この本は2013年に「朝日新聞出版」から出た本だ。図書館で見つけて読んでみた。
テーマは、まさに今の高齢社会の課題で、その対策に詳しく答えた本だった。
高齢者の孤独死が時々ニュースになるが、確かに一人暮らしの高齢者が現実では増えている。何とか生活できたとしても、死となると病院や施設での死を想像してしまうのではないだろうか。
ここに登場する「小笠原医師」は、名古屋大学医学部を卒業後、幾つかの病院を勤務した後、2012年度、厚生労働省委託事業の「在宅医療連携拠点事業所」を受託開設して医療活動をされている方だ。
共著者「上野千鶴子」さんは、死を目前にしている高齢者医療の現状と数々の実体験を通した小笠原先生に、本当に自宅で一人でも死ぬ事ができるのかどうかを尋ね、それをこの本にまとめている。
介護保険をどう使うのが良いか、ヘルパーがしてくれること、夜間のトイレはどうするべきか、食事が取れなくなったら、痛みが伴う患者への対処方、患者の不安を解消する方法など、多岐に渡って詳しく書かれていて、私も自分が一人で最後を迎えたとしたら、どう対処するのが良いのかを学ばされた。
「救急車は呼んではいけない」など、なるほどと納得できる事も沢山書いてあった。
親子が離れて暮らしている、子供はいない、今は夫婦で暮らしているが、最後はどちらかが一人になる、身内はいるが、自分の最後を頼みたくないなど、悩みを抱えた多くの中高年と親の傍で暮らしていない若い人達に薦めたい本である。
※ 今年も5ヶ月後には、こんな花がみられるだろうか。