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新生への第一歩。新監督の初陣を勝利で飾り、天皇杯出場決定 富山新庄クラブ戦

2018-05-14 22:40:48 | カターレ富山
5-0で勝利!
前嶋とエドがそれぞれ2得点、さらに才藤がダメ押し点を挙げ、富山新庄クラブを圧倒。就任間もない安達新監督の初陣を勝利で飾り、富山県代表として天皇杯への出場を決めました。

1週間前、低迷を極めるリーグ戦で単独最下位を確たるものとしてしまう情けない敗戦を喫し、失意の底にあったカターレ。そこから監督交代を経て臨むこととなったこの試合。
それでなくとも、就任から僅かに4日目。交代したからと言って、いきなり何もかもが好転するわけはない―――それは、みんな重々承知であったかと。
しかし、それでも。
それでも、なんとかしてくれ。
そんな願いをもって、雨の降るあいにくのコンディションのなか、ファン・サポーターは県総に足を運んだのでした。

今シーズンはこれまで、パラつく程度の雨はあったものの、試合を通じてずっと止むことなく降り続ける、いかにも雨!という試合はありませんでした。
慣れない状況で、慣れない相手との試合。
実力的には格下と言える富山新庄クラブですが、データが少ないぶん、やってみなければわからない、というところもあり。
負けて失うもののないぶん、思い切ったプレーをされることも考えられ、失うものが大きいカターレの側がいかに退けることができるのかが問われました。
普段は普通にできるプレーも、雨の影響を受けてうまくいかないこともあるかもしれない。
リーグ戦とは関係のない試合で、万が一にも負傷、離脱などしてはならない。けれど、そもそも手を抜いても楽に勝てるような強いチームであったなら、J3最下位などという憂き目にも遭わないはずで。
普通にやれば、勝てるだろう試合。だけど・・・。
やはり、『前科』が残した傷は深く。
降り続ける雨の中、神妙な気持ちで試合のときを迎えたのでした。

なにぶん、安達監督にとっては就任から間もないこの試合。けれど、それだけに、出場メンバーが実戦でどれだけできるのかを見極めるための場とも言えたかと。
この試合のスタメンの中で、これまでとのいちばんの変化は、やはりGKでしょう。昨年の開幕戦からずっと公式戦フル出場を果たしてきた永井に代わって、太田が移籍後初出場となりました。
リザーブに回った今瀬に代わって、代がキャプテンマークを巻き、右SBに。中央にルーカス、左に弓崎というDF陣。
ここまで今シーズンフル出場の差波がボランチというのはいいとして、その相棒に、陽次。「テスト的な意味を込めて」ということらしかったものの、陽次のこれまでにない起用方法に、監督交代効果の一端が見て取れた気がしました。
今シーズンここまであまり出場してこなかった佐藤がスタメンに名を連ね、新井、エド、前嶋らと中盤を形成。1トップには才藤が据えられました。
あるいは、ターンオーバーというか、リーグ戦とは別と割り切った起用となることが多々あるカップ戦。
今回は事情が事情ではありますが、それでも。これまでの踏襲ではない、さりとて単なるテストと割り切って、ということでもなく。しっかりと勝つことを見据えた布陣。
改めて、「ああ、新監督になったんだな」と。

リーグ戦とは違い、引き分けのない完全決着制の試合。いかに実力差があったとして、得点を奪えなければ勝てないということは、いつにも増して自明でした。
最近の4連敗のなかで、得点は「オウンゴールか?」という1点のみ。深刻な得点力不足を露呈してしまっていました。
実力差により攻撃の機会が増えることは容易に想定出来るとしても。それでも、得点を挙げないことには勝てないのであって。
いかに相手を抑えていたとしても・・・例えばペナルティーエリア内で相手の蹴ったボールが腕に当たってハンド判定、そこからPKで失点なんてことだって、無いとは限らない。
それでなくとも、今シーズンここまで、先制された試合は「必敗」というカターレ。
無得点のままにいたずらに時間が進む、という事態は、避けねばなりませんでした。
そんななかで。
前半の12分という早い時間帯に先制することに成功。期待の若手のひとり、前嶋が勝利に向けての口火を切ったのでした。
基本的にサイドを上がって中央に折り返すことでゴールを狙う、という方針を踏襲してはいましたが、それでも。
前嶋にしろ、新井にしろ、エドにしろ。
ときに自ら中央に切り込んでいってゴールに迫る、といった、これまでにないパターンでの攻めの姿勢が見て取れました。
すなわち、これまでの枠組みに捉われないという姿勢と、それにのっとったプレーぶり。
監督交代からわずか数日ですが。そういった変化に、「お?」と目を惹かれたファン・サポーターは多かったことでしょう。
36分には再び前嶋。2点目を挙げて一層優位に。
もちろん、実力の劣る相手であったから、という面はあります。「J3だったら、こうはいかなかっただろ」というシーンも、やはり少なからずありました。
それでも。
しっかりと、チャレンジする姿勢。それが見ていてはっきりと感じ取ることができたのは、連敗中にはなかったことだと言い切れます。

そして、後半にはエドが2得点。それぞれ、才藤と陽次の上げたボールをしっかりと決めきってのゴール。
これまでも停滞感漂う攻撃のなかにあっても気を吐いていたエドでしたが、ここで2ゴールと結果を出し。決めきった自信が更なる高みへと挑む原動力となっていくことを願ってやみません。
持ち前のアジリティーと、果敢に挑むメンタルと。さらに自信をプラスしたならば、リーグ戦でのカターレ初ゴールも遠くはないでしょう。
4-0と、ほぼ試合を決定づけたなかにあっても、手を緩めることはなく。
71分、才藤がゴール前に上げられたボールにドンピシャでヘッド、気迫のこもったシュートを叩き込んだのでした。
持ち前の泥臭さ、アグレッシブさが結実したようなゴール。
「よこせ!」と手を挙げて呼び込み、叩きつけるように決める。まだに、これぞFWの仕事ぶりよ!という、胸のすくようなゴールでした。
守っては、しっかりと相手を封じ切って零封勝利。
久方ぶりの公式戦出場となった太田ですが、不断の努力のたまものでしょう、連携もスムーズに、危なげなく守り切り。
そして、観ていたサポーター間で評価の高かったのが、ルーカス。高さ、強さに加えて、労をいとわずに動き回る姿勢が良い、ともっぱらの評判でした。
トライアルとしての意味合いからか、後半に今瀬と交代しましたが。ここでの評価は、リーグ戦の出場メンバー選考にも大きなアピールとなったのではないかと。

終わってみれば、5-0。「やらかす」ことなく、しっかりと勝利して天皇杯へと駒を進めることに成功したのでした。
相手が格下だったこともあり、この試合だけで判断するのは早計ではありますが。
それでも。
各選手がそれぞれ、「変わらなければ!」という意志を示していたように感じ取ることができました。
これまでの自分たちを打ち破らなければ、という思いを、しっかりと結果につなげることが出来たと思います。
まずは、一歩踏み出した。
安達監督のもと、汚名返上を期す戦いへと臨むこととなるカターレ。
まだまだこれからですが、それでも。
この勝利をたたき台に、飛躍していくために。
まずは、次節の鳥取戦に向けて。精進を続けていかねばなりません。

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