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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



FIFA Club World Cup Japan 2008
準決勝:マンチェスター・ユナイテッド 5対3 ガンバ大阪
2008/12/18 横浜国際総合競技場

マンチェスター・ユナイテッドとガンバ大阪によるトヨタカップ準決勝第2試合は、後半29分にウェイン・ルーニーが交代出場してから、ロスタイムを含む19分間に6ゴールが生まれた。

この試合を評するならば、「ルーニー前は凡戦、ルーニー後は乱戦」。

後半29分までの凡戦の部は、相手をリスペクトしすぎていたG大阪対相手をなめきっていたマンチェスターという図式だった。

序盤には、らしいパス回しから何度かチャンスをつくったG大阪だったが、シュートをみなふかしてしまい、枠内へ運ぶことができなかった。唯一、枠内に飛んだ幡戸のシュートは、GKファン・デル・サールの正面だった。これがマンチェスターの見えないプレッシャーなのか。

対するマンチェスターは、トップのテベスだけが広範囲に動き回っていただけで、ボールは動かすが、選手は走らず。前半の2得点は、いずれもCKからのボールをヘディングで決めたもの。それも駆け引きのない、体格やジャンプ力の違いだけで決めたものだった。

乱戦になったのは、ルーニーのせいなのか。

ルーニーが登場して、場内がざわめいている間に、G大阪が1点を返す。そして、その直後、ルーニーが最初のタッチで追加点を決め、再び突き放す。そこから、両チームあわせて怒涛の4ゴール。ルーニーが入ったことで、マンチェスターは積極的に攻撃を仕掛けるようになり、それがすぐに得点に結びついた。後がないG大阪の開き直りが、ロスタイムの橋本の豪快なゴールを生んだ。

打ち合いといえば聞こえがいいが、両チームとも最後は組織もなにもあったものではなかった。派手なだけで、見るべきところはなかった。

それにしても、このクラブワールドカップは不思議な大会だ。一つの大会で、参加チームにこれだけ大きな力の差があるのも、また試合のレベルに大きな差があるのも、非常に珍しい。

そう考えると、30年前、南米代表と欧州代表が1発勝負で世界一を決めればいいと考えた、トヨタカップの生みの親の目は正しかったと言える。そして、それは今でも通じる考え方でもあるようだ。



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