霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

植田局長

2012-02-28 20:54:39 | 仲間
釜石時代に懇意にしていた箱崎郵便局の植田局長が奥さま同伴で我が家を訪れたのは
一昨年の秋のことだった。
20年振りの再会となったその翌年に3.11の大震災が発生した。

局舎も自宅も海に近かったので心配し、当方の電話が復旧してから何度か電話をかけて
みたが「呼出音」が返って来るだけだったし、他の郵便局に問い合わせても消息が判明
しなかった。
昨年の再会は「虫の知らせだったのではないか」などと不安が先行してしまった。


箱崎地区は小さな半島にあり道も完全に復旧している訳ではなかった。
古い記憶を辿りながら雪の坂道をスリップしながら車は進んだ。
近づくにつれて「恐ろしい現実がそこに待っているのではないか」という不安で胸が圧迫される
思いがした。

遠くから郵便局のマークが確認できたので、近づいて見たらそれは局舎ではなく大きな「移動
郵便車」だった。

その近くの小さなバラックの中に男性の影が見えた。
「何か情報が掴めるかも」と思って中に入って声をかけたら、植田局長その人だった。
「よくぞご無事で!」と思わず手と手を取り合って喜んだ。



・外海の陰になっているので「津波は来ないもの」と思っていたし、最悪でも小高い場所なので
「大丈夫」と思っていた。
・大きい津波を見て慌てて高い場所に逃げたが、追い付かれ呑み込まれてしまった。幸い何か
に掴まることが出来て辛うじて命を拾った。
・局舎は流され新築したばかりの自宅は一階の天井まで水に浸かってしまった。
・電話回線は未だに寸断されたままで、無線が使える「郵便車」を使って3月1日から営業を再開
する目処がたったばかり。

等々のお話しを伺った。 

かなりの物的被害はあったものの奥様も含めて家族の皆さんが無事だったことを確認でき、まずは
一安心だった。

コメント (3)
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