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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



ラグビー日本代表 69対10 アジア・バーバリアンズ
(2007/8/10 秩父宮ラグビー場)

1カ月後にフランスで開幕するラグビーワールドカップ2007に出場する、ラグビー日本代表の壮行試合が、34年ぶりにナイター照明が復活した秩父宮ラグビーでおこなわれた。

真夏の蒸し暑い夜の壮行試合。日本代表には、混成チームであるアジア・バーバリアンズに快勝してもらって、すっきりとフランスに送り出したかったが、そうはいかなかった。

アジア・バーバリアンズは、坂田正彰、伊藤剛臣、村田瓦、廣瀬桂司、元木由記雄ら、日本代表OBを中心に、韓国、中国、香港、カザフスタン、中華台北の選手たちからなる。ネームバリューはあるが、高齢で混成部隊だけあって、体力的にきつく、組織としてまとまっていない。当然のことながら、日本代表とはかなり差があるチームである。そして、日本代表にとっては、ワールドカップという本番を控えた試合であり、ケガをさせてはならない、ぬるい展開にならざるをえない試合だった。

それでも秩父宮ラグビー場に駆けつけたファンは、日本代表OBたちの匠の技を楽しみ、日本代表の可能性を感じたかったはずだ。

先制は、日本代表。SH矢富からボールを受けたSO小野が、キックで大きく右に展開。それを、ケガから復帰したWTB大畑がキャッチし、右中間にトライ。華麗な展開と大畑の復活にスタンドが沸いた。

バーバリアンズの最初の得点は、SO廣瀬桂司のペナルティゴール。反則があった瞬間に、スタンドからは「廣瀬、狙え!」という声が飛び、イージーではあったが、廣瀬がきちんとこたえてくれた。

しかし、試合が盛り上がりそうだったのは、ここまで。さらに好プレーが続くことを期待していたが、すぐに走れなくなり、日本代表に対してプレッシャーをかけられなくなったバーバリアンズ。それに対して、日本代表は、まさかの「ノックオン祭り」。どフリーの状態で、フルバックの有賀剛は何度ファンブルしただろうか。スタンドのため息が、後半には、嘲笑に変わっていった。

大勝はしたが、日本代表のワールドカップでの活躍(あえて「勝利」といわない)が難しいことを予感させる内容だった。

ぼくの何列か前では、サントリー・サンゴリアスの面々が、サントリー・モルツを飲み、チームメイトに声援を送りながら、試合を楽しんでいた。ワールドカップを思い、気が沈みつつあったぼくは、無邪気なサンゴリアスの連中がうらやましくてならなかった。


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