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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



巨人 2対2 阪神
(2007/8/9 東京ドーム)

久しぶりに、巨人・阪神戦を、東京ドームのレフトスタンドの阪神ファンの真っ只中で見た。6回裏、2対1とリードした巨人の攻撃のときに席に着き、7回表には、阪神、関本の犠牲フライによる同点シーンを見ることができた。さらに、阪神の追加点を期待したが、そうは問屋がおろさない。しかし、そこからのみごたえある投手戦は、阪神の勝利を見るよりも価値があった。

巨人は、先発の高橋尚成から、西村健太朗、上原幸治、豊田清とつなぐ。対する阪神も、先発、エステバン・ジャンからジェフ・ウィリアムス、久保田智之、藤川球児とリレー。この豪華な投手リレーによって、両チームの打線は沈黙。結局、7回裏から延長12回まで、スコアボードに0が並び、2対2の引き分けで終わった。

登場した投手のなかでは、やはり阪神の藤川のボールが一番迫力があった。ストレートは常に140kmの後半で、キャッチャーミットにおさまったときの、パシーン!という、ちょっとカン高い音が、レフトスタンドまでしっかりと聞こえた。

「さすがに、プロの投手はちがうな」と満足して帰宅し、テレビのスポーツニュースを見ていたら、高校生が150kmを超える速球を投げていた。

8月8日から始まっている夏の甲子園で、仙台育英の佐藤由規投手が、智弁和歌山を相手に、154kmの速球を投げていた。しかも、ただ速いだけでなかった。150km超のストレートが、右バッターの外角低めにきっちりコントロールされていた。それは、生で見てきた藤川のボールよりも迫力があったように見えた。

思わず、甲子園と東京ドームの試合を重ね合わせて考えた。果たして、この日見たプロ投手の誰よりも速かった佐藤のストレートが、プロの打者を討ちとることができるのだろうか。速いボールを投げることができる投手は魅力的であるが、速いボールを投げられる投手が必ずしも勝てないところも野球の魅力だと思いながら。


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