公立の中高一貫校が出来たからと言って、マスコミがすぐに話題として取り上げますが。果たして進学実績が今日や明日に上げられるでしょうか。保護者も公立の中高一貫校から、難関国立大学合格者がすぐに出ると考えるべきではないと思います。卒業生が出た時が、一つの学校の判断基準で公立、私立を問わずに中高一貫校の評価となります。私立の中高一貫校2対抗するとか私立校への「民業圧迫」にはならないと思います。小学校の成績優秀者 が、私立中高一貫校に流れ、少子化による18才人口の生徒減少期を見据えて、難関国立大学に実績を上げ来た私立中高一貫校に対抗するのは無理です。大学進学は私立中高一貫校、公立高校は大学進学を目指さなくて良いのでしょうか。公立の中高一貫校が難関国立大学実績を上げるためには、週休5日制度の廃止と6年間のカリキュラムと優秀な指導力のある経験豊かな教員を公立の中高一貫校に集める必要が有りますし、「一朝一夕」に合格実績が上がるとは思いません。志願者が増えて、人気が高まり競争率が高くなっても、試験問題が難しくなっても進学実績が伸びるとは思えません。いまさら公立離れを叫んでももう遅いのです。大学全入時代を迎えこの時期を見越した私立校の学校経営の成果とも言えます。社会的格差の拡大は、所得格差を産み私立の中高一貫校に入る為に小学校4年生から進学塾通いが常識化している今日、家庭の経済的に恵まれた子供達しか私立の中高一貫校に入れないのが現実です。公立高校からの大学進学の希望者をどうするのか。経済的に恵まれないで、公立高校に通っている家庭の子供達の大学進学のことも考えて欲しいと思います。高校受験地獄解消の為の高校改革が行われた結果、東京の学校群制度や公立高校のカリキュラム改革で授業時間が減少して結果、全国的に公立高校からの東京大学合格者数が減少したと言われています。2000年度から東京都も高校改革により都内全高校の受験が可能になりましたが、都立名門高校日比谷、戸山、西の御三家の昔のような復活は難しいようです。京都府の「15才の春を泣かすな」の高校三原則、兵庫県の兵庫方式や神奈川県の川崎方式で公立高校の高校入試の受験地獄は解消されましたが。、大学入試改革で、受験競争は緩和されず第1次、第2次べビーブームで大学受験者数が増え、年々公立高校の難関国立大学への合格者数の低下減少と言う結果になって終いました。公立高校は、保護者や生徒の希望と期待に応えられ無かったと言えます。京都でも昭和60年度から高校入試改革が行われ一類・二類の特進コースが設けられましたが時既に遅く、京都府立堀川高校のように大学進学者を増やし京都大学に47名、東京大学に7名2009年度合格者を出し、昔は京都の伝統ある進学高校では無かった音楽コースで有名な高校でしたが、京都の府立高校中では、今や京都で1番入りにくい府立の進学高校になっていますが、一昔の人から見れば時代の移り変わりを感じると思います。京都の伝統ある洛北高校は、東京大学、京都大学には合格者は2009年度はゼロで、北海道大学に2名合格者を出しているに過ぎません。京都の伝統ある名門府立高校の復活は、京都の私立有名中高一貫校に難関国立大学への合格者数で大きく差を付けられ、厳しい状況に置かれていると言って過言では有りません。今後各地に設置した公立の中高一貫校をどうかするのか、保護者の希望や期待、現場の先生方の意見を良く聞いて今後の方針をはっきり決めて欲しいと思います。公立高校からの大学進学問題、保護者や生徒に取っては、大学への進学保障の問題だと思います。
☆各地の公立中高一貫く高校の2009年度入学選抜の競争倍率
カッコ内は開校年度
仙台市立仙台青陵中等教育学校(2009年開校)競争率6.23
埼玉市立浦和中(2007年)競争率11.54
東京都立小石川中等教育学校(2007年)競争率11,54
東京都立武蔵高校付属中(2008年)競争率7.17
千葉県立千葉中(2008年)競争率16.60
神奈川県立相模中等教育学校(2009年)競争率16.26
京都府立洛北高校付属中学校(2004年)競争率6.21
和歌山県立向陽中(2004年)競争率5.46
広島県立広島中(2004年)5.60競争率5.60
宮崎県立宮崎西高校付属中(2007年)競争率4.58