教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

匠の技を高校生へ 熊本の企業が後輩を指導

2007年12月19日 12時33分28秒 | 受験・学校

 新聞によりますと工業高校の生徒たちに地元企業の技術者が熟練の技を伝授する取り組みが各地で進んでいる。文部科学省と経済産業省が今年度から始めた「ものづくり人材育成のための専門高校・地域産業連携事業」で、22府県と神戸市の計23地域で採択され、79校で実施されている。熊本県内での実施校は3校。その一つ、八代市の県立八代工業高校を訪ねた。  12月上旬にあった機械科2年生への特別授業。87年に同科を卒業し、自動車部品などを製造する会社の八代工場で働く岩本幸治さん(39)が「二十数年前は僕もそっちに座っていました」と、8人の後輩たちに語りかけた。  岩本さんは金型製造の技術者。講師を務めたこの日は、事前に作成したプログラムを同校の機械に組み込み、鉄を削って金型を作る工程を披露した。  作動ボタンを押すと、機械が動き出した。カッターで削られた鉄が飛び散る。「破片は500度以上。当たったらやけどするよ」。岩本さんは注意を促した。 プログラム通り、鉄塊が山の形に削られていく。驚く生徒たちに「プログラム次第で、どんな形にもできる」と説明した。生徒の一人、野口宏明さんは「最初から最後まで自動というのは初めて見た」と感銘を受けた様子だった。 特別授業は1時間ほど。機械科の2年生80人が順番に受ける。八田豊校長は「最先端の技術を学び、卒業後に企業で活躍できるようになってほしい」と期待する。 文科省と経産省が進める事業は、団塊の世代の大量退職期を迎えて、製造業を支えてきた技術や技能、いわば匠(たくみ)の技を若手に伝え、明日を担う技術者を育てるのが目的だ。熊本県内では、県南部の御船と小川工業の県立2校でも同様の取り組みが行われており、15の企業が協力している。 生徒が企業を訪ねる形の研修もある。八代工の生徒たちは11月、2社に分かれて2日間ずつ受けた。御船では11月から、3年生の中から選ばれた5人が3社で研修を受けている。就職内定先に赴いた生徒もいるという。小川工では来年2月に10人程度が受ける予定だ。来年度から研修を受ける範囲を広げるという。  この事業の実施にあたっては、くまもとテクノ産業財団(熊本県益城町)が高校と企業の連絡・調整役となっている。財団の担当者は「地場産業の持つ最新鋭の技術への理解を深めてもらい、優秀な人材の確保に結びつけたい」と話す。 日本の工業技術を支える現場の優秀な技術者は、益々必要です。日本の製品 は、品質の良さで評価されています。資源の乏しい日本には、技術の伝承と人材養成は不可欠です。自動旋盤の無い時はベテランの旋盤工が各地域の工場に居られて、寸分の狂わぬ部品を作り、技を競い名人芸と言われたそうです。旋盤工は大事にされたそうです。今は自動旋盤になり、旋盤工の名人が、少なくなつたようです。製造業の現場で働く人達によって、日本の技術は支えられているのです。コンピュターが発達しても、現場の技術者が機械操作で製品を作る必要は無くなりません。工業高校も最先端技術や最新の機械実習を学ぶ為に最新式機械や設備の学校に導入すべきでは有りませんか。企業見学会や研修会で最近の工場の実態を学び、実際に工場で働く技術者から技術実習を見たり、学校で学ぶことは工業学校の工業実習や将来就職してからも現場で役に立つのではないでしょうか。最近普通科の大学進学合格実績ばかりが脚光を浴びていますがいろいろな進路や選択、多様性があると思います。私立高校の総進学校も問題です。職業高校の良さや存在価値を見直すべきです日本の基幹産業を支えているのは、工場や建設現場で、汗と油まみれで働いている工場技術者や現場の労働者である事を忘れてはなりません。現場を軽視しては、新しい技術や優れた製品は生まれません。

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