1-0で勝利!
前節、敗色が極めて濃厚であったなかで踏ん張り、分けて勝ち点1をもぎ取ったカターレ。
とはいえ、その頑張りが単発のその場しのぎとなり、次節、つまり今節・第5節に活かされねば、その意味も半減どころではなかったでしょうが。
アウェイでFC大阪との初対戦となった今節。連続ゴールとしてはクラブ新記録となるシルバの4試合連続ゴールが決まると。守っても、GK田川を中心に最後までゴールを守りきる気迫のディフェンス。見事に今季初の無失点。
決して楽な試合などではなく、反省点も少なくはないですが、それでも。
勝ちきって結果を残した意義は、大きいです。
天気は快晴、ちょうど桜が見ごろとなった東大阪市は花園ラグビー場。気温22.7℃という記録ですが、それ以上の暑さすら感じるなかでの試合となりました。
2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップに合わせて改修され、きれいに整備されたスタジアム。
その割には、ピッチ上に水を撒く散水栓が設置されておらず、ホースを使って撒いているな?と見ていましたが。
よくよく考えたら。ラグビーでは、芝生の上でのボールの転がり具合とか意識しないもんな。むしろ、フィールドで転がっているのは選手のほうだ、と。
そのあたりでも、他のサッカー専用スタジアムとは一味違う、“ラグビー場”なのだな、と意識させられました。
前節とは攻撃的ポジションの選手を入れ替えたスタメンとなった今節。
なかでもいちばん大きなトピックは、ここまで途中出場から3試合連続ゴールを挙げてきたシルバがスタメンに名を連ねることとなったことでしょうか。
前節、そのシルバとともに起死回生の同点ゴールを決めた高橋の名も。吉平と合わせて、これまで見られなかった組み合わせの布陣となりました。
そして、控えメンバーにも変化が。
今季ここまで出場のなかった大野がメンバー入り。期限付き移籍を延長した柴田、大卒ルーキーの伊藤という若い選手たちも。
花園ラグビー場という初めてのスタジアムでの、初めてのFC大阪戦。
4月1日という日付にしては暑い、そして深刻とまでは言えないながらも風の影響があるピッチコンディションのなか、キックオフ前に陣地変更を行いつつ、試合が開始されました。
第2節の宮崎戦で勝利し、待望のJ初勝利を挙げたFC大阪だったものの。
ホーム開幕戦であった岩手戦で0-3負けを喫するなど、ここまで1勝3敗と出遅れているなかで。
まずはホーム初得点、そしてホーム初勝利---その気概が、プレーにも表れているようでした。
前からのプレスで圧力をかけてくるFC大阪。受けに回る展開をしのぐかたちとなったカターレ。
水が撒かれた影響で滑るピッチ、傍目に見てもボールの弾みかたが他のスタジアムと違うように感じるのは、やはりラグビー場だからか?というように。カターレ選手たちも、アウェイの環境にアジャストしつつの我慢の展開は、なかなか難儀しているようでした。
実際、崩されてシュートを撃たれ、あわや!という場面もありましたが。
前半だけでも6本、枠内4本というFC大阪の攻勢を受けつつも、それをしのいだ、田川の頑張り。もしも判断に迷ってプレーが一瞬でも遅れていたらやられていた、という場面も。そのあたり、危機感を持って冷静にプレーすることが出来ていたと思います。
今シーズン初めて0-0で折り返すこととなり、迎えた後半開始。
2試合連続で開始早々に失点した苦い経験があったなかで、今節もまた、開始から3分くらいに大外からのクロスを中央で合わせられてシュート、という場面がありましたが。そこでも、しっかりとセーブしたボールを足元に落とし、慌てることなく対処した田川。落ち着いていました。
それだけでなく、直後に吉平がゴール横をかすめるシュートを放つなど、攻めの姿勢も忘れず。
なかなか思い通りにいかない展開にあっても、それでも。
焦ってプレーが雑になっては本末転倒というもの。そのあたり、各選手ともしっかりとわきまえていたようで。
68分。松岡の積極的な攻勢が相手のファウルを誘い、FKのチャンス。
キッカーの末木がニアに上げたボールに飛び込み、頭で合わせにいったのはシルバ!
まさにドンピシャのタイミングですらしたボールがゴールに吸い込まれ、先制!
前半のうちから積極的にボールに絡んでいき、攻守ともにアグレッシブな動きを見せていたシルバ。相手も警戒はしていたでしょうが、それでもなお、決定的な仕事をやってのけました。
PKでの1ゴールを含みつつも、クラブ新記録となる4試合連続ゴール。
開幕5試合目にして4試合連続、ここまで4得点は、リーグトップ。途中出場が多かったなかで、90分平均換算で1.9点というのは、驚異というほかありません。
先制に成功し、勝利への道筋をつけたカターレ。
前半と比べて、やや勢いの落ちた感のあったFC大阪ではあったものの、それでも油断は禁物。
勝利を確たるものにすべく追加点を狙っていくことも重要でしたが、同じくらい重要であったのが、それに気を取られて守備が綻びを見せてしまうことがあってはならないということ。
勝つのはもちろんとして、いかに無失点に抑えて勝つか。
ここまで4試合すべてで失点、計8失点は多すぎ。0点に抑えきって勝つことが今後につながる自信となっていくならば、狙わない理由がありません。
77分に柴田、椎名、大野の一挙3枚代えで攻勢を緩めない意思を示しつつ。
85分には、古巣対戦に奮闘していた大山に代わり、守備固めとして今瀬を投入。引き締めを図り。
チーム一丸となり、勝利へと邁進していったカターレ。
そして、タイムアップ。
見事に無失点でしのぎ切り、アウェイの地で価値ある勝ち点3を得たのでした。
試合後、元カターレの舘野がゴール裏に挨拶に来てくれました。
カターレ在籍時、そして東京Vの選手として対戦した当時から時を経て。試合中のプレーからも伝わってきたことですが、FC大阪の中心選手としての風格のようなものが漂っていたのが印象的でした。
次回、ホームでの対戦は9月17日の第27節となりますが。
リベンジを期して乗り込んでくるFC大阪、そして舘野には、しっかりと気を引き締めて迎え撃たねばーーーそう感じたひとときでした。
シーズン3勝目を挙げ、勝ち点を10に伸ばしたカターレ。土曜の時点では暫定首位に。
日曜の試合で、首位だった松本、2位だった今治がそれぞれドローとなって勝ち点1止まりであったのは、勝たねば順位で再逆転できないというプレッシャーがあったから・・・と考えてしまうのは、贔屓目が過ぎるでしょうか。
5節終了時点では、岩手に得失点差で上回られて2位となったカターレ。同じく勝ち点10の3位・讃岐と、3チームが並ぶこととなりました。
序盤も序盤という現時点での順位に一喜一憂すべきではないとも言われますが、それでも。
状況的なもので言えば、北九州戦でドロー、長野戦で敗戦、FC大阪戦でスコアレスドロー、3試合で合計勝ち点2止まりーーーそんな展開も、有り得たなかで。
もしそうなっていれば、今頃15位とかそのあたりをうろうろしていたかもしれません。
決して満点ではなく、改善すべき要素も少なくないなかであることは承知ですが、それでも。
下位のFC大阪が相手だったから勝てた?
それこそ、序盤も序盤で意味のない比較。油断して、気の乗らない状態で勝てる相手などでは無かったのだから。
勝利への意志を力に変えていたからこそ。勝ち点2程度であったところを、勝ち点7まで引き上げた。そして、上位争いに食い込んでいった。
序盤だからこそ。この時期だからこそ。
上位争いを、あたりまえのこととせねばならないのです。
その意味でも、今節の勝利は大きな意味があったかと。
もちろん、次に狙うは連勝、連続無失点です。
勝ってさらに勝ち点を積み上げていくべく。次のホーム宮崎戦に向けて。
勝って兜の緒を締めよ。
気合を入れなおして臨まねば。