2-0で勝利!!
攻撃陣の大黒柱・黒部が恩返し弾となるゴールを立て続けに決め、守備陣も好セーブ連発の守田をはじめ、全員が高い意識を途切れさせずに無失点。前節4ヶ月ぶりの歓喜に包まれた県総が、中11日で再び勝利に酔いしれました。
これによって勝ち点3を積み重ね、最下位脱出。それでも入れ替わった町田とはわずかに2差、さらに直接対決も控えているとあっては、油断など出来ようはずもありません。しかし、この勝利によって得た手応え、自信というものは、きっとこの先の戦いにも繋がっていくはずです。
ほぼ日曜に固定されている今季J2日程にあって、変則的に金曜開催となった今節。
正直なところ、試合前は不安のほうが大きかったです。相手がこれまでいちども勝利したことのない昇格争いの只中にいる千葉ということも、もちろんありましたが・・・相手がどうこうより、こちらの問題として。
前節の愛媛戦で勝利し、長い長い勝ちなしからようやく脱出しました。とはいえ、そこで安心してしまって次につなげることが出来なければ何の意味もない。むしろ、肝心なのはこれからだ、と。
そんな中で迎えた天皇杯2回戦では、岡山に完敗。いつもと違うメンバーだとかは言い訳にならない敗戦ぶりは、また弱いカターレに逆戻りしてしまったのでは、という危惧を抱かせるに充分でした。
愛媛戦勝利は単なるまぐれ、実際のところはなにも変わっておらず、相手の強さよりも自分たちの弱さに負けて勝てない試合が続いてしまうのではないかと。
試合が動いたのは、まだどちらもペースをつかんでいなかった10分のことでした。
朝日が起点となり前線に送ったボールを相手DFがこぼし、それを見逃さなかった大西がライン際から中央へ。待ち構えていた黒部が確実に決め、欲しかった先制点を奪うことに成功しました。
千葉も千葉で、負傷によりDF山口智とFW藤田祥史、出場停止で佐藤勇人という主力3選手を欠いた状態。意識のずれなど、あったのかもしれません。とはいえ、そんなことは言い訳にしてほしくはありません。それを言っていいのなら、負傷者続出だった今季のカターレがどれだけ言いたかったことかと。
実力の上では、やはり千葉のほうが圧倒的に上。得点が入らないまま相手にペースを譲ってしまったならば、攻撃に晒される焦り、反撃できないもどかしさで集中力を欠き、そこからやられていたかもしれません。そうなる前に、リーグ最少失点の相手から得点を奪えたことの大きさといったら。
ただ、先制点を挙げても、なかなかそれを勝利へつなげることが出来なかったこれまでのカターレ。むしろ、そんなであったから最下位であったと言えるかもしれません。
今節も、得点の直後にいきなりピンチ。ものの1分かそこらであっさり同点か、という場面で、GK守田が神がかったセーブで阻止しました。
やはり、と言うべきか、徐々に攻勢を強める千葉。
試合を通じてCK13本、FK19本。ちなみにカターレはCK0本。いかに集中力を切らさずにしのぎきるかを問われた試合で、試練が続きました。
しかし、ピンチにあってもしっかりと守りきった守田。“当たっている”と感じさせる、ナイスプレーでした。いわゆるジャイアントキリングを成し遂げる条件のひとつに、キーパーが当たっているということがあるとか。まさにそれを体現するかのような活躍に、「これはいけるかも?」という予感も。
厳しい状況だからこそ、「次の1点」が重要となる。
その次の1点が決まったのが、29分でした。1点目と同じように、またも起点は朝日。今度は自らがサイドを敵陣深くえぐり、中央へ。そこで、再び黒部!確実に決め、2点差としました。
正直、思いもよらない展開。結果的に前半はシュート2本で圧倒的に攻められる時間のほうが長かったわけですが、その2本で2得点とは。
確かに、数はすくなく、チャンスそのものも多くなかった。けれど、前半シュート0に終わった前2試合とは一線を画した結果となったのは、この試合に賭ける意気込みがプレーに表れた証であったのかもしれません。
よし、ならばこそ、相手に得点させてやるな、と。
先制しながら逆転負けは、これまで何度となくあったこと。それでなくとも相手は力のあるチーム。2点差としても、点差を縮められるわけにはいきませんでした。
そんななか、前半終了間際。42分、なにを思ったか、セットプレーからFWロボがまるでバレーボールのブロックかのようなハンド。直後に足助と小競り合い、どついてしまったことで2枚目イエローの退場となってしまいました。
全く予期せぬかたちで2点リードと数的優位という状況で折り返すこととなったのでした。
しかし。
安心することなど、出来ませんでした。8月、3戦連続で先制して折り返しながら勝てなかったように。甲府戦でも、長く相手がひとり少ない状況であったのに追いつかれ、勝利できませんでした。
今節は2点差であったものの、2点をひっくり返されて敗れてしまったことも実際にあったわけで、油断など出来ませんでした。
繰り返すようですが、千葉は力のあるチーム。
この期に及んで、得るはずの勝ち点3が引き分けで1、敗れて0になることなど、あってはならない。そのためには、1失点とて許さない、断固たる決意が必要でした。
千葉は後半、去年のホーム戦でしてやられた深井、オーロイを投入。対してカターレは、怪我の影響から本当は使いたくなかったらしいものの、大巨人対策にはこの男、という福田が途中出場しました。
その福田、期待通りにやってくれました。2メートルのオーロイとまともに競り合って勝ってしまう高さと強さ。さすが、なんと頼りになることか。
後半になると、千葉の選手の「こんなはずでは・・・」という負のオーラがにじみ出ているようでした。もし、実力を存分に発揮していたなら、何度かあったシュートをふかしてしまう場面でも、決めていたはず。いかに強豪クラブとはいえ、メンタルの落ち込みがプレーに出てしまうということは、やはりあるようでした。
対して、これまでであればやられていたような場面でも、相手得点を許さなかったカターレ。
なかでも、ボランチのタイジローのプレーが印象的でした。カバーリングひとつ、パスひとつにしてみても、“周りがよく見えている”ということを感じさせるプレーぶり。それは、精神的に余裕のないままにプレーしていたのでは決してなしえなかったことかと。そのあたりに、試合出場を通して成長している姿が見て取れたのでした。
どんどん時間が経過していく中にあっても、集中力を切らさないカターレ。
防戦一方ではなく、決まりこそしなかったものの、木村や途中出場の西川らが惜しい場面をつくりだしたことも。試合最終盤であっても全力ダッシュする朝日の姿に、思わず「すげぇ」と感嘆してしまいました。
そして、4分あったアディショナルタイムもしのぎきり、試合終了。見事に、千葉戦初勝利を挙げたのでした。
平日夜にもかかわらず、3161人が詰めかけた県総。今月2日に続いて、カターレのファン・サポーターは勝利の歓喜をわかちあったのでした。
もし、今節負けていたならば。
「強豪が相手だったからしかたない」で済まされたのか?と。
「やっぱダメじゃん」となっていたのではないかと。
依然、厳しい状況が続きます。まだ、何かを成し遂げたわけではありません。
それでも、悲願成就へ向けての光は示せたのではないかと。
やれば、できる。
だったら、やりぬくのみ。
選手たちも、その思いを新たにしたのではないでしょうか。そしてそれは、我々サポーターも同じ。
次なる勝利、3連勝に向けて。
次節までは、わずかに中2日。
ここに至って、やるべきことはただひとつ。勝つことだけです。
攻撃陣の大黒柱・黒部が恩返し弾となるゴールを立て続けに決め、守備陣も好セーブ連発の守田をはじめ、全員が高い意識を途切れさせずに無失点。前節4ヶ月ぶりの歓喜に包まれた県総が、中11日で再び勝利に酔いしれました。
これによって勝ち点3を積み重ね、最下位脱出。それでも入れ替わった町田とはわずかに2差、さらに直接対決も控えているとあっては、油断など出来ようはずもありません。しかし、この勝利によって得た手応え、自信というものは、きっとこの先の戦いにも繋がっていくはずです。
ほぼ日曜に固定されている今季J2日程にあって、変則的に金曜開催となった今節。
正直なところ、試合前は不安のほうが大きかったです。相手がこれまでいちども勝利したことのない昇格争いの只中にいる千葉ということも、もちろんありましたが・・・相手がどうこうより、こちらの問題として。
前節の愛媛戦で勝利し、長い長い勝ちなしからようやく脱出しました。とはいえ、そこで安心してしまって次につなげることが出来なければ何の意味もない。むしろ、肝心なのはこれからだ、と。
そんな中で迎えた天皇杯2回戦では、岡山に完敗。いつもと違うメンバーだとかは言い訳にならない敗戦ぶりは、また弱いカターレに逆戻りしてしまったのでは、という危惧を抱かせるに充分でした。
愛媛戦勝利は単なるまぐれ、実際のところはなにも変わっておらず、相手の強さよりも自分たちの弱さに負けて勝てない試合が続いてしまうのではないかと。
試合が動いたのは、まだどちらもペースをつかんでいなかった10分のことでした。
朝日が起点となり前線に送ったボールを相手DFがこぼし、それを見逃さなかった大西がライン際から中央へ。待ち構えていた黒部が確実に決め、欲しかった先制点を奪うことに成功しました。
千葉も千葉で、負傷によりDF山口智とFW藤田祥史、出場停止で佐藤勇人という主力3選手を欠いた状態。意識のずれなど、あったのかもしれません。とはいえ、そんなことは言い訳にしてほしくはありません。それを言っていいのなら、負傷者続出だった今季のカターレがどれだけ言いたかったことかと。
実力の上では、やはり千葉のほうが圧倒的に上。得点が入らないまま相手にペースを譲ってしまったならば、攻撃に晒される焦り、反撃できないもどかしさで集中力を欠き、そこからやられていたかもしれません。そうなる前に、リーグ最少失点の相手から得点を奪えたことの大きさといったら。
ただ、先制点を挙げても、なかなかそれを勝利へつなげることが出来なかったこれまでのカターレ。むしろ、そんなであったから最下位であったと言えるかもしれません。
今節も、得点の直後にいきなりピンチ。ものの1分かそこらであっさり同点か、という場面で、GK守田が神がかったセーブで阻止しました。
やはり、と言うべきか、徐々に攻勢を強める千葉。
試合を通じてCK13本、FK19本。ちなみにカターレはCK0本。いかに集中力を切らさずにしのぎきるかを問われた試合で、試練が続きました。
しかし、ピンチにあってもしっかりと守りきった守田。“当たっている”と感じさせる、ナイスプレーでした。いわゆるジャイアントキリングを成し遂げる条件のひとつに、キーパーが当たっているということがあるとか。まさにそれを体現するかのような活躍に、「これはいけるかも?」という予感も。
厳しい状況だからこそ、「次の1点」が重要となる。
その次の1点が決まったのが、29分でした。1点目と同じように、またも起点は朝日。今度は自らがサイドを敵陣深くえぐり、中央へ。そこで、再び黒部!確実に決め、2点差としました。
正直、思いもよらない展開。結果的に前半はシュート2本で圧倒的に攻められる時間のほうが長かったわけですが、その2本で2得点とは。
確かに、数はすくなく、チャンスそのものも多くなかった。けれど、前半シュート0に終わった前2試合とは一線を画した結果となったのは、この試合に賭ける意気込みがプレーに表れた証であったのかもしれません。
よし、ならばこそ、相手に得点させてやるな、と。
先制しながら逆転負けは、これまで何度となくあったこと。それでなくとも相手は力のあるチーム。2点差としても、点差を縮められるわけにはいきませんでした。
そんななか、前半終了間際。42分、なにを思ったか、セットプレーからFWロボがまるでバレーボールのブロックかのようなハンド。直後に足助と小競り合い、どついてしまったことで2枚目イエローの退場となってしまいました。
全く予期せぬかたちで2点リードと数的優位という状況で折り返すこととなったのでした。
しかし。
安心することなど、出来ませんでした。8月、3戦連続で先制して折り返しながら勝てなかったように。甲府戦でも、長く相手がひとり少ない状況であったのに追いつかれ、勝利できませんでした。
今節は2点差であったものの、2点をひっくり返されて敗れてしまったことも実際にあったわけで、油断など出来ませんでした。
繰り返すようですが、千葉は力のあるチーム。
この期に及んで、得るはずの勝ち点3が引き分けで1、敗れて0になることなど、あってはならない。そのためには、1失点とて許さない、断固たる決意が必要でした。
千葉は後半、去年のホーム戦でしてやられた深井、オーロイを投入。対してカターレは、怪我の影響から本当は使いたくなかったらしいものの、大巨人対策にはこの男、という福田が途中出場しました。
その福田、期待通りにやってくれました。2メートルのオーロイとまともに競り合って勝ってしまう高さと強さ。さすが、なんと頼りになることか。
後半になると、千葉の選手の「こんなはずでは・・・」という負のオーラがにじみ出ているようでした。もし、実力を存分に発揮していたなら、何度かあったシュートをふかしてしまう場面でも、決めていたはず。いかに強豪クラブとはいえ、メンタルの落ち込みがプレーに出てしまうということは、やはりあるようでした。
対して、これまでであればやられていたような場面でも、相手得点を許さなかったカターレ。
なかでも、ボランチのタイジローのプレーが印象的でした。カバーリングひとつ、パスひとつにしてみても、“周りがよく見えている”ということを感じさせるプレーぶり。それは、精神的に余裕のないままにプレーしていたのでは決してなしえなかったことかと。そのあたりに、試合出場を通して成長している姿が見て取れたのでした。
どんどん時間が経過していく中にあっても、集中力を切らさないカターレ。
防戦一方ではなく、決まりこそしなかったものの、木村や途中出場の西川らが惜しい場面をつくりだしたことも。試合最終盤であっても全力ダッシュする朝日の姿に、思わず「すげぇ」と感嘆してしまいました。
そして、4分あったアディショナルタイムもしのぎきり、試合終了。見事に、千葉戦初勝利を挙げたのでした。
平日夜にもかかわらず、3161人が詰めかけた県総。今月2日に続いて、カターレのファン・サポーターは勝利の歓喜をわかちあったのでした。
もし、今節負けていたならば。
「強豪が相手だったからしかたない」で済まされたのか?と。
「やっぱダメじゃん」となっていたのではないかと。
依然、厳しい状況が続きます。まだ、何かを成し遂げたわけではありません。
それでも、悲願成就へ向けての光は示せたのではないかと。
やれば、できる。
だったら、やりぬくのみ。
選手たちも、その思いを新たにしたのではないでしょうか。そしてそれは、我々サポーターも同じ。
次なる勝利、3連勝に向けて。
次節までは、わずかに中2日。
ここに至って、やるべきことはただひとつ。勝つことだけです。