昨年秋、傍に新築住宅が建って、本州から50歳代のご夫婦が引っ越して来た。回覧板の回し先が私の家の次になった。
今年の春以来、回覧板を届けた時に、幾つかの鉢が置いてあり、野菜の「プランター栽培」を始めた事を知った。しかし、どのプランターも車庫の西側に置いてあり、半日陰の場所になっていたので気になった。
ある時、玄関に出て来たご夫妻に、「野菜は光合成をして育つので、鉢を日当たりに置いた方が良いのでは?」と話した。
暫くして家の前を通ると、「トマト」の鉢などが日の当たる場所に移されていた。
またある時、「トマト」の前に夫君がいたので、「トマトには、もう少し大きいプランターの方が良いのでは?」と言って、脇芽が摘まれていなかった少し大きくなった「トマト」の脇芽を実際に私が摘んで、摘み方を見て貰った。
一昨日、回覧板を回す時、丁度、庭で取った「ミニトマト」があったので、半分持参した。
すると、ご夫婦が出て来て、夫君から「この鉢の土は、来年も使えますか?」と聞かれた。私は「培養土の配合肥料は、多分1年で無くなると思いますから、来年の肥料を加える必要があります。」「野菜はそれぞれ根から特有の成分を出したり、土中に悪性の微生物を引き寄せる様なので、連作はしない方が良いでしょう。土を入れ替えるか、他の種類の野菜に植え変えるかすると良いみたいです。」と話した。また、チッソ、リン酸、カリの肥料三要素の内、予め配合されている肥料よりも、リン酸やカルシウムなどを多めに必要とする野菜もある事を話した。
それから、野菜には「アブラナ科」や「ナス科」などのグループがあって、そのグループ同士は「連作」しない方が良いこと、我が家の狭い菜園も場所を4つに分けてあって、毎年、場所をずらしながら植え付けている事を付け加えた。
また、夫君から、車庫の西側に置いてある鉢の「キューリ」を見て欲しいと言われた。見るとビッシリと「アブラ虫」が付いていた。
「これはアブラ虫ですね。農薬を使いたくなければ、薄めた牛乳をスプレーしてみたらいかがですか?やがて呼吸ができなくなる様ですよ。木酢液を使うのも試して見たら?」と言った。
別れ際に、「余計なお節介かも知れませんが、図書館に野菜作りの参考書が沢山あるので、借りてきて見てみるのも良いですよ。」と話した。
帰宅後、その内、我が家に連れて来て、私の家庭菜園を実際に見て貰うのも良いかなと思ったりした。
気がつけば、私はいつの間にか「お節介な高齢者」になっていると自戒した。
昨日、やはり「お節介な人だ」と思われても良いから、野菜作りのイロハを知ってもらいたくて午前中に家を訪ね、「今、暇なら、我が家の菜園を見に来ませんか?」と誘った。
すると、ご夫妻で来てくれた。我が家の菜園では、畝を分けて野菜の植え付けを毎年変えている実際を見て貰った。また、土壌が「根こぶ病」に冒されてしまったので、今は「アブラナ科」でも「根こぶ病」に強い「大根類」だけを植えているのも見て貰った。
その後、すぐ傍の友人から借りている畑にも案内し、秋の「葉野菜」やジャガイモの収穫後に植えた「秋大根」、虫除けネットを張っている「白菜」等を見て貰った。若い人が苗を作って育てている「ズッキーニ」は初めて見るらしく、興味深そうだった。かれこれ案内した時間は50分ほどにもなった。
夫妻は「今まで知らなかったことを、沢山知ることができて良かった。今年は思いつきで植えたが、来年はもっと計画的に取り組みたい。」と言ってくれた。
これで野菜作りを楽しむ仲間がまた増えた訳で、私は嬉しい。
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