教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

Re:社会部】体罰?家庭でも考えて

2009年05月09日 13時04分16秒 | 受験・学校

『 小学生のころ。凍った校内のスロープを級友と滑って遊んでいたのを先生にみつかりました。一列に並ばされ、生徒のゴム印を入れる重い木箱で頭を殴られました。  体育館の天井裏で遊んでいた同級生が天井板を踏み抜いて落下、けがをしたときも、病院に運ばれる前にはたかれました。いまのご時世だと、「問われる学校施設の安全管理」のような話になってしまうのかもしれませんが。  それほどやんちゃなわけではなかったはずですが、先生に手をあげられるのは、珍しくありませんでした。そして、そんな“体罰”にどこの親もクレームをつけたりはしませんでした。  最高裁は先日、教員が男児の胸元をつかんでしかる行為を、1、2審とは逆に「体罰にあたらない」と判断しました。 その判決文には「男児の母親は長期にわたり、学校関係者らに対し、極めて激しい抗議行動を続けた」とあります。実際、母親は教員を刑事告訴までしました。体罰か否かの判断にさほど関係しないのに、ことさら「極めて激しい抗議」と強調したことは、メッセージのように思えてなりません。  教育現場への影響が注目された判決ですが、同級生をけり、それを注意した教員をさらにけった行為を棚上げした抗議はどうなのでしょうか。教育関係者だけでなく、家庭でもちょっと考えてみてほしい判決でした。((酒井潤)』産経新聞 2009年5月6日(水)08:05

小2児童の胸元つかみ叱責 最高裁「体罰に当たらぬ」産経新聞2009年4月29日 『熊本県天草市(旧本渡市)で平成14年、臨時教員の男性が当時小学2年生だった男児の胸元をつかんで叱責(しっせき)した行為が、学校教育法で禁じる体罰に当たるかどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は28日、「教員の行為は体罰に当たらない」と判断し、体罰を認定して損害賠償を命じた1、2審判決を破棄、原告の請求を棄却した。男児側の敗訴が確定した。 教員の行為が体罰に当たるかどうかが争われた民事訴訟で、最高裁が判断を示したのは初めて。  学校教育法11条は「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、児童らに懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」と規定している。同小法廷は「行為に穏当は欠く」としたが、「許される教育的指導の範囲を逸脱せず、体罰には当たらない」と判断。体罰かどうかを判断する要素として、行為の目的や態様、継続時間を挙げた。  1、2審判決などによると、教員は14年11月、休み時間に女子児童をけった男児らを注意。男児が教員の尻もけったため、胸元をつかんで壁に押しつけ、「もう、すんなよ」と怒った。萎縮する教員に指針  児童の胸元をつかんでしかる行為を体罰にあたらないとした28日の最高裁判決は、教員が萎縮(いしゅく)するあまり、厳しい生徒指導をためらう教育現場の実情に配慮した判断といえる。 学校教育法11条の体罰の基準は不明確だった。授業中に騒いだ児童を廊下に立たせる指導まで、体罰や人権侵害だと保護者らから批判されることもあり、「モンスターペアレント」という言葉すら生まれた。 体罰について昭和23年の法務庁長官回答では、「懲戒の内容が身体的性質のものである場合」と定義。文部科学省は平成19年2月に体罰基準を見直し、肉体的苦痛を与えるものでない限り放課後の居残り指導や授業中の教室内での起立命令を体罰としない-と全国の都道府県教委などに通知した。しかし、基本的には昭和23年の枠を出ていない。 最高裁判決は「殴る、ける」や「肉体的苦痛」を容認したものではなく、体罰の定義も示していない。しかし、許される行為を明示し、体罰か否かを判断する要素として「目的、態様、継続時間」を挙げたことは、指導に戸惑う教育現場にひとつの指針を与えるものになりそうだ。(酒井潤) 』

同じ記者が書かれた新聞記事ですが。記者の小学校時代の体験が書かれて有ります。昔の先生はこんな先生が多かったと思います。生徒を殴らなかった先生は少なかったと思います。保護者も余程の怪我をさせられたりしない限り、学校やPTAに抗議をしなかったと思います。旧日本軍の軍隊経験者も多く、父兄も戦前の教育を受けた経験者が多かったと思います。悪い言葉かも知れませんが叩き方に慣れていた、上手だったと思います。怪我をしないように上手な手加減をしたと思います。私は体罰肯定論者では有りませんがこの記者に書かれているようなことは私も体験しています。出席簿で生徒の頭を叩いたり、差し棒で頭や足を叩かれたり、余所見をしている生徒の頭にチョークを投げたり、居眠っている生徒の頭を手で叩いたりするのは総て体罰ですから止めましょうでは教室で、授業中担当の先生は、生徒を指導出来ないのでは有りませんか。授業中の教室管理も担当の先生の大切な役目です。教育現場の現実を踏まえての議論が必要です。
昔は生徒を叩いてで悪いことは悪いと教えた先生が多かったと思います。私の小中学校自分は生徒を叩いても、生徒に叩かれた先生は居なかったと思います。先生は剣道や柔道を戦前習っていて先生のほうが、生徒より強かった思いますよ。中学校の校庭で先生の見ている前で、仲の悪い生徒同士二人を殴らせ、頃の良い時をみはらかって先生が止めに入り生徒の喧嘩を止めさせた先生も居ました。今でしたら問題になるでしょうか。
「その判決文には「男児の母親は長期にわたり、学校関係者らに対し、極めて激しい抗議行動を続けた」とあります。実際、母親は教員を刑事告訴までしました。体罰か否かの判断にさほど関係しないのに、ことさら「極めて激しい抗議」と強調したことは、メッセージのように思えてなりません。」男児の母親が、長期に渡り、学校関係者らに対してきわめて激しい抗議行動を続けたと判決文に有りますが、学校として保護者の母親となぜ十分話し合わなかったのかと言う疑問点が残ります。ことさら「極めて激しい抗議」と強調したことは、メッセージのように思えてなりません。どのようなメッセージなのか、記事を呼んでいる者には分かりにくいと思いました。
教育現場での体罰の定義や区分は、どこまで体罰に当たるのかどうかと言うことは難しいと思います。厳密に体罰全面禁止なら教育現場の先生は、小学校から高校まで生徒を叱れないと思います。体罰と叱る事とは、教育上違うと思いますが。先生の方が生徒に暴力を振るわれ、殴られたりして学校が荒れる原因にもなる可能性もあります。
大阪市内の公立小学校で、女子児童が授業中トイレに行きたいと先生に言ったところ授業中我慢が出来なくなり小便をたれてしまい女子児童は膀胱炎になり、体罰と認められた出来事も有りました。肉体的苦痛を与えなくても精神的苦痛を生徒に与えたような場合は、精神的体罰になると思いますが。最高裁判所が一つ指針を示したと言っても教育現場ではどこまでが体罰に当たり、体罰に当たらないかを判断するのは難しい教育問題です。教育者としての先生と生徒の見方の違いも有り、先生方も保護者も子供達も、皆で良く考えるべき問題です。仮に文部科学省が体罰の指針を各学校に徹底してもそのとおりに行かないのが現実の教育現場の難しさだと思います。
☆体罰の範囲を通知
※懲戒・体罰に関する文部科学省見解  
文部科学省 文部科学省は平成19年2月5日に、『「問題行動を起こす児童生徒に対する指導について」の中で、学校教育法が禁止する懲戒・体罰についての見解をまとめ、全国の教育委員会等に通知した。この通知は、懲戒と体罰の線引きについて具体例を挙げており、いじめや暴力行為などの問題行動に毅然とした指導を行うよう各教育機関に求めている。
 懲戒権の限界及び体罰の禁止については、これまで昭和23年の法務庁法務調査意見長官回答等が基準となっていた。しかし、昨今、児童生徒の問題行動が社会問題となっており、学校が適切に対応し、生徒指導の充実を図ることが急務となっている。そこで同省は、懲戒及び体罰に関する裁判例の動向等も踏まえ、「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰に関する考え方」を取りまとめた。
 この通知では「体罰はいかなる場合においても行ってはならない」と禁止しているが、「肉体的苦痛を与えない懲戒行為に関しては、体罰には当たらない」とされている。
体罰に当たるかの線引きは「児童生徒の年齢や健康、心身の発達状況、場所や時間の諸条件を総合的に考え、個別に判断する必要があり、これらの諸条件を客観的に考慮すべきである」としている。体罰に当たらない具体例として、「放課後等に教室に残留させる(用便のためにも室外に出ることを許されない、又は食事時間を過ぎても長く留め置く等肉体的苦痛を与えるものは体罰に当たる)」、「授業中、教室内に起立させる」、「学習課題や清掃活動を課す」、「学校当番を多く割り当てる」、「立ち歩きの多い児童生徒を叱って席につかせる」ことを挙げている。また、携帯電話に関しても「授業中にメール等を行い、学校の教育活動全体に悪影響を及ぼすような場合、保護者等と連携を図り、一時的にこれを預かり置くことは、教育上必要な措置として差し支えない」とした。なお、児童生徒から教員等に対する暴力行為、他の児童生徒に被害を及ぼすような暴力行為を避けるための有形力(目に見える物理的な力)の行使も「正当な行為」として位置付けられた。
出席停止制度の活用では、指導をしても改善が見られず、いじめや暴力行為など問題行動を繰り返す児童生徒に対し、正常な教育環境を回復するために必要と認める場合には「市町村教育委員会は、出席停止制度の措置を採ることをためらわずに検討する」とし、制度の運用に当たっては「教師や学校が孤立することがないように、校長をはじめ教職員、教育委員会や地域のサポートにより必要な支援がなされるよう十分配慮する」としている。
 同省は、問題行動が起こったときには「十分な教育的配慮のもと、現行法制度下において採り得る措置である出席停止や懲戒等の措置も含め、毅然とした対応をとる」ように明記した。』 現代教育新聞より引用。

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