安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係
今年の新米はカメムシ被害が酷い。
米検査官の情報によるとカメムシ防除を二度行い、色彩選別機を二度通してようやく検査を
クリア出来た生産者もあったという。
農薬散布は「田植え直後の除草剤のみ」とする我が家では、雑草や倒伏の影響もあって例年以上に
カメムシ被害が甚大で、色彩選別機を二度通しても完全に除去することは困難な状況にある。
斑点米が僅かに残ったとしても味に影響する訳ではないが、今のご時世は「斑点米が限りなくゼロに
近いコメ」が流通していて消費者も「それが当たり前」と思って食べている。
「斑点米ゼロ」は農薬を売らんがための「農協や農薬会社の陰謀ではないか」とへそ曲がり百姓は
勘ぐっているが、斑点米の僅かな混在で苦情に繋がる可能性も皆無ではない。
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そのリスクを回避するため平泉「道の駅」の社長から、「斑点米が混在する場合があることを米袋に
明示すべし」とのアドバイスを受けた。
早速修正したラベルを作り、張り替えることにした。
ラベルには次のように追記した。
「安全のためカメムシ防除もしていません。
斑点米が混じっている場合があります。」
この追記で、農薬不使用米のアピール力が更に増すものと期待している。
産直の売上で生計を維持している立場からすると「Go To トラベル」は若干不安な面も
あるが、期待しつつもある。
昨日の地元紙一面は「”東京追加”各地で活気」と報じていたが、一番賑うはずの日曜は
土曜の半分程度で「通常の土日」とは逆転していた。
今朝「道の駅」で会った市内で小売業を営むAさんは、関東方面よりも地元周辺のお客様が
動き始めた感じ」とコメントしていたが、その言葉が現状を示しているのかもしれない。
それを象徴するかのように他の平日よりも動きのあるはずの「月曜の朝」が「沈黙の朝」
となり、予測大外れの「魔の月曜」となった。
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今は萩の季節。
厳美から平泉に向かう途中の道路脇に咲く萩にいつも癒されている。
地元紙の訃報欄に、市役所に届けられた訃報情報が毎日掲載される。
お世話になった人や知人等で葬儀に参列等の義理を果す上で貴重な情報源とも
なっている。
その地元紙の掲載記事の中で「一番読まれているのが訃報欄」との噂もある。
現に、亡くなったジイチャンは晩年、訃報欄のみを見て他の記事は読まなかった。
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訃報欄には氏名と共に逝去年齢も掲載される。
80歳代後半から90歳代が多いが、時折60歳代や70歳代前半の場合も見受け
られる。
否が応でも刻一刻と平均的逝去年齢に近づきつつあり、いずれ「自分の番となる」を
覚悟せざるを得ない。
ジイチャンも同じような気持ちで訃報欄を眺めていたのかもしれない。
昨日は「稲刈り」の最終日。
残り一枚だけだったので余裕で終える予定だったが、全く予期せぬ停電で一時間も中断する事態に陥った。
コンバンインの動力源は軽油なので停電の影響は受けないが、軽トラから乾燥機に籾を移す際に電気を必要と
した。
「停電で『稲刈り』が出来ない」という異例の経験をする最終日となった。
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今日からモチ米の「米作り」がスタート。
籾摺調製を終えた玄米は電動運搬車を使って倉に運ぶことにした。
従来は軽トラを使っていたが、電動運搬車なら倉の中まで入れるので「人力で持ち運ぶ肉体的負担」の解消を
図った。
バアチャンはアケビが大好物だった。
周辺の里山を探せばいくらでも採れたが、「稲刈りシーズン」と重なることから
その時間的余裕は無かった。
それを知った近所の人から頂戴したこともあった。
エグネの市道脇にも自生していて、それを家族は「バアチャンのアケビ」と呼んでいた。
晩年、要介護5級の認定を受け自力での食事もままならなくなった時でも、散歩をする際に
車椅子を押すヘルパーさんに実を付けたアケビを紹介したという。
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そのアケビの実の一つが口を開いていた。
間も無くバアチャンの月命日がやって来る。
孝行娘は、その日に採って仏壇に供えるつもりでいる。