アニメでしか見たことがないから絵本でも見てみたいな



町田尚子さんのイラスト
どっしりとした可愛い紅白の灯台
空や海も私の好きな油絵具のようなタッチで描かれていて絵筆の動きがわかる

もちろん動物たちも全部かわいい
背景は黒地に色を塗った感じは酒井駒子さんっぽくもある

「よだれかけ」とか「おじさん」とか本当にいる生き物の名前なんだw

レーダーなどの進歩で灯台や灯台守がなくなっているのは初耳
1度も本物の灯台を見たことがない
灯台のモチーフは大好きだからちょっと寂しい

人がいなくなっても、いろんな生き物たちが住みついて
「誰のものでもない」と繰り返される文章は
この地球という星のどこも誰のものでもなく
みんなのものなんだという考え方が奥深い



■あとがき 山下明生
長年ヨットに乗っていたせいで
灯台は僕の友達です
世界中どこに行っても灯台があると挨拶に行きます

けれども地図やレーダーが発達するにつれて
灯台の役割は少なくなりました


灯台さん寂しくないかなと思うようになった時
この話が心に浮かびました



【内容抜粋メモ】
岩鼻というのは岬の先の尖った岩場
そこに古い灯台が建っていましたが
ある日突然お役御免になったのです







灯台守の家族も引っ越してひとりぼっち
夜の海がこんなに真っ暗だと初めて知りました

ちょっとお邪魔してもいいですか
近所のものですが間借りできないかと思いまして
子供が増えたものですから

子供をぞろぞろ引き連れた野良猫一家が2階に住み着く

いいんじゃない
もうここは誰のものでもないんだから








こちら間借りが出来ると聞いたもので

ムササビの家族が3階に住み着いて
随分賑やかになる









近所のイノシシは1階には住み着く
うりぼうがたくさんいる!








梅雨になるとカモメがベランダでひしめく







真夏になるとよだれかけ
トビハゼの親戚が岩場の影に住み着く







今度、親戚のトビハゼを連れてきてもいいですか?

親戚でも誰でも好きなように

おじさんもいいですか?

おじさんもおばさんも好きなように

おじさんという名前の魚なんだw



ホタルイカは満月が眩しすぎるから
灯台の影の海に間借りする
青い光が灯台の形に光ってとっても綺麗










岩肌の燈台は自分の姿を初めて見て見とれる

こうまでなっては
ほんと誰のものだか
分かりはしないな、この私も























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