『家庭科の先生が数学を教え、理科の先生が音楽の授業を担当する。所有する免許以外の科目を教える「免許外教員」が、兵庫県内の公立中学・高校に計370人(昨年5月現在)いることが14日、分かった。違法ではないが、本年度から導入された教員免許更新制でも所有免許しか更新されない。県教委は、採用試験の出願資格を見直すなどの改善策に乗り出した。 免許外教員は、教育職員免許法の付則で規定されており、小規模校で教員定数が限られるなどやむをえない場合、県教委などが例外措置として許可している。期間は1年だが、何年も継続して許可されるケースもあるという。文部科学省の「教育委員会月報」によると2007年度には東京以外の全道府県におり、計9290人に上った。県教委教職員課によると、県内公立中学で免許がない科目を教えている教員344人の科目別内訳は、家庭105人▽技術70人▽美術61人-など。主要5科目では数学の28人が最多で、国語17人と続いた。高校は公民や工業など13科目で計26人だった。 学校数でみると、中学校は全356校中133校に、高校は全170校中17校で免許外教員が認められた。法改正で今年4月にスタートした免許更新制では、必要な資質能力が保持されるように、10年ごとの講習が義務付けられた。だが更新は所有科目のみ。免許外教員が、実際に受け持つ科目について受講することは義務付けられていない。 県教委はこうした状況を「小規模校では、家庭や技術など、授業時間数が少ない科目の教員を配置することは難しい」と説明。04年度採用から複数免許を持つ受験者を優先し、09年度採用からは高校の音楽や美術などの出願資格として、ほかの科目の免許所持を明文化した。同教職員課は「選考方法の工夫で免許外教員を解消していきたい」と話している。』神戸新聞
戦後の第一次ヘビーブームや第二次ベビーブームによる生徒増加期も過ぎた今、県立中学校や県立高等学校で教員免許状の持たない教科を先生が長年教えていたのは問題です。学校と言う教育現場での370人の先生による教科の無免許運転ですよ。警察による交通検問が無いので、外部にはばれませんね。生徒や保護者は「知らぬが仏で」は困ります。はなはだ迷惑です。今年4月から始まった文部科学省の教員免許更新制度の実施よりも、各専門教科の免許状の有る先生に各専門教科の授業を担当して貰うべきでは有りませんか。プロ教育者としての常識では有りませんか。こんなことをしていたら教育委員会は、不要と言う都道府県知事も出て来ると思いますよ。何の為の日本の教員免許制度か分かりません。此れは全国的な問題でしょう。教員の免許状更新よりも各専門教科の免許状を持った先生の各中学校や高等学校への配置が筋では有りませんか。私立中学校、高等学校に比べ、公立中学校、公立高等学校の学力格差や学力低下問題は、各教科の専門性をおろそかにして来た結果では有りませんか。各教科の内容や専門性も重視すべきです。「主要5科目では数学の28人が最多で、国語17人と続いた。高校は公民や工業など13科目で計26人だった。」と書いて有りますが。主要5教科も教員免許状を持っていない先生が教えていたのは問題では有りませんか。中学校で最も大切な主要5教科の数学や国語を軽視していたら、生徒の基礎学力の保障も出来ないのでは有りませんか。高等学校の公民は大学入試のセンター試験の試験科目に入っていますし、大学入試でも試験科目に入っています。工業高校の工業は、工業の教員免許状を持っていないと教科内容を正しく教えられないと思いますが。もつと厳密に調査し、改革すべきでは有りませんか。教員の資質の向上と言う前に各専門教科の教員免許状を持つ先生の各学校への配置を早急にすべきです。公立中学校の生徒の学力の低下問題で、進学塾に生徒の学力向上依存せざるを得ない原因もこんなところに有るのかも分かりません。本当は、教員免許状を持たない教科は、何年も先生が教えられない筈です。仮免許は、1年ぐらいでしょう。教育現場での教員免許制度のなし崩しや教員免許制度の形骸化に繋がると思いますので、即刻生徒の為に改めるべきです。県立中学校や県立高等学校への生徒や保護者の信頼と学校教育への期待を裏切ら無いようにすべきです。定着してしまっている公立校離れを取り戻す為にも各専門教科の指導や授業の内容の充実を図る為に大学での各専攻分野を生かし、各専門教科に優れた先生の各学校への派遣をすべきだと思います。