教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

難関化する公立中高一貫校

2009年05月12日 12時56分21秒 | 受験・学校
『全国の公立の中高一貫校をめぐり、文部科学省は入学選抜のあり方などについて今月にも議論を始めることを決めた。「難関化して小学校の勉強では合格できないところがあり、公教育として問題だ」との批判を受けたものだ。文科省は現状をくわしく検証する考えだが、保護者には「私立のように学費をかけないで大学進学に期待がもてる」と受験熱が高い。見直し論議は広く関心を呼びそうだ。 公立の中高一貫校は99年施行の改正学校教育法で認められ、08年4月時点で158校ある。当初は、6年間でゆとりをもって教育し、生徒の個性を伸ばすための制度とされた。法改正の際、国会は「偏差値による学校間格差を助長させない」と付帯決議し、施行規則でも「学力検査を行わない」と念押しして定めた経緯がある。 しかし、状況は一変している。大学進学実績が高い高校が併設した中学などで競争率は跳ね上がり、学校側は「適性検査」と呼ぶ長文の問題を出題。私立のように難しい計算を解くような問題ではないものの、文章や図表などを読み解く高い考察力を求め、私立入試並みの対策が必要なところが多くなっている。小学校などの現場には「私立に対抗して成績がよい子どもを早く確保しようとしている」という指摘が上がっている。  県立千葉高校(千葉市)に昨春併設された千葉中学は、初年度は約27倍、今春も約17倍と高い競争率になった。地元の塾は専門の対策講座を設けたり、出題内容を分析した模試を実施したりしている。京都府の伝統校、府立洛北高校の付属中学も6倍を超えている。  文科省が議論を始めるきっかけになったのは、規制改革会議(議長=草刈隆郎・日本郵船前会長)の動きだ。「私立への『民業圧迫』にならないか」といった観点から公立一貫校の問題を議論。昨年末、「塾通いなどが必要で、高額所得者が有利になる」「公立が担うべき役割を明確化するべきだ」と批判する答申をまとめた。答申は「抜本的な改善」を求め、▽地域の「トップ校」の高校には中学を設けない▽面接、作文、推薦などを適切に組み合わせる▽志願者が3倍程度を超えたら、選抜の過程で必ず抽選を採り入れる――といった方法を提案している。  これを受け、文科省は今月にも中央教育審議会で議論を始める考えだ。各校が実施している「適性検査」はどうあるべきか、中高6年間の教育内容と目標・理念をどうとらえ、どう進めていくべきか――について関係者にヒアリングし、検証を進める。  文科省の教育制度改革室は「競争が過熱気味な一方で、保護者のニーズが高いのも事実。こうした状況をどう考えるべきか、難しい問題をはらんでいる。いずれにせよ、制度開始から10年がたち、公立の一貫校の意味、教育内容と成果もあわせて検証する時期に来ている」としている。 』 アサヒコム

公立の中高一貫校が出来たからと言って、マスコミがすぐに話題として取り上げますが。果たして進学実績が今日や明日に上げられるでしょうか。保護者も公立の中高一貫校から、難関国立大学合格者がすぐに出ると考えるべきではないと思います。卒業生が出た時が、一つの学校の判断基準で公立、私立を問わずに中高一貫校の評価となります。私立の中高一貫校2対抗するとか私立校への「民業圧迫」にはならないと思います。小学校の成績優秀者 が、私立中高一貫校に流れ、少子化による18才人口の生徒減少期を見据えて、難関国立大学に実績を上げ来た私立中高一貫校に対抗するのは無理です。大学進学は私立中高一貫校、公立高校は大学進学を目指さなくて良いのでしょうか。公立の中高一貫校が難関国立大学実績を上げるためには、週休5日制度の廃止と6年間のカリキュラムと優秀な指導力のある経験豊かな教員を公立の中高一貫校に集める必要が有りますし、「一朝一夕」に合格実績が上がるとは思いません。志願者が増えて、人気が高まり競争率が高くなっても、試験問題が難しくなっても進学実績が伸びるとは思えません。いまさら公立離れを叫んでももう遅いのです。大学全入時代を迎えこの時期を見越した私立校の学校経営の成果とも言えます。社会的格差の拡大は、所得格差を産み私立の中高一貫校に入る為に小学校4年生から進学塾通いが常識化している今日、家庭の経済的に恵まれた子供達しか私立の中高一貫校に入れないのが現実です。公立高校からの大学進学の希望者をどうするのか。経済的に恵まれないで、公立高校に通っている家庭の子供達の大学進学のことも考えて欲しいと思います。高校受験地獄解消の為の高校改革が行われた結果、東京の学校群制度や公立高校のカリキュラム改革で授業時間が減少して結果、全国的に公立高校からの東京大学合格者数が減少したと言われています。2000年度から東京都も高校改革により都内全高校の受験が可能になりましたが、都立名門高校日比谷、戸山、西の御三家の昔のような復活は難しいようです。京都府の「15才の春を泣かすな」の高校三原則、兵庫県の兵庫方式や神奈川県の川崎方式で公立高校の高校入試の受験地獄は解消されましたが。、大学入試改革で、受験競争は緩和されず第1次、第2次べビーブームで大学受験者数が増え、年々公立高校の難関国立大学への合格者数の低下減少と言う結果になって終いました。公立高校は、保護者や生徒の希望と期待に応えられ無かったと言えます。京都でも昭和60年度から高校入試改革が行われ一類・二類の特進コースが設けられましたが時既に遅く、京都府立堀川高校のように大学進学者を増やし京都大学に47名、東京大学に7名2009年度合格者を出し、昔は京都の伝統ある進学高校では無かった音楽コースで有名な高校でしたが、京都の府立高校中では、今や京都で1番入りにくい府立の進学高校になっていますが、一昔の人から見れば時代の移り変わりを感じると思います。京都の伝統ある洛北高校は、東京大学、京都大学には合格者は2009年度はゼロで、北海道大学に2名合格者を出しているに過ぎません。京都の伝統ある名門府立高校の復活は、京都の私立有名中高一貫校に難関国立大学への合格者数で大きく差を付けられ、厳しい状況に置かれていると言って過言では有りません。今後各地に設置した公立の中高一貫校をどうかするのか、保護者の希望や期待、現場の先生方の意見を良く聞いて今後の方針をはっきり決めて欲しいと思います。公立高校からの大学進学問題、保護者や生徒に取っては、大学への進学保障の問題だと思います。

☆各地の公立中高一貫く高校の2009年度入学選抜の競争倍率

カッコ内は開校年度

仙台市立仙台青陵中等教育学校(2009年開校)競争率6.23

埼玉市立浦和中(2007年)競争率11.54

東京都立小石川中等教育学校(2007年)競争率11,54

東京都立武蔵高校付属中(2008年)競争率7.17

千葉県立千葉中(2008年)競争率16.60

神奈川県立相模中等教育学校(2009年)競争率16.26

京都府立洛北高校付属中学校(2004年)競争率6.21

和歌山県立向陽中(2004年)競争率5.46 

広島県立広島中(2004年)5.60競争率5.60

宮崎県立宮崎西高校付属中(2007年)競争率4.58

         

                                          

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