行く末遠ければ

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地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

8試合ぶり勝利でホーム最終戦を飾る。3位確定でプレーオフへ ヴァンラーレ八戸戦

2024-11-18 18:23:03 | カターレ富山
3-1で勝利!
7戦連続勝ちなしというもどかしい状況が続いていたカターレですが、ついにその足踏みに終止符。前回対戦で敗れた八戸に借りを返す勝利でもって、勝ち点3を積み上げ。
自動昇格枠が埋まったことで、プレーオフ枠での昇格が必須となるなかで。
3位を確定させ、プレーオフ進出ならびにホームアドバンテージを得ることに成功したのでした。

前日の他会場の試合結果により、4位松本山雅・5位FC大阪がそれぞれ勝利したことで、プレーオフ進出ラインが上がり。それによって、3位であるカターレの6位以内・プレーオフ進出が確定しました。
ただ、それでも。
試合前の時点で、4位・5位との暫定勝ち点差は1。今節・八戸戦の結果、敗戦はもちろんとして、引き分けて勝ち点1であったとしても、最終順位の確定を次節の最終戦に持ち越すこととなるところでした。
それを回避し、今節で3位を確定させるには、勝利あるのみ。
同じプレーオフ進出クラブであっても、順位によるアドバンテージは、天と地ほども違います。
上位クラブはホームで戦える上に、引き分けても勝ち上がり。それが3位ともなれば、2戦連続でその恩恵を享受できることに。
そのためにも、プレーオフ進出したから良しではなく、3位が狙える状況を手放すことは、あってはならず。
勝てば自力でその座を掴めるカターレにあっては。今節勝ちきることでまずは3位を確定することが、なによりも求められました。

午前のうちは晴れ間も見えていた富山県総合運動公園陸上競技場ですが、次第に上空を雲が覆い。選手バス到着くらいの時間帯から降り始めた雨は、試合開始頃には、ハッキリと雨天というコンディションとなったのでした。
スタメン発表を見て、まず驚いたのが・・・前節の終了間際に起死回生同点ゴールを
挙げた吉平が、メンバー外。後から知ったところによると、体調不良であったとか。
今節の重要性については、言を俟たないなかで。本人の実力やチームの戦術以外の部分で出場メンバーを外れてしまった無念は、いかばかりか。
キャプテンとして、人一倍チームを想う気持ちにあふれていた吉平だけに。
ならば。
勝って3位を確定してみせることこそが、なによりも彼の無念を軽くすることに違いなかろうと。
前節2シーズンぶりの得点を挙げた神山が控えに回り、右SBには西矢を起用。前線では伊藤に代わって布施谷がスタメンに。
そして、マテウスが5試合ぶりとなるスタメン起用。最前線でショウセイとコンビを組むこととなりました。

ここ最近は6戦連続負けなしと、好調ぶりを見せる八戸。他クラブの動向次第という要素は大きいにせよ、それでも今節と次節との連勝でプレーオフ圏内入りを狙えるとあっては。
カターレの先代監督でもある八戸の指揮官・石﨑監督の百戦錬磨ぶりは、誰もが認めるなかで。百戦錬磨どころか、今シーズンにはJ通算800試合指揮を達成したというから、何をかいわんやというところ。
その石﨑監督が選んだスタメンには、J3のなんたるかを熟知するメンバーが揃うなかで。両WBには、元カターレの音泉と安藤が。
前回対戦でゴールを決められたオリオラ サンデーこそ大宮に移籍して不在ではあるものの。ここまで7ゴールを挙げてチームを引っ張るFW佐々木 快の活躍など、ゆめゆめ油断するわけにはいかない、と。
今節がホーム最終戦となりますが、ここまでシーズンダブルでやられっぱなしになったクラブはひとつもないカターレ。シーズン前半戦で敗れた4クラブのうち、琉球・松本・沼津にはホームでリベンジを果たしてきたなかで。
ここで、八戸にしてやられるわけにはいかない。
リベンジの志を胸に、キックオフのときを迎えました。

降り続く雨のなか、滑りやすくなっているピッチ状態、転がりにくいボールへの対処など、ならではの難しさにアジャストしていかねばならないなかで。
その対応力という点で、ホームクラブであるという点を差し引いても、明らかにカターレのほうが勝っていました。
前半からアグレッシブに相手を攻め立て、好機を演出していくカターレ。雨という状況をものともしない、なんなら味方につけているのか?というくらいに。
なかでも出色であったのが、スタメン起用に応えるマテウスのキレ。
前節のあとに行われた金沢とのトレーニングマッチでゴールを挙げるなど、好調ぶりをアピール。そこから満を持してのスタメン起用であったようですが。
鋭い寄せと、体さばき。足元のテクニックの多彩さなど、持ち味を存分に発揮し、相手に脅威を与えていました。
主導権はカターレ、というなかで迎えた26分でした。
右サイドでボールを受けた松岡が、自分でも仕掛けるぞ、というそぶりを見せつつ追い越していった西矢に絶妙なパス。それを受けた西矢がゴールライン付近からクロスを上げると。
相手としてはショウセイへの対応を意識せざるを得ないところ、ジャンプ一番ヘッドで合わせたのは、安光!
流れるような連携から見事な先制ゴール。いい時間帯に得点し、まずは勝利への道筋をつけることが出来たのでした。
それにしても、安光。
やはりアウェイで敗れた借りを返すべく挑んだ、ホーム松本山雅戦、沼津戦、そして今回の八戸戦。
そのリベンジマッチでいずれも前半に先制ゴールを挙げ、チームを勢いづけてみせたとなれば・・・その勝負強さというものは、恐るべし。
ルーキーイヤーであった一昨年、石﨑監督体制の下では、なかなか出場機会の無かった彼ですが。
昨シーズン、左SBの定位置を掴み、ほぼすべての試合に出場するなどブレイク。
そして今シーズン。チーム主力としての活躍はもとより、DFでありながらこれで6ゴール目だというのだから。
いまや、押しも押されぬカターレの中心選手に成長した安光の姿は、石﨑監督にはどのように映ったことでしょうか?

欲を言えば、押せ押せであった前半のうちにもう1点でも2点でも追加したかったところでした。
ハーフタイムを挟めば、当然のごとく八戸も対策を練って対応してくることでしょうし。
もちろん、カターレとしても、それは織り込み済み。
後半開始早々にビッグチャンス。
松岡のシュートが枠内を捉えたかに見えましたが・・・惜しくもゴールならず。
ただ、その直後でした。
49分、CKの流れから、西矢が抑えの効いた地を這うようなミドルシュートを放つと。
ゴール前の混戦のなかにいたマテウスが、足を伸ばしてコースを変えるかたちとなり、そのボールがゴールへ!
後半開始早々、相手の反撃の意志をくじくような追加点。起用に見事に応えるかたちでの、マテウスの今シーズン2点目。いい時間帯、良いかたちでリードを広げることに成功したのでした。

ただ。
プレーオフ進出の可能性をつなげるために、なんとしても勝たねば!という八戸。2点を先行される展開となったものの、そこで萎えることは無く。
むしろ、2点で安心したというわけではないでしょうが、ちょっと攻勢が停滞したカターレから、勢いを奪うかたちで。
61分、このところの6戦連続負けなしという流れの牽引役でもあるFW佐々木 快に決められてしまい、1点を返されることに。
また、失点してしまった。ゼロで抑えきれなかった。
第31節・今治戦でのスコアレスドローを最後に、5試合連続失点中のカターレ。
先の鳥取戦でも、2点を先行しながら逃げ切れず、終了間際に追いつかれてドローという展開もあっただけに。
まさか、追いつかれることで4試合連続2-2ドロー?冗談じゃない!
予断を許さぬ状況ながらも。さりとて、あれこれ迷って後手に回った挙句に追いつかれては元も子もない。
慌てるな、依然として、リードしているのがカターレならば、ペースを明け渡してしまっているわけでもない。
いかに、自分たちの力を信じるか。それに尽きると言えました。

76分に、瀬良に代えて坪川。84分には、3枚替えで古川、神山、松本を同時投入。
土壇場で追いつかれた鳥取戦のこともある。土壇場で追いついた岐阜戦のこともある。
降り続ける雨のなか、大事なのは集中力を切らさないこと。そして、最終盤の「なにか」に備え続けること。
しかして、その「なにか」が起こることに。
89分、相手陣内右サイドからのFKのチャンスで。
キッカー末木の蹴り込んだボールは、ゴール前を固める相手選手とGKの、ちょうどうまい具合のところに。
ディフェンスとしては跳ね返しきれず、GKとしてはキャッチしきれずという、本当に微妙な位置に蹴り込まれたボールは、処理しきれずGKの足に当たってこぼれることに。
そこに詰めていたのが、神山!
前節2シーズンぶりの得点を決めた、その成功体験から。積極的に足を出していこうと心がけていたところ、まさに目論見通りのてんかいで蹴り込んだとのこと。
2シーズンぶりから、2試合連続。
欲しかった追加点は、残り時間も少ないなかで点差を広げる、まさにダメ押し点となりました。
勝利を大きく手繰り寄せたカターレに、隙は無し。
アディショナルタイムもしっかりと集中し、相手にチャンスを与えず。
そして、タイムアップ。
長かった・・・本当に、長かった。
9月のアウェイ金沢戦を最後に遠ざかっていた勝利が、8試合ぶりの勝ち点3が、ついにもたらされたのでした。
八戸にとっては7試合ぶりの黒星。そしてそれは、昇格プレーオフ圏内入りの消滅をも意味していました。
歓喜のカターレと、うつむく八戸とのコントラスト。
残酷なようですが、昇格を狙うということはすなわち、ライバルチームを蹴落としていくということにほかなりません。
要するに、カターレが勝って3位を確定させ、八戸が負けて昇格の夢が断たれた。それが現実です。

今節の結果、前節終了時には八戸を含め9チームが争っていた4枠の昇格圏入りが、一気に収束することに。
カターレが3位を確定させ、松本山雅とFC大阪がプレーオフ進出を決めました。残り1枠は6位の福島と7位の北九州に可能性があるとしながらも・・・次節、福島が撒けて北九州が勝つこと、さらに11も離れた得失点差を埋めねばならないというのだから、現実的ではなく。実質、残り1枠は福島でほぼ確定と。
4、5、6位の順位確定は次節の結果次第ですが、プレーオフ進出クラブは4つ決まったものと見て良い。
そんななかで。
もしも次節カターレが敗れても勝ち点1差があり、逆転されることはない。ゆえに、3位確定。
得失点差に泣いた昨シーズン最終戦以来、1勝に、勝ち点1に、1点にこだわって取り組んできたカターレ。その1の差が、ここでモノを言った格好。
つまりは、前節の執念の同点ゴールが・・・あれが無ければ、今節の3位確定は無かった。
勝ち点3を逃した。けれど、ドローに終わりながらも、1ながらも勝ち点を積み上げたこと。それが、効いたということ。
これまでの努力が、ひとつ報われた形と言えるかもしれません。
7戦連続勝ちなしと苦しんだながらも、それでもあきらめることなく懸命にプレーを続けてきたこと。
その努力というものは、決して無駄ではなかったと。

もちろん、プレーオフ圏内入りを確定させただけで、昇格を成し遂げたわけではありません。この先で敗れ、また昇格失敗という可能性も、決して低くはなく。
それでも。
例年であれば、すでに可能性もなにもなくなってしまっていたところ。
それが、まだある。
容易い状況ではない。けれど、それでも。
それでも、自力で最良条件・3位を確定させたこと。それは誇ってよいところかと。
前回対戦で敗れた借りを返す勝利を挙げてのプレーオフ進出確定は、選手たちにも手応えと自信をもたらしたことでしょう。
そう、プレーオフを勝ち抜くモチベーションを。

次節のシーズン最終戦・大宮戦を経て、ホーム開催のプレーオフへ。
J2復帰、その悲願成就まで、あと3試合。
戦いは終わりません。続いていきます。
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