残り、2つ。
全38試合にわたる2024シーズンJ3リーグが全日程終了。しかし、カターレ富山の戦いは、まだ終わりません。
残り1つのJ2昇格枠をかけて、シーズン3位から6位までの4クラブが争うこととなるJ2昇格プレーオフ。
2014年から続くJ3の歴史のなかで初めて開催される、負けたら終わりの1発勝負によるトーナメント戦。
そのプレーオフに、3位として出場することとなったカターレ。
リーグ最終戦の結果6位となったFC大阪を、ホーム・富山県総合運動公園陸上競技場で迎え撃ちます。
勝ち残らねば、次につながらず即シーズン終了。そんな緊張感も当然ありますが。
それでも、目指すはプレーオフ制覇、その先のJ2昇格にほかなりません。
まずは、この一戦。勝ちきらねば。
3位が確定していたカターレとは違い、4位松本山雅、5位FC大阪、6位福島は第38節時点では順位が確定しておらず。そんななか、4クラブ全てがアウェイ戦として同日同時刻開催となった最終節に臨むことに。
それぞれが順当に勝利すれば順位の入れ替わりもなく確定だったのですが、そう簡単にはいかなかったようで。
ぶっちぎり優勝を決めた大宮に敢然と挑みかかり、見事に勝利したカターレ。3位で臨むプレーオフに弾みをつけることに。
勝ち点1差で6位であった福島だったものの、JFL降格がすでに決まっている最下位・岩手に4得点を挙げて勝利を確実とするなかで。
FC大阪も八戸を相手にリード、沼津にスコアレスで苦戦を強いられる松本山雅が、このままドローなら4位から6位に転落か?という展開も。
そんななか、最終盤。
八戸に意地の同点ゴールを決められたFC大阪がドロー決着。一方の松本山雅は、試合終了間際に元カターレの安永 玲央が値千金の決勝ゴールを決めて劇的勝利。
その結果、5連勝で4位となった松本山雅が準決勝ホーム開催を獲得、福島が5位に順位を上げ、ドローに終わったFC大阪が6位と確定しました。
四者四様の最終戦の結果、プレーオフ準決勝は富山-FC大阪、松本山雅-福島というカードとなりました。
カターレがホーム県総で迎える、準決勝・FC大阪戦。
今シーズン1敗しかしていない、リーグで最もホームで強いカターレのホーム開催。さらには、3位という参加クラブ中最上位のアドバンテージとして、引き分けでも勝ち上がりという。
最強・大宮をも撃破、チームの状態・雰囲気も盤石というカターレと。
首尾よく最終戦で勝てていたならば、最低限5位キープ、松本山雅次第では4位浮上もあり得たなかで。そこで追いつかれてのドローで勝ちきれず、引き分け止まりとなったFC大阪。プレーオフ進出こそ決めていたものの、順位を下げて6位となり。結果、昇格のためには2連勝必須、どちらもアウェイでの勝利で、という条件を付けられることに。
もっと言えば、リーグ戦でもカターレの1勝1分け。昨シーズンも含めて、ここまで富山を相手には1勝も出来ていないFC大阪、というデータも。
それらのデータだけで見れば、カターレの優位は動かない、という見方も出来ましょう。
ですが。
事前の下馬評だけで勝敗までもが決したならば、どんなに楽なことか。
何が起こるかわからないのが、一発勝負の怖さであり。万が一にも負けたら、取り返しがつかない。そのプレッシャーとの戦いでもあります。
もしも、波乱も無しに予想通りの結果にしかならない、ということであれば・・・ルヴァンカップにおいては、昨シーズンJ1王者のヴィッセル神戸にJ3のカターレが勝てるわけなどなかったはず。
それがどうだ。下馬評を覆すジャイアントキリングを成し遂げたじゃないか。
ましてや、今回の相手・FC大阪は実力が伯仲するJ3のライバルクラブであり。さらにはリーグ最少失点を誇る難敵にほかならず。
実際、ホーム戦では2-0で勝利したものの、そのときにはFC大阪の主力選手にして元カターレ・舘野 俊祐がいなかったとか。前回対戦にあたる7月のアウェイ戦では0-0のスコアレスドローに終わり、勝ちきれなかったとか。
決して、楽観はできないし、してはなりません。
負けたら、終わり。
とはいえ、必要以上にプレッシャーの重みを感じて力が発揮できないのでは、本末転倒というもの。
カターレ側にアドバンテージがあることは、揺るがぬ事実。それをいたずらに軽んじる必要は毛頭なく。
簡単な試合ではないでしょう。けれど、必要以上に恐れることなく、これまで積み重ねてきた自分たちのちからを遺憾なく発揮することが大事であって。
それがしっかりできたならば。
引き分けでは敗退、勝つ以外に無いFC大阪のほうが、はるかにハンデを負ってるわけで。
カターレ側がいちばん避けねばならないのが、相手そのものではない部分との戦い。そこで自滅してしまわないためにも。
ルヴァンカップ1stラウンド突破など、これまで挙げてきた実績を踏まえて、自分たちの力を信じること。畏れることなく戦えたならば、きっと道は拓けるはずです。
リーグ最少失点のFC大阪と、3位のカターレ。失点の少ないクラブ同士、1点をめぐる攻防となることがよそうされます。
そんななか、得点を挙げて勝つしか道が無いFC大阪としては、なんとしても得点を挙げるべく挑みかかってくるわけですが。
カターレとしては、それをしっかりと防ぎつつも、相手に好きにさせない強度でもって反転攻勢につなげていかねばならないところ。むしろ、堅守の相手であるからこそ、果敢に得点を狙っていかねば、と。 堅守を突破し、複数得点で相手の心を折ってやるくらいの勢いで。
八戸戦、大宮せんという大事な試合でいずれも先制ゴール、チームを勝利に導いてきた安光。その彼がこのプレーオフでも躍動し、得点を挙げたならば。相手にとっては、厄介どころの話ではないところでしょう。
その安光の2試合連続ゴールをお膳立てしたのが、松岡と西矢の右サイドの連携。
そこで。期待したいのは、西矢。
相手のFC大阪が、舘野とDF美馬 和也という両SBが連携しながら、ときにロングスローも絡めながらガシガシと攻撃参加してくるならば。
それなら、こっちは安光と西矢のSBでガチンコ勝負、と。
いかに、相手の好きにさせないか。
いかに、自分たちの有利に仕向けるか。
両チームのサイドの駆け引き、注目して見ていきたいところです。
そして、田川と神山の奮起にも期待。
自らのプレーがPKにつながり、チームにピンチをもたらしてしまった神山。
せっかくPKを阻止してみせたのに、押し込まれてゴールを許してしまった田川。
当然のように、最強・大宮を相手にも無失点で勝つ!と誓っていたでしょうが、それを果たせず悔しい思いをした最終戦。
また失敗してしまったらどうしよう、などと縮こまってしまうのは絶対に避けねばならないなかで。
失敗を糧とし、いかに昇華していくか。
1点をめぐる攻防となることが予想される中で、不用意な失点は、まさに命取り。
さりとて、縮こまったプレーをしていては、勝てるものも勝てない。
ここが、力の見せどころ。
このところしばらく達成していない、クリーンシート。
無失点に抑えたならば、それは勝ち上がりを意味するーーーだったら、狙わない理由はありません。
リーグナンバーワン堅守というお株を奪うような堅い守りで、チームを盛り立ててほしいです。
昨シーズン、あと少し、ほんの少しまで迫りながら、届かなかったJ2。
今また、あと少しのところまで来ている。
あの悔しさを知るからには。今シーズンは、それを晴らすためにやってきたならば。
ここが、踏ん張りどころ。
3位が6位を下すという「順当勝ち」でもって、必ずや決勝進出を!
今シーズン、どこよりも修羅場をくぐってきたカターレ。
やれるかどうかじゃない、やるんだ。
勝利あるのみ!ホームの思いを力に変えて、必ずや勝利を!!!
勝たれ!!!富山!!!!!